市民記者リポート「多彩な経験を糧に 人を支える仕事へ」(第10回)
千葉商科大学で学生記者として活動している千葉瑞希さんが市民記者となり、奥州市出身の大学生の活躍を紹介するプロジェクトの第10回(今年度第1回)です。
日本各地で活躍する奥州市出身の大学生
(文・市民記者 千葉瑞希)
新潟大学医学部で、日々勉強に励む鈴木明華梨さん(奥州市胆沢出身)。幼い頃からピアノやスノーボード、吹奏楽などに励んできた彼女の、奥州市での青春を振り返り、現在の歩みに迫る。

インタビューに応える鈴木明華梨さん
ステージと雪の上で躍動した学生時代
「ピアノ、スノーボード、吹奏楽。とにかく楽しくて続けられていました。高校生の時にスノーボードの大きな大会で優勝を経験し、楽しいだけではなくなった。結果がついてきて改めて、こうなりたいという目標ができました」と、笑いながら話す鈴木さん。
幼い頃から続けるピアノは、東北大会に8度もの出場経験を持つ実力者であり、学生時代の合唱では伴奏を担当することも多かった。
冬季にはスノーボード競技(アルペンスノーボード、スラローム)にも励んだ。安比高原スキー場や雫石スキー場を拠点に、土日のみならず、平日の放課後にも練習したという。
奥州市に住む鈴木さんが、週に何度も拠点のスキー場に足を運ぶには、やはり家族のサポートが欠かせなかった。「感謝。両親の協力が無ければそもそも練習環境すら整わない。」年末年始も欠かさずスキー場に足を運んだそうだ。「家族が真摯に向き合ってくれたこと、要望を叶え続けてくれたことに今でも感謝しています」。
鈴木さんはスノーボード競技において、高校1年生と2年生の時に、計2度の全日本選手権優勝を果たしている。「その時の結果でプロになる資格をもらえて、目標を達成しました」と、晴れやかな表情で語る鈴木さん。そのスノーボード競技生活は高校3年の冬に幕を閉じた。
高校では吹奏楽部でトランペットを担当し、全国大会出場を目標に日々練習を重ねた。結果として全国大会には届かなかったものの、高校3年時の東北大会で銀賞を受賞。仲間と1つの音楽をつくりあげることへのやりがいを強く実感したそうだ。

伸び悩んだ時期も
様々な分野で実力を伸ばしてきた鈴木さんだが、「練習量を増やせば結果につながると思っていましたが、努力しているにもかかわらず成果が出ない時期がありました」と、振り返る。
そこで鈴木さんは、自分が与えられるがままに指導を受けていたことに気づく。「ただがむしゃらにやるのは楽しいけど、言われたことをやっているだけ。主体性のない練習をこなしていた時期は、結果が出ませんでした」「何事も受け身じゃダメです。並み以上になれない。それからはある程度まで教わったら、自分の理想を追い求めるようになりました」と話す。
「一度立ち止まることで視野が広がったように思います」。現状を紙に書き出し、自分に足りない部分を可視化。限りある時間の中で効率を重視するようになった。さらに、指導者や家族、仲間の意見も積極的に取り入れることで、改善策を見出した。

奥州市で育んだ大切な思い出
奥州市で過ごした頃を振り返り、「友達とたくさん笑っていた記憶が鮮明に残っています」と話す鈴木さん。豊かな自然の中で友人たちとのびのび過ごした。
特に、胆沢第一小学校で経験した鼓笛隊の活動が印象的だったようで、「バトンを担当し、運動会や地域のパレードで、みんなで息を合わせて行進した達成感は格別でした」と語る。
クラスで団結して取り組んだ、中学の体育祭や文化祭も大切な思い出として、今も心に残り続けている。

岩手の安心を守る存在へ
鈴木さんは現在、新潟大学医学部で学びながら岩手県警の就職試験に合格し、科学捜査研究所への内定を獲得した。いわゆる科捜研だ。
鈴木さんが科捜研を目指したきっかけは、2011年の東日本大震災。DNA鑑定が災害時の身元確認に大きく貢献するのだと知った。「生まれ育った岩手県の安心・安全を、科学的な知識や技術を通して支えたいと思いました」。
周囲に安心を与えられる存在へ
人とのつながりを大切にしているという鈴木さん。人と関わることが好きで、持ち前の明るさと笑顔で、初対面の人にも話しやすいといわれることが多いそうだ。一方で、周囲との調和を大切にしたいあまりに、自分の意見を十分に伝えられないこともあるという。「結果として、より良い解決策を見逃してしまうことに気づきました」。
今後の目標について尋ねると、「どのような環境でも、周囲を笑顔にし、信頼される人間になることです」と話す鈴木さん。これまでの経験で学んだ、信頼関係の大切さを踏まえ、周囲に安心感を与えられる存在を目指している。「この人と一緒に頑張りたい、と思ってもらいたいです」。
Q & A
Q. 帰省したら必ずすることは?
A. 家族で焼き肉に行きます!祖母の家に行って皆でご飯を食べる時間もとても大切にしています。
Q. 奥州市の魅力は?
A. 豊かな自然とあたたかい人々、美味しい野菜やお米ですね。四季折々の景色を身近に感じながら過ごせるところが好きです。困っている人がいたら声を掛け合うような温かさも魅力です。
Q. 大学進学のメリットは?
A. 進学で新潟に来たことで地域の文化や食、観光地など、地元では知らなかった魅力に触れました。大学進学は学問だけではなく、人との出会いや新しい環境を通して大きく成長できる機会だと思います。

鈴木明華梨さん
すずき・あかり。奥州市出身。胆沢中卒業後、黒沢尻北高へ。現在は新潟大学医学部保健学科検査技術科学専攻4年。年に2,3回の帰省で、運転の練習を頑張っている。「スーパーの駐車場でひたすら駐車の練習中です」
【編集後記】 市民記者 千葉瑞希

鈴木さんとは、小学校・中学校時代を共にしました。当時から素敵な笑顔と持ち前の運動能力を発揮しており、常に友人に囲まれていた印象です。中学生時代は登下校を共にすることも多く、笑顔が絶えない時間を過ごしました。そんな鈴木さんが、人を助け、日常を守る仕事を選んだことに、すごく納得しました。彼女の笑顔が岩手を、そして奥州を明るくすること間違いなしです!
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更新日:2026年10月15日