○奥州市景観条例
平成25年12月13日
条例第40号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 良好な景観の形成に関する施策
第1節 景観計画の策定等(第4条・第5条)
第2節 行為の制限等(第6条―第19条)
第3節 景観まちづくりの推進施策(第20条―第23条)
第3章 奥州市景観審議会(第24条―第29条)
第4章 雑則(第30条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の施行に関し必要な事項を定めることにより、市民、事業者及び市の協働のもと、地域特性をいかした良好な景観の形成を実現し、次世代への継承に資することを目的とする。
(市の責務)
第2条 市は、良好な景観の形成に必要な施策を策定し、これを総合的かつ計画的に実施しなければならない。
2 市は、前項の施策の策定及び実施に当たっては、市民及び事業者の意見が十分に反映されるよう努めなければならない。
3 市は、良好な景観の形成に関する啓発及び知識の普及を通じて、市民及び事業者の理解を深めるよう努めなければならない。
(市民及び事業者の責務)
第3条 市民及び事業者は、自らが良好な景観の形成の主体であることを認識し、自主的かつ積極的な役割を果たすよう努めなければならない。
2 市民及び事業者は、市が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力しなければならない。
第2章 良好な景観の形成に関する施策
第1節 景観計画の策定等
(景観計画の策定)
第4条 市長は、法第8条第1項の規定に基づき、景観計画を定めるものとする。
2 法第8条第2項第1号に規定する景観計画区域は、次に掲げる地区に区分するものとする。
(1) 重点地区(地域の特性をいかした良好な景観の形成を先導する地区として、よりきめ細やかな施策が特に必要と市長が認める地区をいう。)
(2) 一般地区(前号に掲げる地区以外の地区をいう。)
3 法第8条第2項第2号に規定する良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項は、前項各号に掲げる地区ごとに定めるものとする。
4 市長は、景観計画を定めようとするときは、あらかじめ、第24条の規定による奥州市景観審議会(以下この章において「審議会」という。)の意見を聴くものとする。
5 前項の規定は、景観計画の変更(規則で定める軽微な変更を除く。)について準用する。
(計画提案に係る意見の聴取)
第5条 市長は、法第11条第1項及び第2項の規定による計画提案があった場合において、法第14条第1項の規定により当該計画提案を踏まえて景観計画の策定又は変更をする必要がない旨及びその理由(以下この条において「理由等」という。)を当該計画提案をした者に通知しようとするときは、あらかじめ、当該計画提案に係る景観計画の素案及び理由等について審議会の意見を聴くものとする。
第2節 行為の制限等
(届出を要する行為等)
第6条 法第16条第1項第4号の良好な景観の形成に支障を及ぼすおそれのある行為として条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。
(1) 土地の開墾、土石の採取、鉱物の掘採その他の土地の形質の変更
(2) 木竹の伐採
(3) 屋外における土石、廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物をいう。)、再生資源(資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)第2条第4項に規定する再生資源をいう。)その他の物件の堆積
2 前項各号に掲げる行為に係る法第16条第1項の規定による届出は、行為の種類、場所、設計又は施行方法及び着手予定日並びに同項の条例で定める事項として次に掲げる事項を記載した届出書を提出して行わなければならない。
(1) 行為をしようとする者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)
(2) 行為の完了予定日
3 法第16条第2項の条例で定める事項は、設計又は施行方法のうち、その変更により第1項各号に掲げる行為が同条第7項各号に掲げる行為に該当することとなるもの以外のものとする。
4 第2項の届出書には、法第8条第4項第2号に規定する規制又は措置の基準(以下「景観形成基準」という。)への適合に関する事項を記載した書類その他規則で定める図書を添付しなければならない。
(助言及び指導)
第7条 市長は、良好な景観の形成のために必要と認めるときは、法第16条第1項の規定による届出をした者に対し、当該届出に係る行為に関し必要な助言又は指導を行うことができる。
(勧告の手続及び公表)
第8条 市長は、法第16条第3項の規定による勧告を行おうとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴くものとする。
2 市長は、勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、規則で定めるところにより、その旨及びその勧告の内容を公表することができる。
3 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該公表に係る勧告を受けた者に、あらかじめ、その旨を通知し、その者に意見を述べる機会を与えなければならない。
(届出を要しない行為)
第9条 法第16条第7項第11号の条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。
(1) 法第16条第1項第1号から第3号までに規定する行為(同項第2号に規定する行為にあっては、規則で定める工作物に係る行為に限る。)で、規則で定める規模以下のもの
(2) 第6条第1項各号に掲げる行為で、規則で定める規模以下のもの
(3) 法令又は他の条例の規定により許可、認可、届出等を要する行為のうち、良好な景観の形成に支障を及ぼすおそれがないものとして規則で定めるもの
(4) 前3号に掲げるもののほか、これらに準じる行為として規則で定めるもの
(特定届出対象行為)
第10条 法第17条第1項の特定届出対象行為は、法第16条第1項第1号及び第2号の届出を要する行為とする。
(変更命令等の手続及び公表)
第11条 市長は、法第17条第1項の規定により必要な措置をとることを命じようとするとき、又は同条第5項の規定により原状回復若しくはこれに代わるべき必要な措置をとることを命じようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴くものとする。
2 前項の規定は、当該届出に係る行為を取りやめたときについて準用する。
(現地確認)
第13条 市長は、前条第1項の届出があったときその他必要があると認めるときは、当該行為が景観形成基準に適合しているかについて確認するものとする。
2 市長は、前項の規定による確認に関し必要があると認めるときは、職員に、当該行為に係る敷地に立ち入り、当該行為の実施状況を検査させることができる。
3 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があった場合は、これを提示しなければならない。
4 第2項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(現地確認後の勧告)
第14条 市長は、前条の規定による現地確認の結果、当該届出に係る行為が景観形成基準に適合しないと認めるときは、当該届出をした者に対し、当該届出に係る行為に関し必要な措置をとることを勧告することができる。この場合において、当該勧告を行おうとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴くものとする。
(景観重要建造物の指定等の手続)
第15条 市長は、法第19条第1項の規定による指定又は法第27条第2項の規定による指定の解除をしようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴くものとする。
2 市長は、法第23条第1項の規定により原状回復若しくはこれに代わるべき必要な措置をとるべき旨を命じようとするとき、又は法第26条の規定により必要な措置を命じ、若しくは勧告しようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴くものとする。
(景観重要建造物の管理の方法の基準)
第16条 法第25条第2項の管理の方法の基準は、次のとおりとする。
(1) 景観重要建造物の滅失及び毀損を防ぐため、その敷地、構造及び建築設備を定期的に点検すること。
(2) 消火設備の設置その他の防災上の措置を講じること。
(3) 景観重要建造物の修繕は、原則として、当該修繕前の外観を変更することのないようにすること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、景観重要建造物の良好な景観の保全のため必要な管理の方法の基準として規則で定めるものを遵守すること。
(景観重要樹木の指定等の手続)
第17条 市長は、法第28条第1項の規定による指定又は法第35条第2項の規定による指定の解除をしようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴くものとする。
2 市長は、法第32条第1項において読み替えて準用する法第23条第1項の規定により原状回復若しくはこれに代わるべき必要な措置をとるべき旨を命じようとするとき、又は法第34条の規定により必要な措置を命じ、若しくは勧告しようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴くものとする。
(景観重要樹木の管理の方法の基準)
第18条 法第33条第2項の管理の方法の基準は、次のとおりとする。
(1) 景観重要樹木の良好な景観を保全するため、剪(せん)定その他の必要な管理を行うこと。
(2) 景観重要樹木の滅失及び枯死を防ぐため、病害虫の駆除その他の措置を講じること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、景観重要樹木の管理の方法の基準として規則で定めるものを遵守すること。
(景観重要公共施設の占用等行為に係る景観基準の適合審査)
第19条 法第8条第2項第4号ロに規定する道路法(昭和27年法律第180号)による道路及び河川法(昭和39年法律第167号)による河川に係る施設のうち、良好な景観の形成に重要なもの(以下「景観重要公共施設」という。)において、道路法第32条第1項若しくは第3項の許可又は河川法第24条、第25条、第26条第1項若しくは第27条第1項(これらの規定を同法第100条第1項において準用する場合を含む。)の許可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、あらかじめ、市長による景観重要公共施設の占用等行為に係る景観基準の適合審査を受けなければならない。
2 市長は、前項の審査で適合していると認めるときは、規則で定めるところにより、その旨を通知しなければならない。
第3節 景観まちづくりの推進施策
(地域まちづくり資産の登録)
第20条 市長は、建造物、樹木、遺跡、歴史伝承地、優れた景観を眺望できる場所、伝統行事又は祭事(以下「建造物等」という。)が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該建造物等を地域まちづくり資産(奥州市自治基本条例(平成21年奥州市条例第1号)第14条第2項の規定による本市の固有の地域資源その他景観まちづくり(良好な景観の形成を目的とする活動をいう。)に活用すべき本市の固有の財産をいう。以下同じ。)として登録することができる。
(1) 良好な景観の形成に寄与しており、道路その他の公共の場所から公衆によって容易に望見されるものであること。
(2) 優れた景観を眺望できる場所であること。
(3) 古くから市民に親しまれ受け継がれてきた伝統行事又は祭事であること。
2 市長は、前項の規定による登録をしようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴くものとする。この場合において、市長は、当該建造物等の管理者又は所有者から当該登録に係る同意を事前に得ておかなければならない。
3 市民及び規則で定める者は、規則で定めるところにより、市長に対し、建造物等を地域まちづくり資産として登録することを提案することができる。
2 市長は、登録資産について、公益上の理由その他特別な理由があると認めるときは、その登録を抹消することができる。
3 市長は、前2項の規定により登録の抹消を行ったときは、その旨を公表するものとする。この場合において、市長は、抹消した旨及び公表した旨を当該建造物等の管理者又は所有者に通知しなければならない。
(支援等)
第22条 市長は、市内において良好な景観の形成に資する活動を行う者に対し、必要があると認めるときは、当該活動のために必要な技術的支援を行い、又は当該活動に要する費用の一部を助成することができる。
(表彰)
第23条 市長は、良好な景観の形成に寄与していると認められる者又は団体を表彰することができる。
第3章 奥州市景観審議会
(設置)
第24条 良好な景観の形成に関する重要な事項を審議するため、市長の附属機関として奥州市景観審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(委員)
第25条 審議会は、委員15人以内をもって組織し、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
(1) 知識経験者
(2) 関係行政機関の職員
(3) 前2号に掲げる者のほか、市長が必要と認める者
2 委員の任期は、2年以内とする。ただし、委員が欠けた場合の後任の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(会長及び副会長)
第26条 審議会に会長及び副会長1人を置き、委員の互選とする。
2 会長は、会務を総理し、会議の議長となる。
3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。
(会議)
第27条 審議会は、市長が招集する。
2 審議会の会議は、委員の半数以上が出席しなければ開くことができない。
3 審議会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
(庶務)
第28条 審議会の庶務は、都市整備部都市計画課において処理する。
(会長への委任)
第29条 この章に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。
第4章 雑則
第30条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(奥州市の優れた景観を守り、育て、つくる条例及び奥州市平泉文化揺籃(ようらん)の地景観条例の廃止)
2 次に掲げる条例は、廃止する。
(1) 奥州市の優れた景観を守り、育て、つくる条例(平成18年奥州市条例第271号)
(2) 奥州市平泉文化揺籃の地景観条例(平成23年奥州市条例第20号)
(経過措置)
3 この条例の施行前に奥州市の優れた景観を守り、育て、つくる条例及び奥州市平泉文化揺籃の地景観条例の規定によりなされた処分、手続その他の行為(市が定める景観計画区域において適用したものに限る。)は、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。