平成30年第1回定例会 意見書・決議文

更新日:2023年09月29日

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ライドシェアの導入に反対し、安全・安心なタクシー事業を守る施策推進を求める意見書

 国は、平成28年7月、シェアリングエコノミー検討会議を設置し、同年11月に中間報告書をまとめました。また、規制改革推進会議においても、一般のドライバーが利用客から運送対価を取って自家用車で利用客を送迎する、いわゆるライドシェアの本格導入に向けた検討を進めています。

 ライドシェアは、普通第二種免許や運行管理者の配置も不要とされるなど、道路運送法で禁止されてきた、いわゆる白タク行為を合法化するものであり、また、需給状況やドライバーによって運送対価が変動し、安定したサービスの提供が困難であること、24時間稼働の保証がなく、特に女性や高齢者の夜間利用が不便になること、事業主体は一切運送に関する責任は問われず、紛争等は当事者間での解決となること、他国では自動車配車アプリを運営する事業者と登録するドライバーとの雇用関係の有無や地位確認等で集団訴訟が提起されていることなど、多くの問題点が識者からも指摘されています。

 このように多くの問題点を有しているにもかかわらず、ライドシェアが無秩序に地域で展開されれば、結果的に利用客の安全・安心が担保されない事態が常態化する恐れがあり、また、日本全国に展開されれば、国内タクシー事業ばかりでなく、路線バスや貨物、鉄道も含めた地域公共交通の存立が危機に陥り、ひいては地域経済にも深刻な影響を与えかねません。

 特に、タクシー事業は、高齢者や障がい者等の交通弱者にとって、介護や通院、買い物など、日常生活を送るためには欠かせないドア・ツー・ドアの公共交通機関です。国民の安全・安心で快適かつ便利な交通機関として、社会生活や地域の経済活動を支える重要な役割を担っており、少子高齢化が一層進む中、地域におけるタクシー事業の重要性は、今後ますます高まることが予想されます。

 よって、国においては、地域の公共交通の役割を担っているタクシー事業者が、より安全・安心で快適かつ便利な交通機関として利用客にサービスを提供できるよう、ライドシェアの導入は行わず、タクシー事業の適正化・活性化のための施策を推進するよう強く要望します。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

 平成30年2月15日

 岩手県奥州市議会

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 国土交通大臣

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