希望のひかり 第9回

更新日:2023年09月29日

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第9回 セルン視察報告会を開催 ほか

セルン視察報告会を開催

市と市国際リニアコライダー推進連絡協議会は5月16日、「セルン視察報告会」を江刺総合支所で開催しました。報告会には、同協議会会員や一般市民など約120名が参加し、市長らの報告に熱心に耳を傾けていました。
この報告会は、広報おうしゅう5月本号でもお伝えしたスイスの欧州合同原子核研究所(以下、CERN)視察の成果を報告したもの。視察団の一員として参加した小沢昌記市長やNPO法人イーハトーブ宇宙実践センターの大江昌嗣理事長、奥州商工会議所の千葉龍二郎会頭の3人が行政、研究者、産業界というそれぞれの立場から報告しました。

視察から学んだこと

名前が貼られたテーブル席で、右手でマイク、左手に資料を持ち、立って視察の概要報告を行っている小沢市長の写真

まずは、小沢市長が視察の概要を報告しました。視察の目的やCERNの概要、街の様子などについて説明。CERNの要人と懇談したことにも触れ、ILC推進組織責任者のリン・エバンス氏の「日本でのILC建設に大いに期待している」との激励も紹介しました。視察から学んだこととして、(1)住居、病院、学校などの生活基盤の整備と言葉の問題への対策(2)リーズナブルな住居の確保(3)自治体の受け入れ体制(4)地元との交流機会の提供や観光レジャーなどのソフト面の充実(5)配偶者の就職支援(6)研究機関と地元自治体のオープンな連携―の必要性を報告しました。

教育環境の整備を

プロジェクタースクリーンを背に座っている大江理事長が自席につきマイクを持って話をしている写真

大江理事長は、今後に向けた課題などにも触れました次に、大江理事長が、視察中に懇談を行った齋藤武彦氏(ドイツ・マインツ大学教授)からの手紙を紹介しながら、県内に専門の学部の設置など、教育環境の整備を提案。「『最先端の物理を勉強したいなら岩手に行こう!』とならなければならない」と訴えました。

ILCは復興の起爆剤

3人目の報告者、千葉会頭は、CERN近郊の街並みの景観や治安の良さ、病院や保育所が充実していることなどを報告。ILCは復興へ向けた大きな起爆剤となることを強調し「復興のシンボルに」と話しました。

“おもてなしの心”が大事

3人の報告後、江刺区出身で、CERNに駐在する佐々木修教授(高エネルギー加速器研究機構)から送られたビデオメッセージを上映。ビデオの中で佐々木教授は「大事なのは地元のホスピタリティ(おもてなしの心)。この点は日本、岩手は最高だと思う」と語り、岩手への誘致実現に期待を表しました。

市が今後取り組むこと

最後に、小沢市長が視察のまとめとして、今後、(1)地元の受入意識の醸成(2)住居・教育・医療などにおける受け入れ体制の充実(3)研究者の家族支援―が求められるとし、その対応に意欲を示しました。「ILCをこの地域の活性化の起爆剤とし、夢を持つ子どもたちを多く育てるための礎にしたい」として報告会を締めくくりました。

東京で東北のポテンシャルをPR

「シンポジウム「日本再生」」と書かれた横断幕が掲げられた会場で、5名の方が参加者と向き合う形で前方の席に座りシンポジウムが行われている様子の写真

東北ILC推進協議会(代表・里見進東北大総長、高橋宏明東北経済連合会長)では5月30日、シンポジウム「日本再生」を都内で開催。講演会のほか「ILCを核とした科学技術創造立国と東北のポテンシャル」と題したパネルディスカッションを行いました。
このシンポジウムで、ILCを日本で実現する意義や、日本再生に向けた東北のポテンシャル(潜在能力)を首都圏に向けてPRしました。

市国際リニアコライダー推進連絡協議会総会を開催

市国際リニアコライダー推進連絡協議会では、セルン視察報告会の前に総会を開催。平成24年度事業報告や25年度事業計画が承認され、本年度も昨年に引き続き、東北における誘致活動の支援やILCに関する情報の提供などを行うことにしました。

出前講座を実施しています

市は、23年度からILCに関する出前講座を実施しており、本年度も同様に実施。この出前講座は「ILCとは何なのか」「どのような効果があるのか」「安全性はどうなのか」などについて市の担当者が説明するものです。
既に地区振興会などを対象にスタート。活発な質問が出るなど、市民の皆さんのILCに対する関心の高さが伺えました。
出前講座は、10人以上の団体を対象に実施します。希望する場合は、お気軽にお問い合わせください。

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ふるさと交流課 ILC・多文化共生推進室
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