『医原枢要』

日本最初の西洋生理学の紹介書といわれている。
18世紀末から19世紀はじめにかけてフランスおよびドイツを風靡した生気論医学に関するフランスのド・ラ・フェイ、ドイツのブルーメンバハ、ローゼの著書の蘭訳本により、かれらの生理学説を長英が体系づけたものである。長英は題言の中で著述の目的を明快に述べている。
「解体新書」が刊行されて以来、西洋医学書が次々と出版されて普及した結果、解剖書から内外科の治療書、薬物書にいたるまでほぼ完備していた。しかし、医学においてもっとも基本的な知識である生理学については、西洋でもここ40年から50年の間に発達したもので、いまだ日本に紹介されていなかった。長英は当時の状況を「西洋の医術を学んで医者を開業する者も生理学についてはおしだまってしまう。物理に通じた人は身体の仕組みを知らないので、異常な病気やかわった症候に対処できない。」と医学にとっていかに生理学が重要かを述べている。






種別リストに戻る総リストに戻る