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第90回 LCWS2021開催

印刷用ページを表示する 更新日:2021年11月17日更新
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第90回 LCWS2021開催

 LCWS2021が開催

 日本時間の3月15日から19日にかけて、国際会議LCWS(※)2021がオンラインで開催されました。

 ILCの進捗状況を重要なテーマとして、ILC国際推進チームによる準備研究所に関する検討状況をはじめ、加速器設計や測定器開発、物理学研究などの進捗状況などがオンラインで発表されました。期間中は、世界の研究者・技術者などから292の発表が行われ、約900人が参加。初日と最終日の全体会議では、米欧からの具体的な資金提供などに向けて、日本政府の前向きなアクションを期待する意見がヨーロッパからありました。また、地元東北地方の取り組みについても、東北ILC事業推進センターより説明されました。

※LCWS

 リニアコライダー国際ワークショップの略称。ILCを含めたリニアコライダー計画に関する国際会議で、毎年欧州と米国、アジアの持ち回りで開催されている。

報告内容

東北ILC事業推進センター

▲ILC実現に向けた東北の受け入れ環境整備について、ILC国際推進チームと高エネルギー加速器研究機構(KEK)など関係団体との密接な連携を強調しつつ「加速器の最適な配置場所や環境面の検討、土地の利用や取得への取り組みを進めている」ことを説明。

▲実験装置についても「世界で分担して製造されたものが送られてくる。組み立てや性能検査、保管場所も必要になり、その運送網なども含めてより詳細な検討に入る」と説明。

株式会社近藤設備(西和賀町)

▲産業に関する個別セッションにおいて、陽電子源に関する県工業技術センターなどとの共同研究について発表。同社は最新の3次元システムを活用した工場などの配管の加工や施工を得意としており、ILC実験において重要とされる「装置を冷却するシステム」の開発にも携わっている。

▲すでにKEKの実験設備の配管図面の作成や東北大学に建設される次世代放射光施設の冷却用配管工事にも実績を持ち、ILCにおいても活躍が期待される。

ILC国際推進チーム

▲ILC準備研究所に関する提案書を1、2カ月程度で取りまとめる予定である。

▲ILC国際推進チームは、ILC準備研究所設立に向け、各国の研究機関と協議を始める準備が整っている。

アメリカチーム 

▲アメリカ・カナダは、引き続き、日本でのILC実現に向けて積極的に取り組んでいく。

ヨーロッパチーム 

▲ヨーロッパのILCに関係する研究者の多くが、ILC国際推進チームワーキンググループに参加している。

 ▲ILC準備研究所の計画に沿って技術開発などの取り組みを進めており、ILC準備研究所の資金提供に向け動いていく。

ブラックホールの謎解明に向けて

 国立天文台水沢VLBI観測所の研究者らが参加するEHT国際研究チームは、ブラックホールから光速に近い速さでガスが噴出するジェットという現象を、世界の望遠鏡で観測し、先日その成果が発表されました。この成果には、水沢にあるVERA望遠鏡や韓国、中国が連携する「東アジアVLBI観測網」も大きく貢献しています。

 複数の電波望遠鏡が連携し観測するVLBIだけでなく、ガンマ線やX線、可視光など、それぞれの波長を観測する望遠鏡から同時に観測することで、ブラックホール周辺でジェットが発生する理由を詳しく探ることができます。今回、これほど多くの望遠鏡が同時に観測したのは、史上初めてのことです。下の写真は、さまざまな波長の電磁波でとらえたブラックホールとジェットの姿です。

 今後も水沢の電波望遠鏡が参加する東アジアVLBI観測網や、研究者らが参加するEHT国際研究チームには、多くの研究成果を発信いただき、地元の皆さんにもブラックホールの研究をもっと身近に感じていただきたいと思います。