平成28年第1回定例会 意見書・決議文
- 会議結果
- 意見書・決議文
奨学金制度の充実等を求める意見書
学費が高騰し、一方で世帯年収が下がり続ける中で、家庭の教育費負担がかつてなく重くなっている。すでに大学生の5割超、大学院生の6割超が何らかの奨学金を受給しなくては、学業を続けられないのが実態である。
わが国の公的な奨学金制度の中心である独立行政法人日本学生支援機構による奨学金は、貸与型の奨学金制度であり、その7割超(貸与金額)が3%を上限とする利息付きの奨学金(第2種奨学金)となっている。
近年、貸与者数および貸与金額が増加を続ける一方で、学生の就職難や非正規労働の増加などから、卒業後も奨学金の返還ができずに生活に苦しむ若者が急増している。同機構は、返還期限の猶予や減額返還などの制度を設けているが、適用の要件が厳しく、民間サービサー(債権回収会社)による過酷な債権回収などが社会問題ともなっている。
よって本議会は、政府において、学習意欲と能力のある若者が家庭の経済状況にかかわらず進学し、安心して学業に専念できる環境を作るため、下記事項について十全の対応をとるよう強く求める。
記
- 高校生を対象とした給付型奨学金制度を拡充し、大学生等を対象とした給付型奨学金制度を創設すること。
- 無利子奨学金を充実させ、延滞金制度の加算利息についてはさらに引き下げること。
- 返還猶予、返還免除、減額返還などの救済制度の周知と拡充をはかり、柔軟に適用させること。
- 大学等の授業料減免制度を充実し、高等教育の学費引き下げをはかること。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出する。
平成28年3月24日 岩手県奥州市議会
提出先:
- 衆議院議長
- 参議院議長
- 内閣総理大臣
- 内閣官房長官
- 財務大臣
- 総務大臣
- 文部科学大臣
ヘイトスピーチを禁止する法の整備を求める意見書
昨今、一部の国や民族あるいは特定の国籍の外国人を排斥する趣旨の言動、いわゆるヘイトスピーチが大きな社会問題となっています。
平成26年7月に、国際連合の自由権規約委員会は、「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約(人種差別撤廃条約)」上の人種差別に該当する差別的言動の広がりに懸念を示し、日本政府に対し、このような差別的言動に対処する措置を採るべきとの勧告を出しました。さらに、同年8月には、国際連合の人種差別撤廃委員会も、日本政府に対し、法で規制を行うなどヘイトスピーチへの適切な対処に取り組むことを強く求める勧告を行いました。
人種や民族、国籍等の違いから生じる差別は決して許されるものではなく、国際社会における我が国への信頼を失うことにもなりかねないことから、早急に対応することが必要です。
よって、国においては、差別のない社会に向け、次の事項を実現するよう求めます。
記
- ヘイトスピーチを禁止する法の整備を行うこと。
- 人種差別撤廃条約第4条(a)及び(b)に関し、その留保を撤回すること。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。
平成28年3月24日 岩手県奥州市議会
提出先:
- 衆議院議長
- 参議院議長
- 内閣総理大臣
- 内閣官房長官
- 総務大臣
- 法務大臣
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更新日:2023年09月29日