○奥州市悪臭公害防止条例
平成18年2月20日
条例第198号
(目的)
第1条 この条例は、他の法令に定めがあるものを除くほか、工場その他の事業場における事業活動に伴って発生する悪臭の排出を規制するために必要な事項を定めることにより、悪臭公害を防止し、もって市民の健康を保護するとともに、良好な生活環境を保全することを目的とする。
(1) 悪臭 市民の生活環境を損なうおそれのある不快な臭いをいう。
(2) 悪臭公害 事業活動に伴って生じる悪臭によって市民の快適な生活環境が阻害されることをいう。
(3) 特定事業場 悪臭公害を発生するおそれのある工場その他の事業場で、別表第1に定めるものをいう。
(事業者の責務)
第3条 特定事業場を設置している者(以下「事業者」という。)は、その事業活動によって良好な生活環境を侵害しないよう自らの責任において悪臭公害の防止に必要な措置を講じなければならない。
2 事業者は、特定事業場に係る悪臭公害の発生源を厳重に管理するとともに、悪臭公害の発生原因及び発生状況を常時把握しなければならない。
3 事業者は、特定事業場から排出する産業廃棄物の処理方法について、技術的な工夫に努め、自らの責任において、悪臭公害を発生させないよう適正に処理しなければならない。
(市長の責務)
第4条 市長は、市民の健康で快適な暮らしを守るため、必要な施策を講じて悪臭公害の防止に努めなければならない。
2 市長は、悪臭公害の発生状況について、常に監視に努めなければならない。
(公害防止協定の締結)
第5条 事業者は、市長から悪臭の防止に関する協定の締結を求められたときは、誠意をもってこれに応じなければならない。
2 事業者は、前項の協定を締結したときは、協定事項を確実に履行しなければならない。
(規制基準)
第6条 悪臭公害を防止するために必要な規制基準(以下「規制基準」という。)は、別表第2のとおりとする。
(悪臭の測定方法)
第7条 悪臭の測定方法は、嗅覚を用いる臭気の判定試験の方法(平成7年環境庁告示第63号)によるものとする。
(規制基準の遵守義務)
第8条 事業者は、規制基準を遵守しなければならない。
(事故時における措置)
第9条 事業者は、特定事業場について故障、破損その他の事故が発生し、当該事故に係る特定事業場から規制基準を超えて悪臭を発生させ、若しくは排出させたとき、又はそのおそれがあるときは、直ちに、その事故について応急措置を講じるとともに、その旨を市長に報告し、事故の復旧に努めなければならない。
2 前項の規定による報告をした事業者は、当該事故の復旧工事を完了したときは、速やかに、その旨を市長に届け出なければならない。
(改善勧告)
第10条 市長は、特定事業場について次の各号のいずれかに該当していると認めるときは、事業者に対し、相当の期限を定めて、当該特定事業場の建物若しくは施設の構造若しくは配置、悪臭公害の防止の方法又は作業の方法等について必要な改善を行うよう勧告することができる。
(1) 規制基準に適合しないとき。
(2) 前条第1項に定める事故が発生したとき又はそのおそれのあるとき。
(改善命令)
第11条 市長は、前条の勧告を受けた事業者が、その勧告に従わないときは、当該事業者に対し、相当の期限を定めて、その勧告に係る相当の措置をとるべきことを命じることができる。
2 市長は、前項の規定による命令を受けた事業者がその命令に従わないときは、相当の期限を定めて、当該特定事業場の使用の制限又は禁止を命じることができる。
(弁明の機会)
第12条 市長は、前条の規定による命令をしようとするときは、当該命令を受ける者に対し、弁明の機会を与えなければならない。
(立入検査)
第14条 市長は、この条例の目的を達成させるため必要と認めるときは、悪臭公害を発生させ、若しくは発生させるおそれのある事業者に対し、必要な報告を求め、又は職員をして当該特定事業場その他必要な場所に立ち入らせ、必要な調査若しくは検査をさせることができる。
2 前項の規定により、立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(行政手続条例の適用除外)
第15条 この条例の規定により市長がする処分については、奥州市行政手続条例(平成18年奥州市条例第13号)第2章及び第3章の規定は、適用しない。
(委任)
第16条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
(罰則)
第17条 第11条の規定による命令(規制基準を遵守しないことによるものに限る。)に違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第18条 次の各号のいずれかに該当する者は、20万円以下の罰金に処する。
(両罰規定)
第19条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成18年2月20日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに、合併前の江刺市悪臭公害防止条例(平成5年江刺市条例第17号。以下「合併前の条例」という。)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。
3 施行日の前日までにした行為に対する罰則の適用については、なお合併前の条例の例による。
別表第1(第2条関係)
特定事業場の種類 | 規模 |
有機質肥料を製造する工場その他特定事業場(原料として家畜及び家きんのふん尿を使用するものに限る。)で次に掲げるいずれかの施設を有するもの (1) 強制発酵施設 (2) 乾燥施設 | 原料の処理能力が1日当たり500キログラム以上であること。 |
動物質の飼料、肥料若しくは油脂又はこれらの原料を製造する工場その他の事業場(原料として獣畜、魚介類又は鳥類の皮、骨、羽毛、臓器等を使用するものに限る。)で次に掲げるいずれかの施設を有するもの (1) 原料置場 (2) 粉砕施設 (3) 煮ふつ施設(蒸解施設を含む。) (4) 乾燥施設 (5) 真空濃縮施設 (6) 排水処理施設 (7) 発酵施設 | すべてのもの |
別表第2(第6条関係)
地域の区分 規制基準測定地点 | 都市計画法上の工業地域及び工業専用地域 | 左記以外の地域 | |
敷地境界線上 | 臭気濃度 | 30 | 10 |
(臭気指数) | (15) | (10) | |
排出口 | 臭気濃度 | 1,000 | 300 |
(臭気指数) | (30) | (25) |
備考
1 臭気濃度とは、臭いのある空気を無臭の空気で臭気の感じられなくなるまで希釈した場合の希釈倍数のことで、官能試験に用いられる表示法である。
臭気指数とは、臭気濃度の常用対数に10を乗じた数値で、臭気濃度同様に官能試験に用いられる表示法である。
2 特定事業場の敷地から外側の地点において悪臭が最大着地濃度となる場合には、「敷地境界線上」に代えてその地点を測定地点とし、「敷地境界線上」の規制基準を適用する。