「夜の森で昆虫観察!」を開催しました

更新日:2023年09月29日

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 令和3年8月7日(土曜日)、見分森公園を会場に、昆虫観察を通して地域の自然と触れ合うイベントを開催しました。講師は、日本自然保護協会自然観察指導員で、県の環境アドバイザーの川田昌代先生です。

暗闇の中リュックを背負った子ども達が前に並び他の参加者と一緒に説明を聞いている写真

湿気でムシムシな暑い夜の8時、虫にとっては最適な環境です。会員10名(講師・スタッフ含む)、一般市民6名が集りました。

講師から「虫が光に集まる理由に月の明かりにむかって飛ぶため」という説があることを紹介いただきました。

今夜は新月の前日にあたり夜空が暗いため、ライト目指して飛んでくる虫が多いのでは、と期待が高まります。

暗闇の中見分森公園を歩いている参加者の写真

 それでは園内に出発!

 カエルを発見したり、バッタを見つけたり、楽しそうな子供たち。 暗くてトラップ設置場所を探すのが大変でしたが、迷子防止に参加者の腕に巻いたケミカルライトが大活躍しました。

ベイトトラップ

落とし穴にいれていた紙コップの中身をみている参加者の子ども達の様子を上から写した写真

落とし穴方式で、地上を歩く虫を捕まえます。

トラップに使った紙コップの中身は、あまーいカルピスです。

「いるかな~」

「みせてみせて」

「アリがいる」

葉っぱが閉じたねむの木を下から写した写真

 途中、園内の樹木を見上げてみたり。

 「ネムノキは夜になると葉っぱが閉じてしまうんだよ」

 講師の豊富な知識に、一同みな感心しきり。

ライトトラップ

 坂道をのぼって、炊事場付近に到着。

 本日の観察のメインともいえる「ライトトラップ」が登場! 駆け出す、こども達。

木の間にロープを張り白いシーツにライトを当てたライトトラップを写した写真

 ライトトラップは、その名のとおり、光に集まる終生のある虫を捕まえます。

 木の間にロープを張り白いシーツとライトをつるしています。

 沢山の虫たち。 羽アリもたくさんいましたが、いくつかの大きな影も。セミのようです。

 「実は、多くの虫はライトの明るさではなく、紫外線に集まります。家でライトトラップをするときは、LED電球を使わないように。紫外線がほぼ含まれません。白い壁なら、シーツ代わりにできますよ」

 きれいな色のコガネムシやウスバカミキリ、オオヒラタシデムシなどもいます。

 こどもも大人も、たくさんの虫たちに大喜び。

白いシーツに落ちた虫を探している参加者親子を後ろから写した写真
白いシーツにとまっているセミを網で捕まえようとしている写真

 捕まえた虫は、プラスチックケースに入れて観察します。

 今では見ることが珍しくなってしまったガムシやゲンゴロウがいたのには、講師もびっくり。

 設置場所の北側に池があるため、そこから来たのかな。

 ジャコウアゲハに擬態するアゲハモドキなどもいて、私たちが暮らす奥州市が自然豊かであることを実感しました。

ライトトラップの周りに集まる参加者の写真
捕まえた虫を透明容器にいれようとている手元をアップで写した写真
虫が入った5個の透明容器を写した写真
ライトトラップの白いシーツの前で子ども達が虫を探している様子を写した写真

バナナトラップ

バナナトラップを仕掛けた樹木の幹の部分をアップで写した写真

 最後にバナナトラップを確認しました。樹液を舐める虫を捕獲します。

 皮をむいたバナナに焼酎をかけて黒いビニール袋に入れ、一日外に置いていたものを、ストッキングにつめて木に括りつけました。

 アリがたくさんと、家の台所にいたら困ってしまう頭文字Gの虫だけ…と思っていたら、コクワガタのメスが1匹捕獲できました!

昆虫が果たす大切な役割について

講師から参加者みんなに、昆虫についてお話しがありました。

「地球上で一番数が多いのは? a)植物、b)動物、c)昆虫」元気よく手が上がります。

 「昆虫が一番種類も数も多いです。約100万種いるといわれています。大昔から生き残っている昆虫は、何をしているかな」

 「鳴いたり、飛んだり、樹液を舐めたりしてる」 可愛い声が答えました。

 「花の蜜を吸う昆虫に花粉がついて運ばれます。リンゴやスイカの実はそうして実ります。その他にも、種を運んだり、いろんな生き物の食べ物になったりします。」

 「虫は、昔から食べられてもいます」 参加者にもバッタを食べたことのある人がいました。

 「森のお掃除やとして、死んだ生き物やフンを片づけたり、他の虫を食べて、その数が増えすぎるのも防いでいます。昆虫たちの役割は私たちにとって大切なものです。」

 今回の観察会は、生態系ピラミッドの下部を支える重要な存在である昆虫の生態をのぞかせていただく、という趣旨で開催しました。生態系バランスを壊さないように、子どもたちは観察会のあとで、頑張って頑張って昆虫にお別れをし、夜空に放していました。

参加者からの感想

暗闇の中、懐中電灯を照らしている観察会の参加者の写真
  • 思ったよりたくさんの虫が見られて楽しかった。
  • 夜の虫探しは、みんなで行かないとなかなか行けないので!参加できてよかったです。
  • 夜の散歩、わくわくして楽しかった。子供達も楽しそうだった。

SDGs 「持続可能な開発目標」

 このイベントの目標に該当するものを、以下の5つとしました。

「2.飢餓をゼロに」の文字と、お椀から湯気がたっている目標2のアイコン

 私たちが生きる上で不可欠な食糧として、また貴重な栄養源として、日本はもとより世界中で昆虫が食べられていること、新しい食料として研究が進んでいることを知りました。

4「4.質の高い教育をみんなに」の文字と、開かれた本と鉛筆が描かれている目標4のアイコン

 実際に自分たちで捕まえた昆虫を観察することで、虫の生態や役割を楽しく学びました。

 多様性を保つためには、乱獲しない、生育環境を壊さない、など、大きな視点で知識を得ることの重要性を感じました。

「11.住み続けられるまちづくりを」の文字と、家やビルが横一列に並んでいるSDGs目標11のアイコン
「13.気候変動に具体的な対策を」の文字と、目のイラストの瞳の部分が地球になっているSDGs目標13のアイコン
「15.陸の豊かさも守ろう」の文字と、1本の木の横を3羽の鳥が飛んでいるSDGs目標15のアイコン

 昆虫と共存していくために、私たちが生活の中で取り組めることを考えさせられました。

 生物多様性がもたらす豊かさを実感することが出来ました。

おまけの写真館 前日、当日準備編

 トラップ設置の際の参考までに・・・。 仕掛けたトラップは放置せずに、必ず回収しましょう。

バナナトラップを仕掛けた樹木を昼間に写した写真
木の枝を使い作ったベイトトラップを昼間に写した写真
緑の木々の中、枝と枝を使い白いシーツをかけライトトラップの準備をしている写真

この記事に関するお問い合わせ先

生活環境課
〒023-8501
岩手県奥州市水沢大手町1-1
電話番号:0197-34-2340
ファックス:0197-51-2374
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