市民記者リポート「野球で培った精神力 “1 年の遠回り”がくれた視野」(第6回)

更新日:2025年07月09日

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今年度から千葉商科大学で学生記者として活動している千葉瑞希さんが市民記者となり、奥州市出身の大学生の活躍を紹介していきます。今回は千葉さんの初めてのリポート(第6回)となります。

日本各地で活躍する奥州市出身の大学生

(文・市民記者 千葉瑞希)

静岡大学教育学部で学びながら、同大学野球部でキャッチャーとして活躍する鈴木優人さん(奥州市水沢出身)。小学校時代から続ける野球を通しての成⾧や、高校卒業後の浪人生活について話を伺った。

 

インタビューに応える鈴木優人さん

野球に捧げた小・中・高校時代

鈴木さんが野球に出会ったのは小学生の時に地区の子供会で参加した野球大会だった。
「ルールも何も知らない状態ではありましたが、ボールを投げたり打ったりすることが楽しかった記憶があります」。その後友人に誘われ、水沢リトルという小学生硬式野球チームに入団した。
その後進んだ水沢南中学校野球部では、それまで以上に勝利へこだわったスタイルに変化。「キャプテンを任せられ、責任感も意識するようになっていった。ただ、今思えばかなり未熟なキャプテンだったなと思います」と鈴木さんは振り返る。
水沢高校時代にもキャプテンを務め、県ベスト8 の成績を収めた。当時は地域の人々からの応援が力になり、大会期間中には「次もがんばれよ」などと言った声が登下校の際にかけられ、それが印象に残っている。

主体性を持って取り組む大学野球

鈴木さんが所属する静岡大学硬式野球部には指導者がいない。全ての練習メニューを学生が考えており、その時のチームや個人に何が足りないのかを考え、その課題を克服していけるように日々練習に取り組んでいる。
鈴木さんは特に自分を客観視することを意識していて、自分のプレーを動画で撮影し確認することを欠かさない。「自分の感覚と実際の動きの差をなくしていけるように取り組んでいます」と語る。そんな鈴木さんの強みはプレッシャーに動じないメンタル。「ピンチやチャンスの場面で、動じることなく平常心を保つことができます」。

自分と向き合った浪人時代

高校最後の夏の大会後野球部を引退してから、勉強に注力しようとするも上手く切り替えられず、大学入試では目標達成が叶わなかった。「唯一受かった大学では、学びたいことも学べず野球も続けられない。しかし浪人したら同級生から後れを取るような気がしてすごく悩みました」と鈴木さん。
背中を押してくれたのは父の言葉だったそうだ。「半端に大学に通うくらいなら1 年間勉強を頑張ってみなさい」。その言葉で鈴木さんは浪人を決意し、より厳しい環境に身を置くため、埼玉県の予備校で1 年間受験勉強に励んだ。「苦しいことや辛いことから逃げず、取り組み続ける力やそこから得る成功体験はさらに大きいものでした」と鈴木さんは語る。

充実した大学生活

「学業と野球の両立のためにはスケジュール管理が重要だと思います」。大学の課題は提出期限がさまざまで量も多い。期限内にしっかりと提出ができるよう、早めに取り組むことがカギだという。また、授業で全体練習に参加できないときは空いた時間に自主練習を積んでカバーする。
大学進学のメリットは、様々な人と関わる機会が増えることだという鈴木さん。「様々な人と関わることで自分の知見が広がり、多角的な視点が身につきました。人とのつながりは人生を豊かにすると思います」。現在鈴木さんは、浪人生活を通して実感した、教育支援や地域間での学習機会の格差をテーマに、卒業後の進路を模索している。

Q & A

Q.帰省の頻度は?
A. 年に1 回程度です。中学時代や高校時代の友人たちに会うと、いつでも当時に戻ったような気持ちになります。帰省すると大勝軒というラーメン屋さんに必ず行きます。静岡にいるときにも食べたくなる大好きな味です。

Q. 原動力は何ですか?
A. 高校の時に甲子園出場が叶わなかった悔しさと、両親をはじめとする今まで支えてくださった方々への感謝の気持ちです。今野球ができていることを当たり前だと思わず、常に支えてくれている人のことを思い出して日々取り組んでいます。

Q. 野球を続けてきて最も印象に残っている場面はありますか?
A. リトルリーグの大会で打った、人生初のホームランです。打った瞬間何が起こったのか分かりませんでした。今でも大切な嬉しい思い出です。

Q. 応援してくれる方々へ一言お願いします。
A. 自分らしく目標を達成できるよう精進していきます。これからもよろしくお願いします!

「野球で培った人間関係は一生の財産」

鈴木優人さん

すずき・ゆうと。奥州市出身。静岡大学教育学部2 年。小学生から野球を始め、中学から現在までキャッチャーとしてチームを盛り上げている。休日は友人とツーリングに出掛けたり、美味しいものを食べたりしてリフレッシュ。恩師は高校時代の野球部監督。

【編集後記】「地域の応援を原動力に」市民記者 千葉瑞希

鈴木さんとは水沢高校時代の同級生で、私が野球部のマネージャーをしていたこともあり今回お話を聞くことになりました。当時から自分に厳しく、黙々と練習に取り組む姿が印象に残っています。話を聞く中で、高校野球部時代の地域からの声援は確かに温かく、地域から大切にされている雰囲気を感じたことを思い出しました。そんな奥州市で育った鈴木さんの心には今でもその声援が支えになっているようでした。一度苦しい状況に陥っても下を向かず、努力を惜しまない姿に刺激をもらいました。新たなステージで頑張る鈴木さんをこれからも応援していきたいと思います。

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