祝!鬼剣舞を含む「風流踊」のユネスコ無形文化遺産登録が決定
奥州市と北上市に伝承される国指定重要無形民俗文化財「鬼剣舞」を含む「風流踊」が、モロッコで開催されている第17回政府間委員会で審議され、11月30日(モロッコ現地時間)無形文化遺産へ登録されることが決定しました。
決定の内容
「風流踊」をユネスコ無形文化遺産へ「登録」する
風流踊の概要
「風流踊ふりゅうおどり」のユネスコ無形文化遺産への提案について<外部リンク>
重要無形民俗文化財「鬼剣舞」の概要
指定年月日 平成5年12月13日
保存団体 鬼剣舞連合保存会
構成団体
- 岩崎鬼剣舞(いわさきおにけんばい)保存会(北上市)
- 滑田鬼剣舞(なめしだおにけんばい)保存会(北上市)
- 朴ノ木沢念仏剣舞(ほおのきざわねんぶつけんばい)保存会(奥州市)
- 川西大念仏剣舞(かわにしだいねんぶつけんばい)保存会(奥州市)
概要
岩手県中・南部に多く伝承されている鬼剣舞は念仏剣舞とも称され、念仏歌とともに踊られる亡魂鎮送を目的とした念仏踊りの一種です。踊り手が鬼と形容される面をつけ、独特の形に凝らした衣装で力強く大地を踏み悪霊を鎮める風流芸能です。
関連画像
決定を待ちわびる関係者
登録決定後、記念撮影
朴ノ木沢念仏剣舞

伝承では、平泉高舘の駄一郎が都鳥村(現南都田地区)に伝承。その後、寛政8(1796)年、都鳥村の長八より小山堀切、伊勢堂の平助に伝授されて始まったとされています。文久3(1863)年の供養碑も残っています。兄頼朝と藤原泰衡の裏切りにより、奥州平泉で無念の最期をとげた義経主従の亡霊が毎夜高舘に現れ、泰衡らを悩ませておりました。困り果てた泰衡が亡霊退散を願い祈祷させたところ、釈迦の化身である一匹の猿が現れ、荒れ狂う亡霊たちの中に混じり念仏を唱えながら踊ると、亡霊たちの心も和らぎ成仏した、という由来に基づく踊りです。
紹介動画
世界無形文化遺産登録「鬼剣舞(朴ノ木沢念仏剣舞)」<外部リンク>
川西大念仏剣舞

川西大念仏剣舞に伝わる「剣舞由来」によれば、前九年・後三年合戦で死んだ亡霊が現れて住民を脅かすので、藤原清衡が山王権現社にこもって七日七晩のお参りをしたところ、満願の日に一匹の猿が現れて亡者たちと交流して済度し猫間ヶ渕に魂を鎮めていったといいます。この猿の舞を模したものが念仏剣舞で、以降、藤原清衡は亡魂供養のためにこの舞を踊らせたといいます。口伝では、平泉の佐野剣舞(廃絶)を伝授されて始まったと伝えられており、中尊寺奥の院月山神社が鎮座する川西の地で舞われたものと伝えられています。現在は、中尊寺の施餓鬼法会で舞われています。
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更新日:2023年09月29日