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ACP(アドバンス・ケア・プランニング)は、もしもの時に備えて、どのような医療・介護を受けたいか話し合うことです。より馴染みやすい言葉となるよう『人生会議』という愛称で呼ぶことになり、11月30日が『人生会議の日』と定められました(語呂合わせで(1130)いいみとり)。では人生会議とはどういうことでしょうか?
ほとんどの人は、突然降りかかる病気や災害、介護問題、その延長線上の死について、普段の暮らしの中では考えておらず、「その時どうするか」を決められずにいます。人生会議とは、自分や家族がいつかこの世を去るという事実を受け入れ、元気で自分の意見を話せるうちから「自分がどのような最期を迎えたいのか」「愛する家族をどのように支えてあげたいのか」や、いずれ必ず訪れる「死」について、かかりつけ医を中心とした医療・介護チームや家族と共に真剣に考えることです。
人生会議は本人の意思を尊重し、「納得のいく最期」を実現するためのものです。残念ながら、意思が決定されていなかったために半強制的に延命され、自然に、穏やかにその時を迎えられない場面に遭遇することがあります。だからこそ、私たち一人一人がしっかりと本気になって考える必要があるのです。後悔しない人生の終(しま)い方・逝き方を考えてみる機会に『人生会議』をしてみませんか?
次号は、入退院支援について紹介します。