○奥州市索道事業安全管理規程
平成18年9月28日
訓令第58号
(趣旨)
第1条 この訓令は、市が設置し、管理運営する索道事業の輸送の安全を確保するため、鉄道事業法(昭和61年法律第92号)その他関係法令に定めるもののほか必要な事項を定めるものとする。
(輸送の安全を確保するための方針)
第2条 市長は、市が設置し、管理運営する索道事業(以下「事業」という。)における輸送の安全の確保(以下「安全確保」という。)の意識を持ち、事業を実施する体制の整備に努めるとともに、安全確保のための管理の方針その他事業に関する基本的な方針を具体的に定めるものとする。
2 事業の管理運営に関わる職員等(以下「職員等」という。)の安全確保に係る行動規範は、次のとおりとする。
(1) 一致協力して安全確保に努めること。
(2) 関係法令等を遵守し、厳正、忠実に職務を遂行すること。
(3) 常に安全確保に関する状況を理解すること。
(4) 職務の遂行に当たり、推測に頼らず確認の励行に努め、疑義のあるときは最も安全と思われる取扱いをすること。
(5) 事故、災害等が発生したときは、人命救助を最優先に行動し、速やかに適切な処置をとること。
(6) 情報は漏れなく迅速、正確に伝え、透明性を確保すること。
(7) 常に問題意識を持ち、効果的かつ効率的な事業の実施を図ること。
3 市長は、第1項の方針に基づき策定した索道施設及び職員等に係る安全性向上のための施策を、適宜見直すものとし、当該施策及びこれに基づく取組みの実績その他安全に関する情報については、毎年度、これを取りまとめて安全報告書として公表するものとする。
(市長の責務等)
第3条 市長は、輸送の安全の確保に関する最終的な責任を負うものとする。
2 市長は、安全確保のための事業の実施及び管理の体制を整備するとともに、事業の実施及び管理の方法を定めるものとする。
3 市長は、安全確保のため、事業の実施及び管理の状況を把握し、必要な改善を図るものとする。
5 市長は、事故、事故のおそれのある事態、災害その他安全確保に支障を及ぼすおそれのある事態(以下「事故災害等」という。)の規模や内容等に応じ、対応方法その他必要な事項を定め、職員等に周知し、徹底させるものとする。
(組織体制)
第4条 事業における安全確保に係る組織の体制は、別表のとおりとし、事業に係る専門的な知識を有する次に掲げる職を置く。
(1) 安全統括管理者(以下「統括管理者」という。)
(2) 索道技術管理者(以下「技術管理者」という。)
(3) 索道技術管理員(以下「技術管理員」という。)
2 市長は、前項の職の選任、解任等については、これを職員等に周知することにより、安全確保に関する責任体制を明らかにするものとする。
3 第1項の職にある者は、安全確保に関する情報について相互に連絡を緊密にし、打合せを正確に行うことにより、職務を適切に遂行しなければならない。
(統括管理者の選任及び解任)
第5条 統括管理者には、鉄道事業法施行規則(昭和62年運輸省令第6号)第58条の4に規定する資格要件を満たす者のうち、安全確保に関して十分な知識及び経験を有するものを充てる。
2 統括管理者が次の各号のいずれかに該当するときは、これを解任する。
(1) 人事異動等により統括管理者の要件を満たさなくなったとき。
(2) 国土交通大臣の解任命令が出たとき。
(3) 身体の故障その他やむを得ない事由により職務を引き続き行うことが困難になったとき。
(4) 関係法令等に違反する等により、統括管理者がその職務を引き続き行うことが安全確保に支障を及ぼすおそれがあると認められるとき。
(統括管理者の責務)
第6条 統括管理者は、安全確保に関し、次に掲げる責務を有する。
(1) 安全確保を最優先した輸送業務の実施及び管理部署を統括すること。
(2) 職員等に対し、関係法令等の遵守及び安全確保の意識を徹底させること。
(3) 輸送業務の実施及び管理の状況について、随時確認を行い、必要な改善措置を講じること。
(4) 安全確保に関する事業運営上の重要な決定に参画し、市長に対しその職務を行ううえでの必要な意見を述べること。
(技術管理者の選任及び解任)
第7条 技術管理者には、課長補佐又は係長相当の職にある者から、担当することとなる事業所の索道の種類及び方式に応じて、鉄道事業法施行規則第58条の5に規定する資格要件を満たすものを充てる。
2 第5条第2項の規定は、技術管理者の解任について準用する。
(技術管理者の責務)
第8条 技術管理者は、統括管理者の指揮の下、次に掲げる業務を管理する責務を有する。
(1) 索道施設の保守に関すること。
(2) 索道の運行に関すること。
(3) 所属職員の教育訓練に関すること。
(技術管理員の選任及びその責務)
第9条 技術管理員には、索道の運行を管理するため、索道の種類及び方式又は基数に応じて、鉄道事業法施行規則第58条の7に規定する資格要件を満たす者を充てる。この場合において、市長は、勤務実態を考慮し、索道の運行の管理に支障のないよう必要な配置をするものとする。
2 技術管理員は、技術管理者の指揮の下、その業務を補助するとともに、次に掲げる業務を行う責務を有する。
(1) 索道の運行に関すること。
(2) 索道施設の保守に関すること。
(業務報告)
第10条 統括管理者は、安全確保に関する業務を統括するため、安全を損なう事態について、技術管理者の業務の実施に関し、報告すべき事項を定めなければならない。
2 前項の報告内容については、関係法令等の違反、重大な怠慢、故意による行為等を除き、職員等の処罰の対象に用いてはならない。
3 職員等は、安全確保に関し、相互に必要な情報を伝達しなければならない。
(事故災害等の防止対策の検討)
第11条 統括管理者は、事故災害等その他安全確保に関する情報を分析し、整理し、これらの防止対策の検討を行わなければならない。
2 統括管理者は、前項の検討において、不安全事象の再発防止又は安全意識の向上の観点から職員等に知らしめることが重要である事項については、共有できるよう配慮しなければならない。
(業務の確認)
第12条 統括管理者は、適宜事業所において輸送に係る業務の実施及び管理の状況を確認することにより、潜在する危険要因を抽出し、業務改善が必要な事項について的確な措置を講じなければならない。
(安全管理体制の維持のための教育訓練)
第13条 統括管理者は、安全管理体制の維持及び改善に必要な教育及び訓練の実施の方法について定めなければならない。
(安全管理規程等の整備)
第14条 市長は、安全確保のため、この訓令、索道施設に関する技術上の基準を定める省令(昭和62年運輸省令第16号)第3条の規定に基づく実施細則のほか、索道施設の保守及び索道の運行に関して必要な規程を定めなければならない。
(規程、帳票類等の備付け及び記録の管理等)
第15条 この訓令及び前条の規定により定める規程、索道施設の構造、性能等に係る帳票類等その他必要な資料等は、必要な部署に備え、適切に保管しなければならない。
2 統括管理者の意見及び安全確保に関する事業運営上の方針の作成に当たっての会議の議事録は、記録の作成及び保管の方針を定めて、適切に保管しなければならない。
3 前2項の規定による保管の方法は、奥州市文書管理規程(平成18年奥州市訓令第11号)の定めるところによる。
(索道施設の設置、改良)
第16条 技術管理者は、索道施設の設置又は改良に当たっては、安全確保に支障のないよう整備計画を策定し、統括管理者に報告し、その実施に当たっては、適宜検査等を行って適切に施工されていることを確認しなければならない。
(索道施設の保守管理計画の作成)
第17条 技術管理者は、索道施設を常に安全な状態に保持するため、定期検査、補修等索道施設の保守に関する計画を作成し、統括管理者に報告しなければならない。
2 前項の計画は、事業所の索道基数、施設設備に係る担当者数、作業量等を十分考慮したものであって、索道の安全な運行に支障のないものとする。
3 技術管理者は、第1項の計画の実行に支障のないよう要員の確保、交換部品の供給等に努めなければならない。
4 技術管理者は、索道施設の検査、整備に係る作業の方法、手順等を定め、これを関係者に周知し、徹底させなければならない。
(作業ダイヤの作成)
第18条 技術管理者は、事業所における索道の種類、方式、旅客の状況等に応じて、安全確保のための係員の配置及び作業標準を定め、統括管理者に報告しなければならない。
2 技術管理者は、前項の標準に従って、定められた索道の運行時間に対応した係員の交番ダイヤを作成しなければならない。
3 前項の交番ダイヤは、索道ごとに常に運行の管理に関する責任を有する者が配置されたものでなければならない。
4 技術管理者は、索道の運行に支障のないよう索道ごとに所要の係員を配置しなければならない。
(始業点検)
第19条 技術管理者は、運行開始前に始業点検を実施し、運行に支障のないことを確認し、所要の係員が所定の配置に着いたことを確認した後でなければ運行を開始してはならない。
(運行管理の責任体制)
第20条 索道の運行の管理は、索道ごとに配置された技術管理者が行わなければならない。
(乗車人員、乗車制限等)
第21条 技術管理者は、乗車人員及び積載量の管理、危険品所持者その他の乗車制限に係る取扱いをあらかじめ定めて係員に周知し、徹底させなければならない。
(異常気象時の対応法)
第22条 技術管理者は、気象の状況に留意し、安全確保に支障を及ぼすおそれがある場合は、別に定める「異常気象時の運転取扱要領」により運行停止の指示その他の適切な措置を講じなければならない。
(係員の資質の維持)
第23条 技術管理者は、索道施設の保守及び索道の運行に直接関係する作業を行う係員に対して教育訓練を行い、作業を行うために必要な知識及び技能を有していることを確認しなければ当該作業を行わせてはならない。
2 技術管理者は、係員が知識及び技能を十分に発揮できない心身状態にあるときは、その作業を行わせてはならない。
3 技術管理者は、係員の資質の充足状況に疑義のある報告を受けた場合、熟知度等を確認したうえで必要な教育計画を策定し、教育訓練を実施しなければならない。
(事故発生時等の対応訓練)
第24条 技術管理者は、事故発生時における対応を別に定める「救助作業要領」に基づき、係員が迅速かつ的確に対応できるよう、あらかじめ係員の役割を定めるとともに、定期的に救助等に関する訓練を行わなければならない。
(業務の委託)
第25条 市長は、索道施設の保守又は索道の運行の業務を委託するときは、委託業務の種類、範囲、作業に必要な情報の管理(異常時における連絡通報体制を含む。)、受託者の業務管理体制及び係員の教育訓練体制について受託者ごとに周知し、徹底させるものとする。
(保守業務の委託)
第26条 市長は、索道施設の保守業務について、前条の委託に係る契約書に基づき、当該受託者のうちから索道施設の保守業務を適切に遂行できると認めるものを選定し、当該保守業務を委託するものとする。
2 技術管理者は、前項の規定により委託した保守業務ごとに当該業務の管理者(以下「保守業務管理者」という。)を指定し、別に定める「索道施設に関する整備細則」に基づき適切に業務を行わせなければならない。
3 技術管理者は、保守業務管理者との間における指示、報告の方法、手順等を明確に指示し、業務を遂行するものとする。
4 技術管理者は、適宜、保守業務管理者に対して必要な情報を伝達し、必要な指導をしなければならない。
5 技術管理者は、保守業務管理者に、委託した業務を行う係員を第23条の規定に準じて、作業を行うのに必要な知識及び技能を有するよう教育及び訓練を実施させ、遅滞なくその結果を報告させるとともに、その内容を確認しなければならない。
6 技術管理者は、業務の実施により事故災害等が発生したとき又は異常を認めたときは、保守業務管理者に速やかに状況を報告させ、当該管理者に対し必要な指示を行わなければならない。
(補則)
第27条 この訓令に定めるもののほか必要な事項は、別に定める。
附則
この訓令は、平成18年10月1日から施行する。
附則(平成19年3月28日訓令第2号)
この訓令は、平成19年4月1日から施行する。
附則(平成20年3月28日訓令第5号)
この訓令は、平成20年4月1日から施行する。
附則(平成22年7月1日訓令第5号)
この訓令は、平成22年7月1日から施行する。
附則(平成24年8月7日訓令第11号)
この訓令は、平成24年8月7日から施行する。
附則(平成30年3月27日訓令第2号)
この規則は、平成30年4月1日から施行する。
附則(令和2年3月25日訓令第5号)
この訓令は、令和2年4月1日から施行する。
附則(令和2年12月25日訓令第9号)
この訓令は、令和2年12月25日から施行する。
別表(第4条関係)