令和2年第4回定例会 意見書・決議文

更新日:2023年09月29日

ページID: 2476

オンライン本会議の実現に必要となる地方自治法改正を求める意見書

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、相当数の議員が隔離された場合においても、急を要する感染症対策議案等の審議、議決が求められる事態が現実のものとして想定されている。同様のことは、自然災害においても言えることであり、岩手・宮城内陸地震及び東日本大震災と二度にわたる大規模災害を経験した当市議会においても、会議の中断を余儀なくされたところである。
 このように、定足数を満たす人数の議員が議場に参集出来ない状態においても、審議、表決などを可能とする議会運営方法を確立しておかなければ、本会議を開くことができず、議決機関として市民の負託に応えることもできない。
 また、育児、介護等で容易に外出できない議員も、その職責が果たせるよう、自宅や施設などから審議、表決などに参画できる手段の確保も求められているところである。
 英国議会やオーストラリア連邦議会では、既にオンラインによる本会議を実現しているが、我が国においては、地方自治法第113条及び第116条第1項における出席の概念が、現に議場にいることとしており、オンラインによる本会議運営は現行法上できないと解されている。
 一方で、総務省は令和2年4月30日付総行行第117号で、委員会運営については、地方議会における判断によってオンライン化が可能であるとの見解を発出したが、本会議でのオンライン化ができなければ、議会としての意思決定プロセスは完結できず、議案審査上の利点は限られる。議会の意思形成過程である委員会審議においてオンライン化の有用性を認識しながら、本会議においてそれを否定しているところに一貫性は見出せず、そこに合理性は認められない。
 よって、国においては、地方議会の判断で本会議への参加、表決の意思決定がオンラインによっても可能となるよう、地方自治法の改正を強く要請する。

  1.  地方議会における本会議の開催において、議場への参集による本会議の出席が困難な場合には、オンラインでの議会審議への参加、表決の意思表示が可能となるよう、地方自治法において招集、応招、出席、表決等の規定を速やかに改正すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和2年12月14日

岩手県奥州市議会

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣

米価下落対策として政府備蓄米追加買入れ等を求める意見書

 新型コロナウイルス感染症の影響で米需要が減り、米価が下落しています。いま求められているのは、「このままでは米作りは続けられなくなる」という切迫した声にこたえて、この危機を打開することです。
 コロナ禍による需要減少によって、米は過剰在庫になっています。最も過剰なのは外国産米であるミニマム・アクセス米です。農林水産省の「米需給基本指針」では、来年、最大級の生産目安による調整を求める一方で、外国産米については、これまで通りミニマム・アクセス米77万トンの輸入を明記しています。
 一方で、コロナ禍で需要が減り、在庫が積み上がっているという点で全く同じ事情の乳製品は、政府が輸入割当枠を大幅に減らしています。
 現在、政府備蓄米の在庫は91万トンですが、2000年における在庫はその3倍の276万トンであり、備蓄が終わった米は飼料・加工・援助用に回っていました。元々、ミニマム・アクセス米の数量は、1986年から1988年までの平均米消費量の8%(77万トン)と決められていました。それが今、米消費量は4分の1が減り、その8%相当量は57万トンです。77万トンと57万トンとの差である20万トンは、コロナ禍によって消滅したとされる米需要10万トンの2倍であり、WTO(世界貿易機関)に対して是正が要求できるものです。
 今年の出来秋、10月の主な国産米の銘柄は、前年度から軒並み下落しています。コロナ禍による需要減少にもかかわらず、緊急買入れなどの需給調整に入らず、生産者に30万トンの削減という過大な生産目安による調整が農家に押しつけられること、これが米価下落の元凶です。
 これ以上、需給の混乱と米価下落が続けば、法人経営でさえも米作りが続けられない事態になりかねません。これほどの米価下落を招いた主要因は、コロナ禍による需要減少と消費減退によるものであり、今こそ緊急買入れなどの特別対策が必要です。
 よって、国に対し下記のとおり要請いたします。

  1.  新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で起きた過剰在庫を備蓄米として追加買入れすることにより米需給環境を改善し、米価下落を阻止するとともに、来年産米の大幅な生産目安による調整を回避すること。
  2.  WTO(世界貿易機関)ルールに照らしてもミニマム・アクセス米の数量は過大であり、少なくとも国内の需要状況に応じた輸入の抑制をするため、国内消費に必要のないミニマム・アクセス米の輸入は中止又は縮小すること。
  3.  欧米並みの食料支援制度の創設で国による食料の買上げを実施し、コロナ禍などで困窮した生活困難者などへ支援すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和2年12月14日

岩手県奥州市議会

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 農林水産大臣

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〒023-8501
岩手県奥州市水沢大手町1-1
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