平成30年第4回定例会 意見書・決議文
- 会議結果
- 意見書・決議文
総合水沢病院の診療機能維持及び経営健全化を求める決議
自治体病院の使命は、「都市部からへき地に至るさまざまな地域において、行政機関、医療機関、介護施設等と連携し、地域に必要な医療を公平・公正に提供し、住民の生命と健康を守り、地域の健全な発展に貢献すること」(「自治体病院の倫理綱領」より)とされています。奥州市においても総合水沢病院をはじめ歯科を含めた二病院三診療所が、地域における基幹・中核医療施設として重要な役割を果たして参りました。特に総合水沢病院は市内で小児入院機能を有する唯一の施設であり、通院患者の入院はもちろん、他の無床小児科診療所からの紹介患者の受入れ、「こぐま園」による病後保育の実施及び乳幼児検診等の専門施設として、子ども達の健康・生命を守る重要な役割を果たしてきたことは、市民誰もが認めるところです。
しかし、その小児科診療が医師の退職等のために12月から休止となり、入院していた子ども達は自宅療養又は市外の医療機関への転院を余儀なくされ、本人はもとより、看護する保護者の肉体的、経済的負担は増大し、不安が広がっています。
さらに、今後内科においても退職に伴い医師の人数が半減するとの報告がなされ、通常の診療も困難になる以上、救急患者の受入れが不可能ではないかと危惧されています。これでは、とても安心して生活できる環境にあると言えず、行政に対する信頼を失いかねない危機的状況は、患者の減少にもつながっています。
総合水沢病院の外来患者数が今年に入ってから特に減って来ていることは、補正予算審議の場で医療局も認めており、入院患者も延べ3,500人近く減少し、当初の目標が90%であった病床稼働率は、現在84%にまで下がっています。これは、年間約1億1,500万円の収益減が見込まれることになります。これに小児科の休止や内科の機能半減に伴う今後の収益減を加えれば、病院事業全体として2億円近い収支損益のマイナスも考えられます。
病床稼働率が下がるということは、現在県の主導により開催されている「地域医療構想」に基づく地域医療構想調整会議にも影響を及ぼしかねません。国が示した地域医療構想に係る考え方の中で、これからの必要病床数は稼働病床を対象とするものとされており、この考え方からすれば、同調整会議における病床の削減等について不利な状況となりかねません。それでは、例え新市立病院建設計画が策定されたとしても、目標とする病院機能を発揮することができなくなる可能性もあり、医療局においても総合水沢病院ばかりでなく、まごころ病院も含め全力で改善すべき課題であると考えます。
以上のことから、市立医療機関、特に総合水沢病院は、今後も継続して安定的に地域医療を提供する中心施設の一つとして、決して欠くことのできない存在であることを十分認識されるとともに、行政、議会及び市民が一体となって英知を結集し、現在の危機的状況を一刻も早く改善するため、下記の事項について早急に取り組まれるよう強く要望します。
記
- 近隣の医師養成大学及び同付属病院、岩手県、各県立病院並びに岩手県医師会を含む医師会等の関係機関に対し、これまで以上に連携を密にしながら、小児科、内科その他必要とする診療科の医師確保及び診療機能の維持に向けてあらゆる手段を講じること
- 医師確保対策のための専門部署の人員の増員、権能の見直し・拡大等も含め、これまで以上に強く医師確保に努めること
- 外来・入院患者を増やし、病床稼働率の改善による医業収益の増益及び病床機能の維持を図り、医業経営の健全化に一層取り組むこと
- 総合水沢病院の役割及び現状について広く市民に周知し、市民からの理解及び協力を得るよう努めること
以上のとおり決議する。
平成30年12月19日
奥州市議会
私学助成の充実を求める意見書
私立学校は、公教育の一翼を担い学校教育の充実と発展に寄与しています。
現在、私立学校の経営基盤は、厳しい環境におかれており、私立学校に通わせる保護者の学費負担は家計を大きく圧迫しています。また、生徒一人当たりにかけられる教育費が公立学校と比べて低いことが、私立学校の教育諸条件が改善されない大きな要因になっています。
こうした状況の中で、教育諸条件の維持、向上と保護者の経済的負担の軽減を図るとともに、私立高校の経営の健全化に資するため、運営費をはじめとする公費助成の一層の充実が求められています。
よって、国及び県においては、このような私学教育を取り巻く実情を勘案し、過疎地域の私立高校に対する特別助成の増額を含め、私学助成金を更に充実するよう強く求めるものです。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成30年12月19日
岩手県奥州市議会
提出先
- 衆議院議長
- 参議院議長
- 内閣総理大臣
- 財務大臣
- 文部科学大臣
- 岩手県知事
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更新日:2023年09月29日