平成27年第4回定例会 意見書・決議文

更新日:2023年09月29日

ページID: 4261
  • 会議結果
  • 意見書・決議文

安全保障関連法の廃止を求める意見書

 去る9月19日、参議院本会議において安全保障関連法案が十分な国会審議を経ることなく可決、成立した。

 また、特別委員会の採択に当たっては、総理大臣に対する質疑が行われずに強行採決され、だれの目にも民主的議会運営とは映らず、我が国の国会秩序を失墜させたものと言わざるを得ない。

 国会の審議を通じて明らかになった戦闘地域での兵たん活動である治安維持活動と核兵器・毒ガス兵器・劣化ウラン弾やクラスター爆弾まで輸送できるとする後方支援活動は、憲法が禁じる武力行使との指摘がされている。そして、多数の憲法学者、内閣法制局長官経験者、最高裁判所長官経験者が、安全保障関連法案を「違憲」と断じたことは極めて重大である。

 国会の審議が重ねられるほど安全保障関連法案には「反対」や「疑問」の声が広がり、各種世論調査においても「成立させるべきでない」が6割を超え、「政府の説明が不十分」とするものが8割を超えたことは、国民の理解が得られなかったことを示すものである。

 「十分な国民への説明と慎重審議を」との全国の多くの自治体が提出した意見書が一顧だにされず、憲法の根幹にかかわるこの法律が十分に審議されずに採択され成立したことは、誠に遺憾であり、強く抗議する。

 よって、国においては、安全保障関連法を速やかに廃止する手続きに入るよう強く要請し次のように取り組まれるよう強く求める。

1. 安全保障関連法を廃止すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成27年12月22日

岩手県奥州市議会

提出先:

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 防衛大臣

TPP協定交渉の情報開示とTPP協定交渉からの撤退を求める意見書

 TPP協定交渉参加国は、10月5日に大筋合意、11月5日に暫定案文を公表しましたが、内容について十分に国民に知らせることのないままに行なわれました。また、大筋合意後に臨時国会が開かれず、国民的な議論を尽くす姿勢がとられていないことも民主主義に反する重大な問題です。

 大筋合意ではアメリカ、オーストラリア産米あわせて7.8万トンの「特別輸入枠」を設定するとしています。また、肉牛の関税は15年かけて38.5%から9%へ、豚肉の関税は1キログラム当たり最大482円から10年後に50円に引き下げられます。さらに麦については事実上の関税であるマークアップを45%削減し、乳製品についてもアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドに対してバター、脱脂粉乳の輸入枠を設定、甘味資源作物も特別輸入枠が新設されます。このように農林水産物重要5品目の細目の3割で関税を撤廃するとしています。

 これらの内容が、重要5品目について関税撤廃はもとより、削減された場合でも「除外または再協議」を求めるとした平成25年4月の国会決議(衆参両院農林水産委員会決議)に反していることは明白です。国会決議に従えば交渉からの撤退をしなければならない事態です。

 さらに、重要5品目以外の野菜、果物や林産品、水産物の98%で関税撤廃にまで踏み込んでいることは重大です。日本の農林水産業への影響ははかり知れず、食料自給率をさらに引き下げ、日本農業へ壊滅的打撃を与えるだけでなく、医療分野への営利企業の参入、食の安全の侵害、さらに国有企業の規定やISDS条項などの地域経済・国民生活全般にわたって深刻な悪影響を及ぼす懸念があります。

 これらの声に対して、政府は「指摘された多くの懸念は当たらない」としています。しかし、大筋合意の内容が国民に重大な不利益を与えることが明らかであり、直ちに撤回すべきです。ましてや、この「合意」に基づくTPP協定への調印、批准は認められません。

 よって国においては、TPP協定交渉において次のとおり取り組まれるよう強く求める。

  1. TPP協定交渉の大筋合意の詳細と協定本文を速やかに開示すること。
  2. 農産品重要5品目の関税撤廃が除外できない場合は、TPP交渉から撤退すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成27年12月22日

岩手県奥州市議会

提出先:

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 産業経済大臣
  • 農林水産大臣

私学教育の充実と発展を求める意見書

 私立学校は、公教育の一翼を担い、学校教育の充実と発展に寄与している。

 現在、少子化などにより私立学校の経営基盤は厳しい環境におかれており、私立学校に通わせる保護者の学費負担は家計を大きく圧迫している。また、生徒一人当たりにかけられる教育費が公立学校と比べて低いことが、私立学校の教育諸条件が改善されない大きな要因となっている。

 こうした状況の中で、教育条件の維持、向上と保護者の経済的負担の軽減を図るとともに、私立学校の経営の健全化に資するため、運営費をはじめとする公費助成の一層の充実が求められている。

 よって、国及び県においては、このような私学教育を取り巻く実情を勘案し、過疎地域の私立高等学校に対する特別助成の増額を含め、私学助成金の一層の拡充を図られるよう強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成27年12月22日

岩手県奥州市議会

提出先:

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 財務大臣
  • 文部科学大臣
  • 岩手県知事

教職員定数改善と義務教育費国庫負担制度2分の1復元を求める意見書

 日本はOECD諸国に比べて、1学級当たりの児童生徒数や教員1人当たりの児童生徒数が多くなっている。しかしながら、第7次教職員定数改善計画の完成後9年もの間、国による改善計画のない状況が続いている。

 自治体が見通しを持って安定的に教職員を配置するためには、国段階での国庫負担に裏付けされた定数改善計画の策定が必要であり、一人ひとりの子どもたちへのきめ細やかな対応や学びの質を高めるための教育環境を実現するためには、教職員定数改善が不可欠である。また、新しい学習指導要領により、授業時数や指導内容が増加しているほか、日本語指導などを必要とする子どもたちや障がいのある子どもたちへの対応、いじめ・不登校などの課題もある。こうしたことの解決にむけて、少人数教育の推進を含む計画的な教職員定数改善が必要である。

 いくつかの自治体においては、厳しい財政状況の中、独自財源による定数措置が行われており、このことは、自治体の判断として少人数教育の推進の必要性を認識していることの現れであり、国の施策として定数改善にむけた財源保障をすべきである。

 子どもたちが全国どこに住んでいても、機会均等に一定水準の教育を受けられるよう、憲法に教育を受ける権利が定められているが、三位一体改革により義務教育費国庫負担制度の負担割合が2分の1から3分の1に引き下げられた結果、自治体財政が圧迫され、非正規教職員も増えている。

 よって、子どもの学ぶ意欲・主体的な取り組みを引き出す教育の役割は重要であり、そのための条件整備が不可欠であることから、下記事項が実現されるよう強く要望する。

  1. 子どもたちの教育環境改善のために、計画的な教職員定数改善を推進すること。
  2. 教育の機会均等と水準の維持向上を図るため、義務教育費国庫負担制度の負担割合を2分の1に復元すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成27年12月22日

岩手県奥州市議会

提出先:

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 文部科学大臣

この記事に関するお問い合わせ先

議会事務局 議事調査係
〒023-8501
岩手県奥州市水沢大手町1-1
電話番号:0197-34-1575
ファックス:0197-23-8199
メールでのお問い合わせ
みなさまのご意見をお聞かせください
このページの内容は分かりやすかったですか
このページは見つけやすかったですか