市民記者リポート「箱根駅伝への挑戦 目標に向かい走り続ける 」(第3回)
中央大学で学生記者として活動している吉田未来さんが市民記者となり、奥州市出身の大学生の活躍を紹介するプロジェクトの第3回です。
日本各地で活躍する奥州市出身の大学生
(文・市民記者 吉田未来)
平成国際大学法学部で陸上競技に打ち込む高橋重陽さん(奥州市胆沢出身)は、箱根駅伝の舞台で走ることを目標に日々練習に励んでいる。チームの目標や大学進学の魅力などを尋ねた。現在、チームでキャプテンを務めながら、個人としても関東インカレや全日本インカレでの活躍を目標にしている。

インタビューに応える高橋重陽さん
テレビで見た箱根駅伝に感動
「お正月のテレビで箱根駅伝を見た時、自分もあの舞台で走りたいと強く思いました」。高橋さんの夢はそれ以来変わらない。平成国際大学を選んだのも、この夢を追いかけるためだった。「大学は勉強と陸上が両立できる場所だと思います。法学を学びながら、陸上で結果を出す。この二つが自分の軸です」と語る。
「無駄な力みがあるとタイムが落ちるので、フォームが崩れていないか、体が適切に動いているかを意識している」と、陸上競技に対するこだわりがうかがえる。また、キャプテンとしてチームの練習にも責任を持っている。「自分の役割は、みんなを引っ張って行くこと。声をかけてチーム全体が良い雰囲気になるようにしています」。
高橋さんの個人目標は、関東インカレでの入賞と、全日本インカレへの出場、そして箱根駅伝の予選会を突破することだ。「個人的には、全日本インカレの標準記録を切りたいですね。チームとしても、箱根駅伝の予選会で結果を出して、本大会に出ることが最大の目標」と語る。レース前には、メンタルを強く持つことが大切だという。「レースの前には”自分が一番強い”と自信を持ってスタートラインに立つ。それがメンタルを保つコツですね」。

「悔しさ」が継続の原動力
高橋さんがここまで努力を続けられているのは、”悔しさ”が大きな原動力になっているという。「レースや練習で思うようにいかなかった時、その悔しさが次の挑戦へのエネルギーになる」と語る。
大学2年時に関東インカレの標準記録を突破できたレースが特に印象に残っているが、それでももっと上にいる選手の存在に悔しさを感じたという。「勝てなかった時や、思うような結果が出なかった時にこそ、もっと頑張ろうと思えます」。高橋さんにとって”悔しさ”は、ただの挫折ではなく、自分を強くするための燃料だ。「もっと速く、もっと強く」と思い続ける高橋さんのその姿勢こそが、競技を続ける最大の理由である。

壁にぶつかった経験
「一番大変だったのは怪我ですね」。高橋さんは、これまでに怪我で何度か練習を中断していた時期があったそうだ。周りの選手が練習を重ねる中、自分だけが動けない焦りや不安を感じたという。「怪我をして、体のケアがいかに大事かを痛感しました」。現在は、トレーナーによる治療やアイシング等のケアを欠かさず、さらに怪我予防のためのウエイトトレーニングにも力を入れている。

野球で培った視野の広さ
小中学校時代は野球に打ち込み、キャプテンを務めた経験がある。「キャプテンとしてチームをまとめるために、全体を見渡すことを常に意識していた」と語る。今でも野球で培った視野の広さは、陸上競技に役立っているという。「相手がどのような仕掛けをレース中にするのか、冷静に判断できているのは野球をやっていたおかげもあると思います」。

Q & A
Q.今後の目標は?
A.もっとタフな選手になって箱根駅伝と全日本インカレに出場できるように頑張ります。今は陸上競技で結果を出すことに集中していますが、将来的には岩手県で就職して、地元に恩返しすることが目標です。
Q.自分の強みと弱みは?
A.レースで外さないことだと思います。どんな環境下でのレースでも最低限上手くまとめて走れるのは自分の強みだと感じます。課題はラストスパートなので、課された練習の後にプラスで強度の高い練習をしています。
Q.オフシーズンや休日はどのように過ごしますか?
A.オフシーズンは基本的に走り込みがメインなので、オフシーズンは無いのかもしれませんね。休日は寮の友達とご飯に出かけたり、ドラマや映画を見たりします。最近だと「最愛」というドラマにハマりました。
Q.大学進学のメリットは?
A.全国各地から来るチームメイトと交流することできて、視野が広がることが魅力の一つだと思いますね。あとは、やりたいことに打ち込めるのも大学進学のメリットだと思います。
熱い応援よろしくお願いします

高橋 重陽さん
たかはし・しげはる。胆沢第一小、胆沢中、水沢高卒、平成国際大学法学部3年。奥州市代表として日報駅伝にも出場。年に2回、帰省期間があり、家族とご飯を食べに行ったり、お墓参りをするのが定番。「今後も熱い応援をよろしくお願いします!」
【編集後記】「ひたむきな挑戦にエールを」市民記者 吉田未来

箱根駅伝と全日本インカレへの出場を目指している高橋さんを取材し、その熱い挑戦心と、日々の努力に心を動かされた。実は、高橋さんとは高校が同じで、当時からひたむきに努力を重ねる姿を間近で見ていた。その彼が今、さらに大きな目標に向かって進んでいることを知り、このような形で彼の頑張りを伝える機会を得たことに、非常に感慨深いものがある。箱根駅伝という大舞台に向けて挑戦を続ける高橋さんを、これからも地元・奥州市の皆さんと共に全力で応援したい。
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更新日:2025年01月14日