市民記者リポート「憧れの消防士に 誰かの役に立つ存在 」(第2回)

更新日:2024年12月12日

ページID: 14758

中央大学で学生記者として活動する吉田未来さんが市民記者となり、奥州市出身の大学生の活躍を紹介するプロジェクトの第2回です。

日本各地で活躍する奥州市出身の大学生

(文・市民記者 吉田未来)

国士舘大学体育学部スポーツ医科学科で学びながら、消防士を目指している五十嵐康成さん(奥州市出身)。救急救命士の国家資格取得に向け、日々勉強に励んでいる。遠野高校でサッカーに打ち込んだ経験や、消防士を目指すきっかけなどについて話を伺った。大学卒業後は岩手で消防士になることが目標と言う。

右手を上げるポーズをとる高橋重陽さん

インタビューに応える五十嵐康成さん

消防士への強い決意

五十嵐さんが消防士を目指すきっかけは、高校2年生の時に将来を考えた時だった。「身体を動かしながら、誰かの役に立つ存在になりたい」。その思いに突き動かされ、消防士への道を志すようになった。「人の命を守るという責任感が、大きなやりがいになると思った」と振り返る。国士舘大学の体育学部スポーツ医科学科を選んだ理由も、救急救命士の国家資格の合格率が高く、就職率も優れていたためだ。「そしてシンプルに消防士はかっこいい。それもこの道を選んだ理由の一つですね」と笑顔を見せた。

消防士としての魅力は、生活する人々に安心感を与えられることだと言う。「自分の体力が人の命を守るための力になる」と考え、日々筋力トレーニングも欠かさない。「将来のために、鍛えておく必要があるなと思います」。

現在、五十嵐さんは救急救命士の資格取得に向けて勉強に力を入れているという。「大学1、2年の頃はテスト前だけ集中的に勉強する感じだったんですけど、今は人生で一番勉強しているんじゃないですかね」と笑顔で語った。ただ、救急救命士の試験勉強と並行して、公務員試験の対策も必要なため、両方をこなすのが大変だと語る。

心肺蘇生法の訓練を行う学生

サッカー部時代の経験が今に活きる

五十嵐さんは遠野高校サッカー部出身。「新人戦で優勝した瞬間は、チーム全員が一つになって勝ち取った勝利だったので、今でも鮮明に覚えていますね」と当時を振り返る。

しかし、強豪校ならではの厳しさもあった。高校1、2年生の頃はけがに悩まされ、長期間サッカーから離れることが続いた。その間、ポジションを同級生に奪われるプレッシャーを強く感じていたという。「親に申し訳ない気持ちが強く、自分は何のために遠野に来たんだろうと悩んだ時期があった」と振り返る。

それでも、「試合に出て活躍する姿を親に見せたい」という強い意志が支えだった。その経験が今でも活きているという。「多くの辛い経験をしてきたことで、今の自分は何があっても耐えられると思っています。厳しいサッカー部での経験が、今の自分を強くしてくれています」。サッカー部での厳しい経験が、今の五十嵐さんの精神力の土台となっている。

走り込みをする高橋さん

教育者としての夢も

五十嵐さんは、消防士として人々の命を守ることを大きな目標にしているが、同時に教育者としての道も見据えている。「教員として子供たちにも教えることができたら、もっと自分の人生の幅が広がると思っています」。教育課程を履修し、教員免許の取得にも意欲を見せる。

高校時代の怪我でサッカーができなかった経験から、「もし消防士として働けなくなったとしても、誰かの役に立ちたい」という思いが強くあるという。

最後に、応援してくれる家族や友人への気持ちをこう語った。「家族や友人が常に支えてくれて、ここまでやってこられた。自分がこれまでお世話になった分、今度は自分が何かを与える側の人間になりたい」。その言葉には、五十嵐さんの謙虚さと今後の決意が感じられる。

優勝旗を受け取る高橋さん

Q & A

Q.将来の目標は?
A.消防士として、多くの人の命を守ることが最大の目標です。また、教員として次の世代に自分の経験を伝えることにも挑戦したいです。

Q.休日はどのように過ごしていますか?
A.友達と遊んだり、ジムで体を動かしたりしてますね。特別なことはしていませんが、サウナに行ってリフレッシュすることもありますね。

Q.サッカーは何歳から始めましたか?
A.多分、6歳頃です。毎日リフティングの練習をしてて、前日の回数を超えると、とにかく嬉しかった記憶があります。回数が増える度に自信がついて、もっと頑張ろうと思えましたね。

Q.大学進学のメリットは?
A.自分の将来のことを考えられて、自分自身の未来の幅を広げられる場所だなと感じます。

Q.奥州市での思い出は?
A.一番の思い出は友達と過ごした日々ですね。学校に行けば友達に会える、そんな日常が今振り返ると本当にかけがえのないものでした。

今度は自分が与える側に

思いを語る高橋さん

五十嵐康成さん

いがらし・こうせい。佐倉河小、水沢中、遠野高卒、国士舘大学体育学部3年。帰省は年に2、3回。帰省時は奥州市のエニタイムフィットネスに入り浸る。サッカー場でサッカーを楽しむのが定番。

【編集後記】「ストイックな姿にエールを」市民記者 吉田未来

吉田未来さん

市民記者 吉田未来

今回、消防士を目指して勉学に励んでいる五十嵐さんの取材を通して、熱い思いや真摯な姿勢に心を動かされた。実は取材中に筋トレに同行しようとしたが、メニューを聞いて断念。ほぼ毎日ジムに通い、ベンチプレスでは100kgを軽々と持ち上げるほどのトレーニングをしている五十嵐さんのストイックさには驚かされた。目標に向かって努力する姿勢を目の当たりにして、私自身も多くの刺激を受けた。これからも地元・奥州市の皆さんと一緒に、五十嵐さんの今後を応援していきたい。

取材した人と読者の皆さんを仲介します

取材した人に「話を聞いてみたい」「指導を受けたい」と思った奥州市の学生さんは、私のメールアドレスへご連絡ください。

mirai.015chuo@gmail.com

この記事に関するお問い合わせ先

未来羅針盤課 広聴広報係
〒023-8501
岩手県奥州市水沢大手町1-1
電話番号:0197-34-2126
ファックス:0197-22-2533
メールでのお問い合わせ
みなさまのご意見をお聞かせください
このページの内容は分かりやすかったですか
このページは見つけやすかったですか