夢物語 10

更新日:2023年09月29日

ページID: 1517
白い紙に漢字とカタカナで文章が記された夢物語の1枚のページの写真

合無 候ヘハ漂流人ヲ送リ候ヲ名目ニ致シ候ト察ラレ候又蘭前以
人言傳仕近キ内海ヘ寄候モノハモリソンノ船ニテ候義ヲ御知ラセ
申上候ヘハ御打拂ヲ免レ度存慮ノ外 他事様ニ存シ候又長崎
ヘ不罷趣直ニ江戸近海ヘ船ヲ寄候義ハ右ニ申上候乾隆之未年貢
船ノ砌貢物ノ外牛背ニテ廣東ヨリ陸地運送難相成依テ北京近海
ヘ船ヲ寄セ度願候テ廣東諸付役人ヲ避ケ直ニ其下役人ノ 等愁
訴仕候ト一般ノ仕組ニテ長崎ニ罷在候蘭人ノ邪魔并讒奏ヲ避候
意ト被存候甲ノ人曰当御代ノ始ヨリ蛮国交易ノ義ハ和蘭陀
ノミニテ他ハ鎖国ノ御政道ニ付トテモ交易御免ノ義ハ思ヨラス兎
角近付候テハ面倒ニ付打拂候事ニ御定有之候此度モ御打

今回もこれと同様のやり方で、長崎在住のオランダ人の妨害を避けようという思惑によるもの、と考えられます。」
甲の人が問うた。
「徳川家の御治世がはじまって以来、外国貿易はオランダだけにし、他の諸国には許可しないという、鎖国の御政道なので、とてもイギリスに貿易を許可するなど、思いもよりません。とにかく外国船が日本に近付いては厄介だというので、打払いの制度をお定めになったのですから、今回も当然打払い

この記事に関するお問い合わせ先

高野長英記念館
〒023-0857
岩手県奥州市水沢中上野町1-9
電話番号:0197-23-6034(代表)
ファックス:0197-23-6034
メールでのお問い合わせ
みなさまのご意見をお聞かせください
このページの内容は分かりやすかったですか
このページは見つけやすかったですか