おうしゅう市議会だより第23号

更新日:2023年09月29日

ページID: 3602

おうしゅう市議会だより第23号 12月定例会

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表紙

おうしゅう市議会だより第23号の表紙

CONTENTS 主な内容

  • 奥州市子どもの権利に関する条例 2〜3ページ
  • 12月定例会のあらまし 4〜6ページ
  • ここが聞きたい(一般質問) 7~15ページ
  • 意見書 16ページ
  • 請願の審査内容 17ページ
  • 賛否の公表 17〜19ページ
  • 特別委員会・行政視察報告 20〜22ページ
  • 市民と議員の懇談会 23ページ
  • 議会日誌・私もひとこと・あとがき 24ページ
  • 発行日/ 平成24年1月26日
  • 発行/ 奥州市議会
  • 編集/ 奥州市議会広報編集委員会

定例会後 年4回発行

2ページ

おうしゅう市議会だより第23号 2ページ

奥州市子どもの権利に関する条例を制定

議員発議による条例制定~議会基本条例に続く、奥州市議会2つ目の議員政策条例~

奥州市議会では、平成22年度から市政調査会の事業に「子どもの権利条例に関する研究調査」を盛り込み、それまで議員有志で活動していた「子育て研究会」のメンバーを中心に、「子育て研究部会」を議員8名で立ち上げ、「奥州市子どもの権利に関する条例」の制定に向け検討を進めてきました。
研究部会では条例に盛り込む事項の議論や市当局との意見交換等を重ね、平成23年10月に開催した市民懇談会における意見や提言を踏まえ、今定例会最終日の12月19日の本会議において、「奥州市子どもの権利に関する条例」を議員発議で提案し、全会一致で可決しました。条例は平成24年1月に公布、4月1日から施行されます。

条例制定のねらい~子どもは、奥州市の宝であり、希望です~

世界では、貧困、飢え、虐待等の困難な状況に置かれている子どもがたくさんいます。このような子どもたちを救うため、国際連合では平成元年に児童の権利に関する条約が採択され、我が国においても平成6年にこの条約を批准しています。
しかし、社会の急激な変化に伴い、いじめ、体罰、虐待、子どもが当事者となる事件の多発、不登校、核家族化等、子どもを取り巻く環境は、ますます複雑になってきており、奥州市もその例外ではありません。
奥州市では、すでに「子ども達は次の世代を担う大切な存在である」という認識のもとに策定された「奥州市次世代育成支援行動計画子育て環境ナンバーワンプラン」を始め、子どもに関するさまざまな計画が定められていますが、これら計画を確実に実行するためにも、根拠、理念としての条例が必要であり、この条例を奥州市民の共通の認識として、行政、家庭、地域、企業が連携し、社会全体で子どもたちを支援する体制づくりを行っていくべきであると考えました。
このようなことから、全ての子どもが、自分の持てる力を発揮して、いきいきと自分の可能性を追求し、幸せな人生を送ることができるよう、子どもの権利を保障し、支援するまちづくりに取り組むために奥州市子どもの権利に関する条例を制定しました。

条例の主な内容

奥州市子どもの権利に関する条例では、次のような事項について定めています。

前文 条例制定の趣旨

  • 第1章総則(第1条・第2条)
    1. 目的
    2. 定義
  • 第2章一人の人間として持っている子どもの権利(第3条~第8条)
    1. 子どもの権利の保障
    2. 安全に安心して生きる権利
    3. のびのびとこころ豊かに育つ権利
    4. 自分を守り、自分が守られる権利
    5. 意見を述べ、参加する権利
    6. 適切な支援を受ける権利
  • 第3章子どもの権利を保障する責務(第9条~第14条)
    1. 共通の責務
    2. 保護者の責務
    3. 子どもが育ち・学ぶ施設の関係者の責務
    4. 地域住民の責務
    5. 事業者の責務
    6. 市の責務
  • 第4章子どもに関する基本的な市の取組(第15条~第20条)
    1. 子どもの権利の普及
    2. 虐待、体罰、いじめ等の防止のために必要な措置
    3. 子どもの育ちの支援
    4. 子どもの参画活動の促進
    5. 子育て家庭の支援
    6. 推進計画の策定等
  • 第5章奥州市子どもの権利推進委員会(第21条~第24条)
    1. 設置等
    2. 委員
    3. 会長
    4. 会議
  • 第6章委任(第25条)
    条例全文は市議会ホームページに掲載しています。

3ページ

おうしゅう市議会だより第23号 3ページ

今後の取り組み

奥州市子どもの権利に関する条例の施行により、市は、学校教育や次世代育成支援などさまざまな分野の子どもに関わる政策等を実施する際には、本条例の立法趣旨を十分にくみ上げて展開することになります。
また、市民一人ひとりにとって、奥州市子どもの権利に関する条例が目指す社会の実現が新しい目標となり、指針となっていくことを望むものです。
議会としても、市民の意見や願いが込められた本条例をあらゆる機会を通じて周知を図り、社会全体で子どもを育んでいこうとする気運の醸成に努めていきます。

条例制定までの歩み

条例制定に向けた主な取組の経過は次のとおりです。

市政調査会子育て研究部会としての活動

平成22年6月18日の第1回から平成23年12月7日の第25回まで随時開催。

平成22年
  • 6月 市政調査会に議員8名による子育て研究部会を設置。(以降、約1年半にわたり、25回の部会を開催し、制定要綱、条例案文等について検討)
  • 12月 教育長等との懇談会
  • 12月 関係部課長等との懇談会
平成23年
  • 1月 市政調査会「子育て研究部会の検討状況の報告」(制定要綱案、素案等について報告、検討)
  • 1月 第1回子どもの権利に関する条例(仮称)素案検討会(関係部課長と部会による検討会)
  • 5月 第2回子どもの権利に関する条例(仮称)素案検討会(関係部課長と部会による検討会)
  • 7月 関係部長との懇談会7月市政調査会「子どもの権利に関する条例素案について」(報告、検討)
  • 10月 子どもの権利に関する懇談会市内で6回開催92名参加
  • 11月 子どもの権利に関する条例へのパブリックコメント(市民意見提案)の実施。
  • 12月 市政調査会「子どもの権利に関する条例の議員発議について」(決定)
  • 12月19日 第4回定例会最終日に条例可決
平成24年
  • 1月 条例公布
  • 4月1日 条例施行

4ページ

おうしゅう市議会だより第23号 4ページ

12月定例会

  • 特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正を可決
  • 貸出用の放射線量測定器市が100台購入

12月定例議会のあらまし

平成23年第4回定例議会は12月2日から19日まで開催され、報告4件、諮問7件、議案23件が提案されました。
初日は、人権擁護委員の推薦7件を即決し、12月6日から9日までは、一般質問に19人が登壇し、市長、教育委員長の考えを質しました。
12月12日より議案審議を行い、条例制定1件、奥州市特別職の職員の給与に関する条例の一部改正についての条例改正を含む7件、平成23年度補正予算11件を含む議案23件をそれぞれ原案可決しました。常任委員会に付託された請願1件を採択し、関係機関に意見書を送付しました。
また、1件を不採択としました。調査特別委員会に付託された請願1件を一部採択としました。
また、奥州市子どもの権利に関する条例を制定する議員発議案を含む2件について原案可決し、そのうち1件を意見書として関係機関に送付しました。

条例の制定

  • 奥州市立岩谷堂小学校放課後児童クラブ条例 奥州市立岩谷堂小学校の移転改築用地内に建設した施設を放課後等における児童の健全な育成を図る施設として位置づけるため、必要な事項を定めたものです。
  • 奥州市子どもの権利に関する条例 詳細は2ページに掲載しています。

条例の一部改正

  • 奥州市税条例の一部改正 個人住民税における寄付金控除の対象を追加するとともに、固定資産税における減免申請書の提出を省略することができるよう、条例の一部を改正しました。
  • 奥州市郷土資料館条例の一部改正 奥州市武家住宅資料館に、重要文化財旧高橋家住宅及び国指定史跡高野長英旧宅を追加し、保護活用し郷土意識の高揚及び文化の振興を図るため、一部改正しました。
  • 奥州市勤労青少年ホーム条例の一部改正 勤労青少年ホームの統廃合と管理運営体制の見直しを行なうため条例の一部改正をしました。
  • 水沢ふれあいの丘公園条例の一部改正 奥州市を代表する施設として名称を「奥州市総合体育館」、「奥州市ふれあいの丘公園」と変更するため条例の一部改正をしました。
  • 奥州市営バス条例の一部改正 奥州市営バスと株式会社岩手県交通の路線バスを乗り継ぎする利用者の利便性と利用率の向上を図るため条例の一部を改正しました。
  • 奥州市特別職の職員の給与に関する条例の一部改正 特別職の給与削減率13%と、一般職の職員の給与及び職員等の旅費に係る日当の額を減額するため関係条例の一部を改正しました。
  • 奥州市税条例の一部改正 「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための地方税法及び地方法人特別税等に関する暫定措置法の一部を改正する法律」並びに「東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保にかかる地方税の臨時特例に関する法律」並びに「地方税法の一部を改正する法律」が公布され、公布の日等から施行されることに伴い、条例の一部を改正いたしました。

5ページ

おうしゅう市議会だより第23号 5ページ

人権擁護委員を推薦

平成24年3月31日をもって任期満了する人権擁護委員の候補者、再任者4名・新任者3名を全会一致で推薦致しました。

再任者

  • 菊池明朗氏 5期目(江刺区)
  • 川原詳子氏 2期目(前沢区)
  • 千葉 誠氏 4期目(胆沢区)
  • 佐々木治氏 3期目(衣川区)

新任者

  • 高橋芳子氏 (水沢区)
  • 滝川一惠氏 (水沢区)
  • 佐藤清子氏 (江刺区)

補正予算の審議

一般会計補正予算

質問

 教育施設や保育施設の除染処理の方法や規準、またそれらについての地域への説明がどのようにされているかについて伺います。

答弁

 国や県の指導の下、汚染土壌をビニール袋に入れ遮水シートに包み50センチメートル覆土する埋設処理を行い、定期的に除染後の測定をしています。ただし仮置きの期間については、まだ国からの指示がないため、地域への明確な説明ができない状況です。

質問

 市内公園等の放射線測定の結果、基準値を上回る箇所については立ち入り禁止の表示がされていますが、どの程度高いのか、今後どのように処置するのか、またそれ以外の民有地はどのようにしていくのかなど、市民への周知をどのようにしていくかについて伺います。

答弁

 144ある公園のうち、25箇所が基準値を上回っています。測定とあわせ除染も行っています。今後は、近隣の住民にも説明して参ります。また各家庭の測定や除染方法については、現在簡易測定器の貸し出しについて検討しており、除染方法についても情報の発信をしていきます。

質問

 子供たちの内部被曝調査について、県から奥州市に対して24名という割り当てが来ていますが、どのような方法で24名を決めるのかについて伺います。

答弁

 希望者は7~800人ほどいます。年代ごとに2名ずつ抽選で決めていきます。県に対しては、希望者全員の調査を実施するよう要望を出しています。

質問

 被災住宅リフォーム助成について、すでに個人で工事を終えた場合でも、遡って申請ができるかについて伺います。また、その情報を被災者にどのように届けていくかについて伺います。

答弁

 すでに今年度の予算枠は消化している状態ですが、来年度も引き続きこの制度は続けて参ります。さらに県においても同様の制度を設けるということで、どちらの制度を利用するにしても遡り申請は可能であります。また、周知については制度設計ができた時点で、該当者に対しては直接文書等でお知らせして参ります。

質問

 インフルエンザの予防接種補助について、高齢者のみではなく乳幼児についても対象にすべきと考えますが伺います。

答弁

 医師会からも要望されているところであり、他市の状況など調査し、内部で実施方法等について検討しているところです。

質問

 シンクタンクは、公的諮問機関か、私的諮問機関なのか、さらに公的諮問機関であるとすれば、もっと広く人選すべきではなかったかと思いますが伺います。また、行政改革推進委員会との関係はどのように考えているかについて伺います。

答弁

 公費を使っている以上公的諮問機関と思っております。人選については、より踏み込んだ議論をはばかることなく行い、経営感覚を変えていくべき点について、率直な提言していただくための人選であります。人選の範囲については今後の課題とさせていただきます。シンクタンクの提言についてはまず庁議にかけてよく検討し、推進委員会に諮り承認していただくという手続きをとるものです。

質問

 シンクタンクの提言に至るまでの議論の経緯について議事録を公開すべきと思いますが伺います。

答弁

 ご意見を受け止め、今後どうするかについては委員の皆さんと協議をして決めさせていただきたいと思います。

年頭のごあいさつ

新年あけましておめでとうございます。
市民の皆様には、健康で希望に満ちた新春を迎えられたこととお慶び申し上げます。
昨年3月に発生した東日本大震災により被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げますとともに、一刻も早い復旧・復興を望むものであります。本年は放射能対策に万全を期すことはもとより、雇用対策、産業振興、福祉の向上など山積する当市の課題解決に向け、市民皆様からのお声に十分耳を傾けながら、議員一人ひとりが最善の努力を尽くす所存でございます。
一昨年議会改革検討委員会が設置され、議員定数・議員報酬・政務調査費などについてこれから検討する予定であり、市民の負託に応えられる議会を目指し取り組みを行ってまいります。
また、議会基本条例に基づき、「市民と議員の懇談会」を各地で開催し市民皆様からの多くの意見、要望等を頂戴するなど、市民にとって身近な議会であるよう、これからも努力してまいります。
本年も市民皆様の更なるご指導、ご支援をお願い申し上げますとともに、皆様にとって最良の年であることをご祈念申し上げ、新年のあいさつといたします。
平成24年1月吉日

奥州市議会議長 渡辺 忠

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おうしゅう市議会だより第23号 6ページ

特別会計補正予算

質問

 特養ホーム入所希望者の実態をどのようにとらえているのか、又、増え続ける待機者への対応策について伺います。

答弁

 介護保険計画審議会等の協議の上、現状に於ける待機者数の実態を現状に即する数値にとらえて参ります。又、待機者の改善につきましては、地域密着型特養ホームの設置を進めると共に、市長会を通して国県に財政負担を強く求めて参ります。

質問

 災害復旧工事の遅れが見られます。入札の不調がその要因とも伺っておりますが、改善策について伺います。

答弁

 積算単価の適正化を進め予定価格の見直し等を行い、随意契約等も検討しつつ、円滑な工事発注に努め、一日も早い復旧工事を進めて参ります。

質問

 福島原発事故による飲み水の放射能汚染の実態はどのようになっているのか伺います。

答弁

 11月の調査に於いては不検出でありましたが、今後とも調査を実施して参ります。又、数値につきましてはホームページ等で、公表して参ります。

質問

 総合水沢病院の改善計画と、医師の確保対策について伺います。

答弁

 病床利用率は90%台で推移しており、患者数は増加傾向にあります。小児科医1人、内科医2人の着任をいただきましたが、今後、整形外科医の増員を計って参ります。又、精神科病棟の解体による駐車場整備の考えでありますが、総体の事業協議を進める中で判断して参ります。23年度の決算見通しにつきましては、基準にそった繰入金で対応して参ります。

7ページ

おうしゅう市議会だより第23号 7ページ

ここが聞きたい一般質問

今定例会の一般質問は、19人の議員が登壇し、行政運営について市長及び教育委員長の考えを質しました。質問、答弁の要旨を掲載します。(文責は質問議員)

佐藤郁夫

  • 奥州市総合計画基本構想のめざすべき都市像について
  • 土地開発公社にかかる第三セクター等改革推進債(三セク債)導入について
質問

 奥州市総合計画は平成24年度から基本構想は10年間、基本計画、実施計画は5年間の計画で現在策定中であります。今回議会に示された素案によると基本構想のめざすべき都市像について、現在の計画にある「歴史息づく健康文化都市、産業の力みなぎる副県都」が削除されております。奥州市は農業生産額が県下1位、工業生産額は2位、商業も上位に位置し、又県南広域振興局も存在していることから盛岡市に次ぐ「副県都」を継続してめざすべきと考えますが見解を伺います。

市長

 副県都の理念や継続性を否定するものではありませんが、現計画は合併直後の策定であり夢のある街づくりを掲げたものとなっており、合併時における根本的な課題が先送りされた印象を持っております。今回の見直しにおいては、行政改革、意識改革、協働のまちづくりを中心に、この計画期間内にどのようなまちづくりをするかを市民に具体的に示したいということから「自立する地域自治を推進する協働のまちづくり」等四つの具体的な都市構想を掲げたものとしております。

質問

 第三セクター等改革推進債(三セク債)は土地開発公社の負債整理のため国の制度を利用して起債(借入)するものですが、借り入れ時期はいつか伺います。現在公社で保有している土地の簿価と売却見込み額の差額はいくらか伺います。三セク債借入後に土地開発公社は解散すると思いますが、解散後の市の体制はどうするのか伺います。

市長

 三セク債は20年間の借入れ期間で、24年度中の借り入れで折衝しております。公社が保有している土地の簿価総額は約92億3千400万円で路線価等を基準に算出すると約73億4千890万円となり差額は約22億8千510万円と試算しております。公社解散後は総務部内に保有土地の販売業務を行う部署を設け、集中的な企画・販売を進めていかなければならないと考えております。

高橋政一

  • 放射能への対応について
  • 震災復旧工事について
質問

 県が行う内部被ばく調査には多数の希望が予想されますが、県に再度調査するよう要請することや、個人で検査する場合に市として補助をする考えはないか伺います。放射能による影響を最も受け易い子どもたちの給食などの食材の検査についてどのように実施し、公表するのか伺います。

市長

 県に対しては、希望者全員を調査するよう要請をしています。市の補助については、国や県にしっかり対応を求めていく中で結果を見ながら考えていきます。

教育委員長

 食材は調理日当日に納入されるので、業者に対して検査確認書を添付してもらっています。調理後に給食ごと検査をすることはできるので、市のホームページで規制値以下でも数値を公表したいと考えています。

質問

 被災した小中学校の復旧工事の入札が何回も不調となっている理由を伺います。また、広瀬小体育館は大きく被災し、いまだ使用できない状態です。いつ着工されるのか伺います。

市長

 多くの復旧工事が集中し、原材料費、人件費の高騰や現場代理人など人員配置ができないなどで入札が不調になっています。工事の発注方法を変えたり、随意契約も検討しながら早く着工できるよう進めていきます。

教育委員長

 体育館は子どもたちの遊びや運動の場でもあり、卒業式も控えているので、何としても年度内の工事完了を目ざします。

8ページ

おうしゅう市議会だより第23号 8ページ

千田美津子

子どもや妊婦さんを放射能被曝から守るため、放射線量測定器の貸出しなど、最大限の取り組みについて

質問

 チェルノブイリ原発事故の際、被災地の医療支援を行った医師であり、現在、長野県松本市の菅谷昭市長は、「放射能は未だ分からないことが多いが、はっきりしているのは、チェルノブイリで小児甲状腺がんが増えたこと。そのほかにも様々な病気に苦しむ人々や周産期異常などの問題が増えている。わからないから大丈夫ではなく、わからないから怖いのだ」と指摘されています。そこで、子どもや妊婦さんを守るためにも、放射線量測定器を市民に貸し出し、市と市民みんなで放射線マップを一刻も早く作るべきではないかと考えます。また、(1)食材等の測定については、ゲルマニウム半導体検出器など、精度の高い検査が出来る測定器の購入・設置(2)運動不足になっている子ども達のため体育館等を開放すること、(3)発達段階に合わせた放射線教育の実施(4)外部被曝量を測定するガラスバッチ(個人積算線量計)の配布について伺います。

市長

 現在、空間放射線量測定器100台を、町内会やPTAなどへ貸し出すため、購入を準備しています。市民の皆さんの協力を得て、放射線量測定マップを作成し、除染など地域との共同は必要不可欠と考えています。(1)の食品の放射線量測定(限界値は16ベクレル)は、12月半ばから家庭菜園や産直の方々が無料で測定できる体制をとりたいと考えています。(2)(3)については、大事なことですので、前向きに検討し、出来るだけ早めに答えを出し、周知したいと考えております。(4)については、関係する国と話を詰めてみたいと考えています。

 

遠藤敏

  • 放射能汚染への対応について
  • 結婚支援センターについて

質問

 文部科学省の航空モニタリング調査で、奥州市が原発から60キロメートル圏内と同レベルの汚染と発表されました。実態調査にすぐにも取り組むべきと思います。又、放射能に対する注意点とか除染の方法などの手引書を早急に配布すべきと思いますが伺います。

市長

 現在、文部科学省に詳細な資料提供を要請しています。入手次第、除染実施計画を策定し本格的な除染作業を行う事となります。手引書は、福島の例などを参考に早い時期に示して参ります。

質問

 農業被害で農協中央会が、東電への賠償金交渉に当たっているが、農家に年内の早い時期に交付されるように支援すべきです。又、乾牧草など飼料作物の測定はどうなっているか伺います。

市長

 早期に全額支払が行われるよう、関係機関・団体と連携しながら東京電力に働きかけます。又、今後県では農家個々の給与牧草の検査を実施する予定で、市としても県及び農協と連携して対応したいと思います。

質問

 今、市は毎年1千百人を上回る急激な人口減少の中で、今後5年間のまちづくりの基本となる「総合計画」を策定しているが、将来のまちづくりを背負う子供が増えるためにも結婚支援への取り組みは力強く示されなければならないと思います。結婚支援センターを整備するべきと思いますが伺います。

市長

 結婚する方が多く増えて頂くというサイクルを作り上げたい。しっかり検討して参ります。

9ページ

おうしゅう市議会だより第23号 9ページ

飯坂一也

  • 鳥獣被害対策について
  • 情報格差の解消について

質問

 ハクビシンやシカ・クマなど野生鳥獣からの農作物被害が増加しています。防止のための具体的な施策について伺います。

市長

 農水省の「鳥獣被害防止特別措置法」に基づき、地域協議会の設立と被害防止計画の作成をしてまいります。24年度は生息調査などを実施し、25年度から、組織と計画が正式にスタートできるように進めます。実務者の意見を取り入れながら、国からの財政措置が活用できます。

質問

 市民からの相談窓口について伺います。

市長

 農作物被害については農林部、捕獲については市民環境部が担当します。

質問

 被害防止は猟友会なしにはできません。猟友会に対する支援について伺います。

市長

 猟友会は、多大な貢献をしていただいていますが、会員数の減少・高齢化などの課題を抱えています。協議しながら、支援をして参ります。

質問

 インターネットや携帯電話ができないなど、地域的な情報格差の解消にむけた取り組みについて伺います。

市長

 今年、業者に調査をしてもらっています。かなり厳しいのが実情ですが、技術開発の面で期待するところです。

質問

 格差がある地域への継続的な支援について伺います。

市長

 様々な面から方途を探っていきたいと思います。

三ノ宮治

  • 学校給食等の食材調査について
  • 放射能対策担当部所の整備について

質問

 学校給食等の食材検査について、検査すべき品目は奥州市産のみなのでしょうか。その測定基準値は何ベクレル/キログラム以下とするのでしょうか。又7歳以下の幼児施設等の給食食材検査については、どのように考えているのでしょうか。次に放射能対策担当部所の整備について、各部課との連携しながら、放射能に関する情報の収集・管理・分析や市民に対する情報発信などを一元的に管轄する専門部所が必要と考えますが伺います。

教育委員長

 市場に流通している食材については、国の暫定規制値を越えていないと考えますが、奥州市産の農作物については市の独自基準を国の暫定基準値の1月5日を目指します。

市長

 奥州市産の農作物は、市及びJAが独自に検査を行い公立保育所・小中学校へはこの結果を踏まえて給食を提供します。私立の幼稚園、保育所等については、市農林部と連携し、市内の2つのJAで検査確認書を無料で発行する予定となっています。
市では原発放射線影響対策本部を8月に設置しております。放射線対策は長い時間を要するのは確実です。今後においても市民の皆様に分かり易い組織体制の見直しや強化を図りながら、皆様の安心安全をできるだけ早く取り戻せるように取り組んで参ります。なお、市民の窓口としては生活環境課でお受けする事としています。

10ページ

おうしゅう市議会だより第23号 10ページ

関笙子

  • 女性の力を活かす街づくりについて
  • 前沢南幼稚園の整備計画について

質問

 人口減少、高齢化、財政難等々閉塞感漂う社会状勢の中3月11日大きな災害が発生しました。復興もなかなか期待通り進まず様々な不安に包まれております。こんな時こそ、生活経験豊富でこどもや高齢者、障がいを持つ人達に心配りができ、元気でパワフルな女性の力を奥州市の街づくりに活かすべきと考えます。市としても男女共同参画条例を制定し推進している事項でもあります事から、女性の参画について市長の考えを伺います。

市長

 女性の視点のすばらしさと高い能力は常日頃認めている所です。男性では気付かない点や及ばない行動力も今回の震災対応の中等でも多くを認識させられた所です。市の政策決定の場や防災計画策定の場への参画等是非女性の力をお借りしたいと考えております。

質問

 まもなく築38年になる前沢南幼稚園の整備について合併前の前沢町が待機児童解消や幼保一体事業として時の議会が視察する等し、期待を込めて奥州市に持ち込んだ事業であります。今回の震災で中央廊下が傾く等甚大な被害を受けております。平成27年度までの実施事業として合併時の新市建設計画に盛り込まれております。この事業の実施について市長に伺います。

市長

 現在統合前沢小学校建設に全力を注いでいる所です。新市建設計画は合併時の重要な約束事であります。私はこの計画は全て実施する方針であります。まして前沢南幼稚園整備計画は子育てに繋がる大切な視点であります。教育委員会ともしっかり協議しながら実施に向けしっかり検討して参ります。

佐藤克夫

  • めざす都市像について
  • 学力テスト結果の活用について

質問

 市民参画・協働の社会創出の具体像と地区センターへの期待について伺います。

市長

 わたしたちのまちは自分たちでつくる地域自治の考えのもとに、地域課題解決に向けて住民主体の取り組みを重ね、広めて 地域力を高め、幸せを実感できるまちづくりをすすめます。地域課題解決への協働を通して、市民の参画意識をさらに高めていきたいと考えます。
地域力の向上・協働のまちづくりに地区センターの役割が大きいと考えます。第一に学びと実践の場であり、第二に身近な集い・交流の場、第三に地域と行政の役割の接点であり、公民館活動を含めた地域づくりの拠点として、協働推進実践に期待しています。

質問

 学力テスト結果の活用の中で、秋田・福井両県の地域の教育力育成の実践から学ぶことについて伺います。

教育委員長

 学力テスト結果から小学校は各教科全国平均を上まわっているのに中学校数学・英語の学力向上が課題です。授業改革を中心に、家庭学習の充実と授業での活用、友達との学び合い、読書活動の重視等学ぶ意欲を高める工夫を取り入れた実践を展開しています。
秋田・福井の実践から地域の教育力育成に学び、スポーツ活動を含めた健全育成・学力向上に学校・家庭・地域の指導者・教員OB等が連携を密にした実践に取り組んでおります。

中西秀俊

行財政改革の推進について

質問

 改革に当たって庁内関係者の利害得失の意見が対立し、職員の立場だけに固執するなら中途半端に終わります。改革は、すべて納税者の立場に立って考え「役場事務に望むものは何か・必要としない事務は何か・共同の利益とは何か」から始めれば改革のための一致点が見出せるはずです。行財政の仕組みの健全化をはかり将来を展望した新しい時代に対応した使命に答える財政力、基礎固めを願うことから伺います。

市長

 行財政改革の推進で最も重要なことは、どこをどれまで切り込み、その目標を必ずみんなの力を持って達成させるという強い意志とスピードが必要です。
総合支所のあり方について、平成28年度に向けて本庁への業務の集約化を図ります。
平成24年度予算編成において、削減可能な補助費の15%削減を目指しています。慣例になっている補助金を見直し、縮少や補助期限の設定に取り組みます。
職員の意識改革については、市民の皆様と行政がともに向き合い協力してまちづくりを進めるためにも、挨拶や身だしなみをきちんとすることから始め、顧客満足度向上のため接遇研修会の開催など市民の皆様から信頼される職員の育成を目指して参ります。
シンクタンクからの提言については、改革の方向性はどれ一つ欠くことのできない重要な視点です。
議会改革(議員定数)は議会の皆さんに判断して頂きますが、それ以外の部分は、各部で読みとり提言として受け取るのではなく、我々の意思として実行できる形に変えながら取り組んで行きます。

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及川善男

  • TPPに反対する県内の運動に連帯した農業者・消費者大会に
  • 市税について

質問

 野田民主党政権は、日本の農林漁業と地域経済に壊滅的な打撃を与え、食料自給率を現在の40%から13%に引き下げ、食の安全を脅かすTPPへの参加を検討しています。このような中、日本共産党議員団は、農業者をはじめとする市民集会を開催し、TPPに反対する奥州市の声を国に発信すべきだと提言してきました。これに対し、市長は賛意を表明し、この間2回の農業者・消費者交流大会を開催してきました。しかし、参加者の中にはそれぞれ総額160万円の市民の税金を投じ、50万円・70万円とも言われる講師料を支払って開催された大会の位置づけが曖昧だという声があります。TPPに反対し、立場の違いを超えて運動している県内の農林漁業団体や医師会、建設業界、消費者団体などと連帯した集会にすべきであり見解を伺います。

市長

 農業者・消費者交流大会は、農業者から消費者に種々の取り組みを発信し、一定の成果があったと思います。しかし、反省点もあり、実行委員会で今後のあり方を検討したいと思います。

質問

 市税の元金は完納しているのに、平成5年から330万円もの延滞金を課せられている市民がいます。延滞金などの市独自の減免制度を創設し、低所得者を救済すべきであり見解を伺います。

市長

 法律の範囲で対応します。

藤田慶則

  • 岩手競馬の現状と課題について
  • 岩手国体について

質問

 岩手競馬において、今年度の収支見通し並びに、現時点での来年度の計画・見通し、課題について伺います。

市長

 今年度の収支については、ファンの皆様のご支援により発売収入の落ち込みが少なく、JRAや地全協等全国からの支援もあり、当期利益8千4百万円の黒字を見込んでおります。来年度の開催日程につきましては、厩舎関係者の意見を聞きながら通年ベースでの日程を検討、収支見通しについては、今年度作成した事業収支改善計画に基づき、今後予算編成に当たって参りますし、低コスト体質への構造転換を図ると共に、更なる経費削減に取り組んでいくことが重要と考えます。

質問

 平成28年の岩手国体について、県が行った意向調査において奥州市はどのように回答したのか、また、奥州市の開催競技について伺います。

市長

 震災による競技会予定施設への影響はなく、予定どおり開催できる。競技施設の整備は、既存施設の活用を基本とし、可能な限り縮小する。県実行委員会への、市職員の長期派遣についても前向きに検討する等との回答、予定されている7競技の奥州市開催を強く要望したところです。

教育委員長

 本市における国体開催競技は、馬術・カヌー・ボクシング・バスケットボール・卓球・弓道・ウエイトリフティングの7競技となっております。

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高橋瑞男

  • 市道増沢高堂線及び中沢萩屋敷線の道路整備について
  • 衣川総合支所建設について

質問

 3月にも質問している増沢高堂線の工事ですが、その時の答弁では人家、財源がない、費用対効果がない等、地権者住民にもその様に説明しています。地権者は納得せず無許可で道路の土砂をはらい2屯車まで通行可能となったが、この状況をどう捉えているか伺います。

市長

 前回申した通りです。工事が今すぐ出来ないことを残念に思っております。県と相談し指導を受け、工事は多額で保安林水源涵養林の解除に時間を要するとともに更なる資金が必要となり、何か特別の変化があればそれにて対応したいと考えています。

質問

 市道中沢萩屋敷線ほか一路線の道路拡張について3月の答弁は市総合計画に向け搭載検討しますとの回答でした。後期計画に搭載されたのか伺います。

市長

 市道中沢萩屋敷線ほか一路線の道路拡張についてはまだ搭載しておりませんが、この道路については住民の大事な生活道路と認識しております。総合計画では25路線整備しております。今年度は258件の要望があり順次総合的に検討し搭載します。

質問

 3月、4月の地震により損壊した衣川総合支所の建設計画について伺います。

市長

 市民の利便性を考え駐車場用地費を補正予算に計上しました。平成25年耐震改修工事として6千万円確保しましたが、損傷が大きいことから見直しが必要となりました。新庁舎については市区民のご意見を頂戴し検討します。

菅原明

  • 自然エネルギーの本格活用について
  • 防災計画の見直しについて

質問

 東京電力福島原発事故は、原発に依存したエネルギー政策を、このまま続けていいのかという、重大な問題を突きつけています。そして、原発からの撤退と自然エネルギーへの大胆な転換の世界的流れは、この事故を契機に、さらに大きくなっています。奥州市はどこの区も自然豊かな環境に恵まれていますから、この立地状況を生かした、自然エネルギーの活用へ、先導的役割を果たしていただきたいと考え、今後の自然エネルギー政策について、どのように進められようとしているか伺います。

市長

 平成21年に奥州市環境基本計画を策定し、地球温暖化防止、環境負荷低減の方策として、再生可能なエネルギーを活用するとの考えのもと、市政運営をしてきています。現在取り組んでいることは、公共施設への導入等で、具体のものは小規模でありますが、小中学校の街灯や街路灯、温泉施設などへの太陽光発電や、太陽光発電と風力発電の併用と、設備の導入を行なっています。今後、設置条件など総合的に勘案しながら、模索していくことが、これからの重要な課題と考えています。

質問

 災害に強い町づくりを目指すためには、災害時に物的被害、人的被害を軽減する取り組みが、重要と考えます。そのためには、防災組織の強化を図ることと、指定避難所の充実が不可欠であります。自主防災組織の普及と、指定避難所の整備計画など、防災計画の見直しについての考えを伺います。

市長

 自主防災組織の結成状況は現在251組織で、世帯加入率で76.1%になっています。今後、組織されていないところは、積極的に立ち上げを図っていくとともに、指導については、すべての組織を対象とした訓練を行なうなど、地域の実情に合った、育成活動を推進して参ります。避難所については、拠点避難所と一時避難所に再分類し、耐震基準に適合していない避難所は、他の施設を指定する等、整備を行なっていきます。

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小野寺隆夫

  • 協働のまちづくりについて
  • 公民館の廃止について

質問

 本市においては今年度から協働のまちづくり交付金を創設し、市内30地区の各振興会を対象として協働のまちづくりの具体的な取り組みがスタートしました。それらの現状や、市としての支援体制について伺います。

市長

 まちづくりの交付金の活用状況について、11月末現在で、30地区振興会中22団体、交付金ベースで46%の申請となっています。主な活動は、自主防災組織の育成や読書活動の推進、観光資源の情報発信など、地域の特性を生かした活動が芽生えています。市としては地域の活動を支援するため、地区センターからの各種相談、情報提供や助言指導、研修会の開催や体験交流など、リーダーの育成を図るとともに、行政職員に対しても研修等を通じて、協働意識の醸成に努めて参ります。

質問

 本市においては平成24年度からすべての公民館を廃止して、地区センター化の完全実施に入ります。このことにより、住民サービスにどのような影響が考えられるか。また、社会教育の推進体制をどのように考えているかについて伺います。

市長

 公民館を地区センター化することによる住民サービスへの影響について、デメリットはないものと思います。

教育委員長

 社会教育の推進体制について、教育委員会事務局の本庁と各支所に、(仮称)生涯学習推進センターを設置し、地域事業が円滑に実施できるよう、市長部局との連携により全市的な生涯学習の推進を図って参ります。

千葉正文

  • 史跡の整備活用について
  • 奥州市ブランドについて
  • 農協事業への支援について

質問

 平泉に来ている観光客を奥州市へ導くためにも、胆沢城、前九年・後三年の役などの平泉につながる市内の古代史跡を整備活用すべきと考えますが伺います。

教育委員長

 中央政権の支配の拠点となった胆沢城から始まり、アテルイ・モレ、安倍氏・清原氏につながる平泉への歴史背景があります。この歴史ドラマの源である胆沢城の整備を核として、今後、市内史跡の整備を進めます。

質問

 奥州市の新しいブランドづくりを市民参加型で取り組むことで、市民が地域を理解し誇りを持ち、交流人口の増加などの効果もあり、地域の活性化にも繋がります。市長の考えを伺います。

市長

 地域で自慢できるもの、おいしいものや特産物などブランド化の可能性を持つものはたくさんあります。『リンゴワイン』『奥州はっと』などの取り組みもありますが、今後、市民・農協・商工団体・企業等も含めたブランドづくりの組織立ち上げも含め、検討します。

質問

 地域農業の振興のために、市内2農協への市からの支援は今までも行われてきました。来年7月開設予定のJA岩手ふるさとの大型産直への支援について伺います。

市長

 計画中の産直は、農産物等の販売に限らず、6次産業化を図り、農家にとって持続可能な農業を発展させる重要な中心施設であります。今回、国から被災5県への復興補助も入る予定であり、国、県の補助も含め、市としても一定の支援を行います。

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おうしゅう市議会だより第23号 14ページ

佐藤邦夫

江刺総合支所庁舎の活用について

質問

 江刺総合支所は平成12年度に建設費57億円で建てられ、その財源は旧江刺市民と市職員の絶大なる協力で積み立て、わずか2~3億円程度の借り入れで建設された江刺区民のシンボルともいえる建物です。現在は職員も大幅に削減され、訪れる市民も少なくなり、広大な駐車場も合わせて泣いている状態です。この庁舎を有効に活用することが、奥州市の発展につながると確信します。又資産価値も高いので、活用の仕方では奥州市の財政面にも大きく寄与出来ます。そこで提案ですがこの庁舎を奥州市と岩手県の防災拠点としての活用、更に岩手県南広域振興局としての活用を提案したいと考えます。もちろん江刺区民の利便性や庁舎に対する思い入れ等も考慮に入れ、1階の部分は奥州市役所江刺分室として活用することを踏まえて、市長の考えをお尋ねします。

市長

 以前にも県南広域振興局と旧江刺市役所との交換も含めた話も話題に出たこともあります。旧江刺市役所は庁舎も新しく駐車場も広く又ヘリポートも完備しています。これを有効利用することは議員のお話の通りです。現在も防災拠点として利用していますが、更に岩手県とも連携しながら今回の大震災の反省や教訓として市民の安全の為に有効利用したいと考えます。又シンクタンクの提言にもあります県南広域振興局と江刺総合支所の交換も含め、江刺区民を始め関係者とも話し合いながら、任期中には結論を出したいと考えています。

千葉悟郎

協働のまちづくりについて

質問

 市長の、選挙の際のマニフェストにおいても、また今年度の施政方針においても、重要政策の一つとして「協働のまちづくり」を掲げております。ところが未だ協働のまちづくり指針が示されておりません。そのために各地区振興会において混乱がおきております。協働の趣旨とあわせてお尋ねします。

市長

 協働のまちづくり指針が遅れていることは、大変申し訳なく思っておりますが12月中に指針の素案を示すことができる状況になっております。また協働の趣旨は、地区振興会等の活動に対して交付金を支給して支援する方策と考えています。

質問

 まちづくり交付金は、地区振興会のコミュニティー計画に沿った申請とのことですが、すでに交付されている各地区振興会の一覧表を見ると町内会に一律の支給しているところもあります。交付金の審査・決定はどこで行なっているのか伺います。

市長

 まちづくり交付金は、地域の創意と工夫、判断と責任においてどの事業に、どのような優先順位によって実施するかを地域住民自ら決定し、活用できる支援制度であり、地区振興会等において、十分な話し合いが出来て、自主・自立的な活動ができるようにしていただくものであります。

質問

 来年度から公民館と地区振興会の拠点としての地区センターの役割についての条例化が必要と思われますが、どのように考えているか伺います。

市長

 公民館の生涯教育や社会教育等の役割や地区センターの役割を明確化する方向で作業しており、条例を3月議会に上程するよう進めております。

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今野裕文

財政改革について

質問

 11月14日の全員協議会で「第二次奥州市行財政改革大綱実施計画」の説明を市長から受けたのに、その内容を吟味する間もなく突然、11月30日付けの奥州市官民協働型政策提言組織、いわゆるシンクタンクの「第一次提言~行財政改革について」が、衝撃的に新聞発表になるという、一貫性のない事態が生じました。
合併協議会での決定事項に大きく踏み込む内容であり、ましてや、議会のあり方を市長に提言するような進め方は、奥州市の一体化を醸成することはできないと率直に言わざるをえません。
合併時に大変な時間をかけて決められた約束事が反故にされる一方、ほとんど知らされないまま決められた新市建設計画というハード事業だけは聖域扱いしてすすめる状況では、中心部と周辺部の軋轢が増すことはあっても、一体感を醸成する事は不可能だと考えます。
市民と共に財政改革を行うという姿勢で、財政改革計画に各階層の市民が参画する事が必要だと考えます。計画策定する中で「100人委員会」なり、「合併協議会」のような組織を立ち上げ、各階層による市民合意を形成する事が必要ではないか伺います。

市長

 1シンクタンクの提言は、庁内にもちかえり、しっかり精査をし、その結果をあげてほしいと指示をしています。その状況において、議会、市民の皆さんに示します。議論を省略して前に進んでいくものでありません。

1 シンクタンクの提言

「迅速な改革と挑戦」と題して、奥州市役所を総合支所方式から本庁方式への転換、職員数の削減、公共施設・第三セクター事業の民営化と縮小・廃止、行政サービス水準の見直し、議員定数を20人前後にする事などを提言しています。

阿部加代子

  • 女性の視点からの防災対策について
  • 不育症対策について

質問

 国の災害対策の根幹をなす「防災基本計画」には、平成17年に「女性の参画・男女双方の視点」が初めて盛り込まれ、平成20年には「政策決定過程における女性の参加」が明記されました。奥州市防災会議に女性委員を登用すべきであり、考えを伺います。

市長

 女性委員を委嘱しておりませんので、他市の状況を調査し早急に8号委員として女性団体から登用致します。

質問

 避難所運営に女性を配置する取組みについて伺います。

市長

 女性の視点できめ細やかな支援が出来るよう女性団体へ働きかけを積極的に行います。

質問

 避難者運営訓練HUGをを取入れる事について伺います。

市長

 2避難所運営ゲームHUGは、避難所での出来事を模擬体験するゲームです。情報伝達訓練、防災訓練に取入れるよう検討致します。

質問

 厚生労働省研究班は「不育症」の定義として2回以上の流産や死産、生後1週間以内の赤ちゃんの死亡がある場合としています。年間3万人が発症し140万人の患者がいるとされています。相談窓口や治療費への助成事業について伺います。

市長

 相談窓口は保健センターにおいて保健師が対応し、必要に応じて県の専門的相談機関を紹介致します。治療費の助成については、県や他市町村の動向など、情報収集をしながら対応を検討致します。

2 避難所運営ゲーム HUG(ハグ)

HUG(ハグ)は「避難所(Hinanzyo)」「運営(Unei)」「ゲーム(Game)」の頭文字をつなげた造語ですが、英語でHUGは「抱きしめる」という意味になり、避難者をやさしく抱きしめ受け入れるという期待も込められています。避難所運営を机上で模擬体験できるカードゲームで、防災専門機関などから高い評価を得ています。

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おうしゅう市議会だより第23号 16ページ

議員発議

議員発議により下記2件の意見書を可決しました。そのうち、1つの意見書を掲載いたします。

  • 放射能汚染から市民の安全と安心を守る意見書
  • 子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンの定期接種化と子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業の継続を求める意見書

放射能汚染から市民の安全と安心を守る意見書

東京電力福島第一原子力発電所事故を受け、本市をはじめとした岩手県南地域では福島県内にせまる高いレベルでの放射能汚染が拡がっています。農林水産物の汚染による食品中の放射性物質による子どもたちの低線量内部被曝、母体を介した胎児や乳児への影響など、様々な不安を抱かせています。
市では独自の空間放射線量測定を実施し、限られた条件の中で市民の放射線被曝を低く抑えるための可能な限りの対策を講じてきましたが、放射能に関する疑問や影響に対して、専門的な立場から相談に応じられる体制が不十分で、市民が不安や疑問を抱くのは当然であり、具体的で分かりやすい適切な情報を提供し解決することが必要とされています。
よって、多くの市民が不安を抱えているという実態を直視し、福島県並の対策と支援体制を強化するよう、迅速かつ積極的な対策に乗り出すよう、次の事項について国の責任において特段の措置を講ずるよう要望します。

  1. 放射線量が高いホットスポットのエリア内にあると見られていることから、子どもたち全員の内部被曝検査を継続的に行うとともに、結果によっては医療措置を講ずること。
  2. 希望される子どもたちに対し個人積算被曝線量計(ガラスバッチ)を配布し、追跡調査を実施すること。
  3. 放射能汚染対策が正確・適正に行えるよう、専門家の派遣を行うこと。
  4. 東京電力福島第一原子力発電所事故に関する情報を迅速に提供し、直接市民が相談できる窓口を設置するなど、相談体制を充実すること。
  5. 除染方法の確立と汚染土壌などの処分について、最終処分場なども含めた課題解決を早急に行うこと。
  6. 暫定規制値については、科学者・生産者・消費者などの意見を踏まえ必要な見直しを行うこと。
  7. 食品に関する暫定規制値を超える食品の市場流通を防ぐため、市民が利用できる食品検査体制を強化させること。
  8. 汚染稲ワラや干し草の処分方針を明確にし、また農地の土壌調査を実施するなど、農家が安心して農業生産できるよう早急に対策を講じること。
  9. 放射線量等の測定の充実を図るとともに、放射線への対応について普及啓発を図ること。
  10. 放射能汚染対策に要した費用は東京電力と国の責任において全額負担すること。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。

平成23年12月19日

岩手県奥州市議会

衆議院議長 様 参議院議長 様 内閣総理大臣 様 総務大臣 様 財務大臣 様 文部科学大臣 様 厚生労働大臣 様 農林水産大臣 様 経済産業大臣様 環境大臣 様 内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・防災)様

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おうしゅう市議会だより第23号 17ページ

賛否の公表

12月定例会の採決において賛否が分かれた案件の審議内容です。賛成及び反対の立場から討論がありましたので、その要旨を掲載します。これ以外の案件は全て全会一致で可決等されています。

請願第20号 放射能から子どもたちを守るための対策についての請願(東日本大震災調査特別委員会の審査結果【一部採択に対する討論)

反対討論

請願項目1の野外焼却自粛の徹底については、農業を営んでいる方からすれば大変な問題でありますが、現状から少しでも野焼きを減らすための対策が必要であると考えます。本日可決された「子どもの権利に関する条例」の第4条には、安全に安心して生きる権利の1項目に命が大切にされること、これをっております。今すぐに対応策がないのは分かりますが、関係者が知恵を出し合い、危険を回避するためにさまざまな検討がなされてしかるべきであり、全項目採択すべきと考え委員長報告に反対します。

賛成討論

請願の趣旨については、十分に理解でき、放射能から子ども達を守るために私達が総力を上げで取り組まなければならないことはまさに異論のないところです。請願項目の、農作業における野焼きの自粛を徹底させるということについては、県条例の中で農作業の野焼きを認めていたわけで、ただ今回県は野焼きをなるべくしないようにと要請を出しています。徹底するのであれば、対策を農家にきちんと示さなければ現実的ではないと思います。市当局は国や県に対して、農作業の野外焼却で放射性物質がどの程度飛散するのか問い合わせており、回答を得た上で早急に対策をとると述べており、この委員長報告のとおり一部採択に賛成します。

反対討論

この請願の趣旨は野焼きによる子どもへの被害を心配する内容であります。県も市も基本的には自粛の方向で動いていると思います。また請願書の中には万が一野焼きに出会った場合には、そこを通る際にマスクを着用して極力被害を避けるような指導をしてほしいというのがこの1項目に掲げられております。どう対策を講じるかは市或いは農業団体や関係者が一丸となって、努力をしてみるべきだと思い、請願の趣旨を了とし全部採択すべきであり委員長報告に対し反対します。

賛成討論

一部採択に賛成といいながらも、どんどん稲わらや草を焼却しなさいということではないというのは当然わかると思います。議会として請願採択するのは簡単ですが、例えば稲わらを減反の田んぼに保管することになると、その後の対策が見えないこともあり、そんな生優しいものではないと思います。自粛するのは当然だと思いますが、一部採択に賛成します。

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おうしゅう市議会だより第23号 18ページ

請願第21号 子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業の継続を求める請願(教育厚生常任委員会の審査結果【採択に対する討論)

反対討論

子宮頸がんワクチンにはアジュバンドという免疫増強剤が添加されており、脳機能の一部を破壊してしまう危険性があると言われております。またHPVに感染するとワクチンの効果はなくて、逆に感染した方の子宮がんの発生率を44%ほど押し上げるという報告も出ております。ワクチン接種による死亡例が報告されており、明確なワクチン接種との因果関係がないということではありますが、気になります。今回の緊急促進事業から定期接種に向かうという流れがあると捉えており検討を要するものと思い反対します。

賛成討論

子宮頸がんをはじめ、子どもの細菌性髄膜炎を予防する計3ワクチンは予防接種法の定期接種に位置付けられておらず、本来は自己負担でありましたけれども、予防接種の有効性などから今年度の国の補正予算で3月までの制度が作られておりました。これらのワクチン接種は、それぞれ3回から4回の接種が必要で、数万円の費用がかかるために、助成の継続を求める声が強まっていたものですけれども、最近になって厚労省はこれ等の公費接種を来年度も続ける方針をようやく明らかにしました。しかし、事業継続が明らかになったのはよいことでありますけれども、請願書にもありますように、定期接種化までの安定的な事業継続が重要であり請願に賛成します。

反対討論

ワクチンの接種については、慎重にやるべきで、ワクチンを打つことによるリスクと効果を比較し、子どもと保護者がしっかり認識した上で接種するのが基本だと思います。全額補助という形を含め事業継続することに対して、かなり危惧感を覚えることから反対します。

HPV

ヒトパピローマウイルス(Human PaPillomavirus:HPV)はパピローマウイルス科に属するウイルスの一つ。ヒト乳頭腫ウイルスとも言われる。パピローマまたは乳頭腫と呼ばれるいぼを形成することから名付けられた。

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請願第22号 大震災で疲弊した地域経済復興に水を差す消費税増税の中止を求める請願(総務常任委員会の審査結果【不採択に対する討論)

反対討論

消費税が実施されて以降も、医療や年金などの社会保障は悪くなるばかりで、国の財政赤字は膨らむ一方で、そもそも所得の低い人ほど負担が重い、暮らし破壊税で、社会保障財源としてはもっともふさわしくない税金であります。増税は価格転嫁が困難な中小企業にしわ寄せが行き、納税資金の確保に苦慮している中小企業の資金繰りが更に厳しくなり、滞納件数の増加を招きかねないと危機感を表明しております。国民の暮らしや家計、地域経済を守るために消費税の増税をきっぱりやめるべきと考え、原案に賛成し委員長報告に反対します。

賛成討論

国と地方の長期債務残高は既に850兆円を超え、国民一人当たり、650万円、700万円を超すとも言われており、主たる原因は毎年の積み上がる一般会計の赤字です。よって、持続可能な国家形成のために行財政改革を徹底的に行い、さまざまな構造の仕組みの更なる健全化をはかりながら、国民のため、日本国の発展のために合理化し、将来を展望した新しい時代に対応するため、消費税増税も一つの手立て、手法と考え、一概に中止とは言えないことから、原案に反対、委員長報告に賛成します。

反対討論

大企業大資産家への新たな減税はやめて、軍事費、大型開発、原発関連予算、政党助成金など今聖域とされている歳出を削りこみ、富裕層と大企業に応分の負担を求める直接税に切替するなどの税制改正が必要だと思います。また所得に応じた負担を求め、社会保障財源を確保すべきだと考え原案に賛成し、委員長報告に反対します。

賛成討論

少子高齢化が進み年寄りが増えて、年金・医療その他でお金が掛かります。その一方で歳入は全体の歳出の半分程度しかなく、残りを借金で賄っている状態です。日本の消費税は今5%ですが、全世界を見ても5%というのは非常に低い税率であり、いろいろ問題はありますが消費税が一番公平な税制だと思い、借金をなるべく後世に残さないという観点から原案に反対し委員長報告に賛成します。

反対討論

戦後の日本税制の根幹は負担能力に応じた負担を行うという累進課税が原則です。消費税が導入されてから22年ほど経ち、国民が負担した消費税総額は230兆円を超える負担でありますが、この22年間の間に法人3税等の減税は220兆円であります。国民が負担した消費税のほとんどは大企業、大資産家等の減税財源に消えてなくなったというのが実態であります。消費税は公平な税制とはいえないという観点から、原案に賛成し委員長報告に反対します。

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おうしゅう市議会だより第23号 20ページ

特別委員会報告

競馬事業調査特別委員会

競馬事業調査特別委員会を、12月15日に開催し、副市長及び担当職員の出席を求め、平成23年度岩手県競馬組合の収支見通しについて調査を行い、更に岩手県調騎会の方に出席をいただき、厩舎経営の現状と今後の見通しについて調査しました。
水沢競馬が、12月10日から東日本大震災の災害復旧を経て11ヶ月ぶりに開催され、入場者数、発売額ともに前年度を大きく上回り、岩手競馬の12月12日までの発売額計画達成率も108.6%と好調に推移し、前年比で92.6%まで回復してきています。本年度の収支見通しにおいて、一定の利益が生じる見込みであることから、平成24年1月から3月にかけて投票6次端末等の整備を予定し、勝馬投票券購入者の利便性の向上等を図り、安定経営に向けて努力するとのことでした。
一方、厩舎経営においては、震災の影響で賞典費が大幅に引き下げられたことにより、馬主からの預託料の引き下げなどがあり大変苦しい状況になっているとのことです。
今後も競馬組合の経営状況について、さらに調査の必要があることから、議会閉会中といえども調査したいという提案があり全会一致で承認しました。

東日本大震災調査特別委員会

11月14日、12月14日に委員会を開催しました。
11月14日の委員会では、地震被害に係る復旧事業・支援事業の実施状況について、放射能汚染対策について及び一般廃棄物最終処分場における焼却灰埋め立てについて、12月14日の委員会では、付託を受けた請願審査を行い、その後水道水の放射性物質の測定結果について調査しました。また、東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染対策について要望するため、国に対する意見書の提出について協議しました。
なお、今後も災害復旧事業の進捗や、放射能汚染に係る対策など、さらに調査の必要があることから、議会閉会中も調査したいという提案があり全会一致で承認しました。

行政視察報告

議会運営委員会

  • 視察日
    平成23年10月12日~14日
  • 視察先
    • 山梨県大月市議会
    • 東京都国立市議会
    • 東京都青梅市議会

視察の調査事項は、3市とも議会改革の取り組み及び議会運営全般についてであります。
大月市議会では、議員定数の適正なあり方について、調査・研究をするため特別委員会を設置し、現行定数18人を3人削減、このことにより、3常任委員会を2常任委員会に、任期1年を2年に、相互の常任委員会を傍聴できるよう日程の工夫がなされるなど議員一人ひとりがしっかり意識を持って課題に取り組んでおりました。
国立市議会における議員定数の見直しについては、賛成派、反対派の一致点を見出せず、最大会派が中心となり、議員発議により現行定数24人を2人削減する条例改正案が可決されました。その他の取り組みとしては、「一般質問の通告期間の短縮」、「15分以上の暫時休憩時の傍聴者への説明」、「職員アンケートの実施」などがあります。
青梅市では、議員又は各会派から提案された検討事項を整理・分類し、議会運営委員会と議会改革推進特別委員会で検討することといたしました。改革の具体的内容については、予算・決算特別委員会の審査の仕方、人事案件にかかる個人情報の取り扱い、通年議会等について活発な質疑が交わされました。
以上いずれの議会においても、議会基本条例は制定されていないものの、それぞれが抱える課題について議会改革に積極的に取り組んでおりました。
奥州市議会においても、議員相互の議論を大事にしながら、市民に理解され、より開かれた議会を目指し、更なる改革、活性化に取り組むことの必要性を感じました。

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おうしゅう市議会だより第23号 21ページ

総務常任委員会

  • 視察日
    平成23年9月28日~30日
  • 視察先
    • 茨城県古河市
    • 埼玉県春日部市
    • 栃木県日光市

古河市住宅公社及び土地開発公社の解散について

平成17年の合併当初、土地開発公社が16億円、住宅公社は64億5千万円ほどの負債がありましたが、土地開発公社は、対象土地の簿価総額の比率を10分の1以下に引き下げ、経営健全化を実行し平成23年解散手続きを終了しており、住宅公社は「第三セクター等改革推進債」を活用して清算法人へ移行して居り、長期の償還計画と、対象土地の処分計画を具体性のあるものとする事の必要性を実感してまいりました。

春日部市学校跡地の利用について

少子化と校舎の老朽化により廃校となった敷地の3分の2をプロポーザルによる宅地分譲とし、民間業者へ売却して新設校建設の財源とし、残り3分の1を地域住民の集会施設、広場として活用しておりました。地元要望の把握と住民理解への努力が特筆でした。

日光市行財政改革における財政基盤の確立について

歳入の確保策として税基盤の充実、使用料・手数料の滞納整理と徴収率の向上、未使用財産の売却処分、国保税の基盤強化、下水道使用料の見直しに取り組んでおり、歳出の抑制では、人件費の抑制、公債費負担の軽減、経常経費の抑制、補助金の整理合理化、特別会計繰り出し金の抑制等に取り組んでおり、総合支所の課を大きく機動的にした点、特別会計の税率の見直し、事務の合理化等参考になりました。

教育厚生常任委員会

  • 視察日
    平成23年11月7日~9日
  • 視察先
    • 東京都小平市
    • 埼玉県さいたま市
    • 栃木県宇都宮市

小平市「放課後子ども教室推進事業」

学校区毎に実行委員会を組織し、総合的な調整役を行うアドバイザーの役割が大変おおきいこと、学校長をはじめ学校側の協力体制を築いていることが大きな特徴でした。「学校を地域に開放する事で学校を守る」という考え方で、学童クラブの補完をするものでなく、学童クラブがすべての小学校に設置された上での取り組みとなっていました。

さいたま市「誰もが共に暮らすための障害者の権利の擁護等に関する条例」(ノーマライゼイション条例)

条例の基本理念は、障害のある人への差別を無くし、虐待が起こらぬよう、市や市民全体で支援をするときには、障害のある人が自分で決めて選んだことを大切にし、地域社会においてふさわしい役割を果たすことができるようにすることを掲げています。条例推進体制も明確にし、具体的に取り組んでいることが特筆されます。

ノーマライゼーション

1960年代に北欧諸国から始まった社会福祉をめぐる社会理念の一つ。障害者と健常者とは、お互いが特別に区別されることなく、社会生活を共にするのが正常なことであり、本来の望ましい姿であるとする考え方。またそれに向けた運動や施策なども含まれる。

宇都宮市「小中一貫教育と地域学校園の推進」

既存の学校を活用し中学校区単位の「地域学校園」を設定し、地域の人材や自然等の教育資源と学校、家庭、地域、企業が一体となった学校教育、地域教育を推進しています。すべての子どもに学力を保障することを目指し、全市共通の独自カリキュラムを作成し、9年間を、4・3・2制とし小中学校の円滑な接続を図るとともに、国語、算数・数学、外国語などを中心に授業時間数を増やし丁寧な指導することで学習のつまずきの解消に努めています。

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おうしゅう市議会だより第23号 22ページ

産業経済常任委員会

  • 視察日
    平成23年10月31日~11月2日
  • 視察先
    • 北海道千歳市
    • 北海道岩見沢市
    • 北海道小樽市

千歳市「企業誘致の取り組み」について

国内企業に市内立地をアピールする「10万人セールスマン作戦」を展開していました。その手法としては、市が用意する提案書を活用し、転出者を含む市民がセールスマンとなり、知人や縁者などに優れた立地条件を売り込むものです。提案書には、安心・安全の視点で22項目にわたり優位性を盛り込み、アピールしていました。提案書の作成が今年7月ですので、震災後まもなくなのでフットワーク、スピードを感じました。

岩見沢市「観光振興ビジョン」について

「農と食」「自然」「歴史・文化・伝統」「芸術・スポーツ」の4つの特色を掲げており、観光資源や農産物などを市の「たから」として位置づけ、多くの方が「たから」を知り、楽しみ、大切に育てていくことで、交流人口が増大していくように計画されていました。策定委員の指名にあたっては、推進の中核メンバーとなる若い方を選出します。また、他市町村のビジョンを参考にしないという姿勢を堅持し、あくまで独自のビジョンを策定した姿勢は、差別化を図るうえでも参考になりました。

小樽市「観光基本計画」について

最盛期の1960年代には人口は20万人をかぞえていましたが、現在は約13万にまで減少し平成22年4月に総務省から過疎指定として指定されました。現在でこそ日本有数の観光地ですが、30年前までは小樽運河も観光資源になるとは考えなかったようです。観光として成り立った理由としては、「歴史性・文化性・話題性」がなければならないという総括でした。

建設環境常任委員会

  • 視察日
    平成23年10月26日~28日
  • 視察先
    • 愛知県常滑市
    • 愛知県豊田市
    • 愛知県岡崎市

常滑市県立「あいち臨空新エネルギー実証研究エリア」新エネルギー対策について

当施設は、環境とエネルギー産業を次世代の成長産業と位置づけ、最先端の技術を活かした次の4つの実証研究が行われておりました。(1)自然エネルギー分野(2)バイオマス・廃棄物利用分野(3)燃料電池分野(4)革新的エネルギー分野。東日本大震災の発生により、エネルギー問題が日本全体の喫緊の課題となり、地球温暖化やエネルギー枯渇問題などの解決に向け、世界的な新エネルギー技術開発が企業参加のもと進められておりました。

豊田市「環境モデル都市アクションプランの策定」について

平成21年1月、世界の先例になる低炭素社会の構築を目指す「環境モデル都市」に指定されました。自動車関連の中小企業が多いことから、二酸化炭素排出量が高く、工場で使う電気を太陽光発電に変えたり、環境経営の普及に積極的に取り組んでおりました。家庭用燃料電池の購入に対して補助金を出すなど、最新技術を市場に早く出す取り組みに力を入れていました。「地球温暖化問題」に対して高い目標を掲げ、「低炭素社会の実現」に向け、市民・企業・行政が連携して着実に実施し成果を上げておりました。

岡崎市「狭あい道路拡幅整備事業」について

平成18年4月に「岡崎市狭あい道路の拡幅に関する条例」を制定し、土地の形状変更の前に、後退用地の形状や管理方法について事前協議を義務付けており、行政・申請者(市民)・確認検査機関の責任を明確にしておりました。後退用地を積極的に寄付しやすい事業制度を取り入れて、支障物件の撤去・移設に対し補助金を交付しております。市街地など住宅密集地での狭あい道路の早期解消と、厳しい財政状況の中での路線整備に伴う事業効果をどう上げるかが課題とされておりました。

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おうしゅう市議会だより第23号 23ページ

第3回「市民と議員の懇談会」を開催します

第3回「市民と議員の懇談会」は2月6日と8日に次の会場で行います。

内容

  1. 平成23年第4回定例会(12月議会)の報告
  2. 議員発議により制定された「子どもの権利に関する条例」の概要について説明
  3. テーマを設けず、議会に対する要望、地域課題等について自由に懇談します。

第2回「市民と議員の懇談会」開催報告

市議会市政調査会主催の2回目の「市民と議員の懇談会」を7月26日から7月31日にかけて、5班に分かれて市内10会場で開催しました。
昨年を約50人上回る185人の皆様に参加をいただき、たくさんのご意見・ご提言を頂戴いたしました。

懇談会の内容
  • 報告事項・第2回定例会(6月議会)の概要と第1回「市民と議員の懇談会」の状況
  • 懇談「防災のまちづくり」について懇談をし、その後参加された皆様と市政に関すること、地域課題や議会に対する意見・要望等について意見交換を行いました。
意見・要望等の取扱いについて

参加された皆様からいただいたご意見・ご要望等は、10月17日開催の市政調査会で報告し、議員全員の共通理解を図るとともに、一般質問の項目に取り上げたり、常任委員会での検討、市への要望等を行って参ります。
詳しい懇談会の内容については、市のホームページ中「奥州市議会」に掲載しております。

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おうしゅう市議会だより第23号 24ページ

私もひとこと

合併の真は何処

衣川区/菅原学さん

 議員の皆様には24時間市政に尽力頂き感謝を申し上げます。

 さて、一般質問の内容を見ておりますと、出身区域のことが多く見受けられます。このようなことは常任委員会、各会派等において調整され始祖長く奥州市全体の討議に時間が費やされるべきではないのでしょうか。

 市中心街の振興発展は周辺地区の農林業者の懐具合と両輪であり、しいては消費拡大、市税の増加に繋がるものと思います。

 はたして今の奥州市に合併の真があるのかと思わざるを得ません。新聞・議会広報等をみれば財政難の文字が躍るも、その原因は曖昧であり、議会の場で具体的に市民に示すべきではないでしょうか。合併してから税金をはじめ色々なものが上がり、補助金カット、事業縮小等、前向きなことを語られない議会が市民の望む姿でしょうか。

 改革の一方、大きな夢風呂敷を広げ、奥州市の未来を語る議員の姿が見えないのは私だけでしょうか。

子どもは次世代の宝

水沢区/小野寺順子さん

 「子どもの権利に関する条例」

 子どもの権利に関する懇談会に参加しました。会では議員の方々から子育て研究部会の概要をお話し頂きました。奥州市では「子ども達は次の世代を担う大切な存在である」と、子ども達の視点に立った子育て支援を事案としてあげています。

 私には、小学生と中学生の子どもがおります。私達の毎日は、生活の中で親の子どもに託す思いと子ども自身の思いが交わって過ぎていきます。保護者、子ども、学校、社会がどのように交わっていけるかを意義とした条例の役割を踏まえ、身近な私達が子どもの権利を保障する責務者としてできる事は何なのか考えてみました。

 私達は子どもの心を豊かに育むため、快く学ぶため、食育を通して子どもの成長を見守ることではないかと思いました。そして、食の安全性も深く考えさせられています。

 子どもたちの心が何を求め、私達は何を救えるのか、一つ一つ市と協力して、子ども達が安心して育つ奥州市になることを期待しています。

あとがき

平成23年3月11日に、千年に一度といわれる巨大地震と津波の発生で、東北地方を中心に大変な被害に見まわれました。復旧・復興については思うように進んでいませんので、師走に入り、あわただしい気持ちになってきた反面、寒い冬を迎える被災地の方々の生活が思いやられます。新年は、政治の変革に期待し、希望の持てる年にしたいと思わずにいられません。

(編集委員 菅原 明)

議会広報編集委員会

  • 委員長
    三宅 正克
  • 副委員長
    菅原明
  • 委員
    • 菅原 由和
    • 飯坂 一也
    • 高橋 政一
    • 加藤 清
    • 小野寺 隆夫
    • 菊池 堅太郎
    • 高橋 瑞男

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