令和2年第2回定例会 意見書・決議文

更新日:2023年09月29日

ページID: 2503

種苗法改正の中止を求める意見書

 政府は、種苗法の改正案を先の通常国会に提出し、継続審査となっている。

 2017年に農業競争力強化支援法が施行され、品種開発のための公的な試験機関に対し種子生産に関する知見を民間企業に提供することが義務付けられ、種子の開発、生産、普及に関する事業が公的機関から民間企業に開放された。

 政府の種苗法改正案によると、登録品種について、育成者権者が出願時に利用条件を付した場合は、利用条件に反した行為を育成者権者が制限できるとしている。また、農家の自家増殖にも育成者権の効力が及び、登録品種を農業者が増殖する場合、育成者権者の許諾が必要になるとしている。このことは、これまで認められてきた農家の自家増殖の権利を著しく制限するとともに、自家増殖のための許諾の手続や費用、新たな種子の購入等の負担が発生することになり、小規模農家の経営の圧迫につながりかねない。

 また、育成者権者の許諾を必要とするのは登録品種に限るとしているが、在来種は無数にあり、その把握もされていない中で、新品種との区別を判断することは極めて困難である。出願登録される新品種と農家が自家増殖する一般品種との明確な違いを判断できない状況の下で、一般品種が登録される可能性は否定できない。

 育成者権利保護を目的とする国際条約UPOV91でも、第15条で農家が自家増殖する権利を認めており、食料及び農業のための植物性遺伝資源に関する国際条約でも前文及び第9条で農業者の権利として明確に規定され、さらには、国連総会が2018年11月に採択した「農民の権利宣言」でも、農民の自家増殖の権利を明記している。

 よって、国会及び政府においては、自家増殖について、試験研究等の機関はもとより農業者及び消費者の声を広く聴くとともに、現在提案されている種苗法の改正を中止することを強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和2年6月23日

岩手県奥州市議会

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 農林水産大臣

消費税の税率を5%に引き下げるよう求める意見書

 新型コロナウイルスの急激な感染拡大は、世界や日本、そして地域の経済にリーマンショック以上とも言われる深刻な影響を与えています。

 政府は、2度にわたって補正予算を組むなど景気対策を進めようとしておりますが、2014年4月の消費税率8%と昨年10月の消費税率10%への増税は、景気の回復を進める上で大きな障害となっています。

 消費税増税は、庶民の購買意欲に影響を及ぼすだけでなく、低所得者ほど負担が重いため、貧困と格差拡大の助長にもつながります。

 消費税に依存する財政を見直し、大企業や富裕層を優遇する税制を是正するとともに、国民が願う社会保障や地域経済振興に優先して税金を使い、経済を支える個人消費を伸ばすことが求められます。

 よって、住民の暮らしと地域経済を支えるため、また、新型コロナウイルス感染拡大からの経済回復を可能にするため、消費税率を5%に引き下げることについて強く求めます。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和2年6月23日

岩手県奥州市議会

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 財務大臣
  • 経済産業大臣

教職員定数改善と義務教育費国庫負担制度2分の1復元に係る意見書

 今年3月、新型コロナウイルス感染症対策として全国の学校で一斉に臨時休校の措置が執られました。新年度を迎えた4月以降、再開した学校、休校を延長した学校、再び休校となった学校などがあり、それぞれの学校では学びの保障や心のケア、感染症対策など教職員が不断の努力を続けています。

 学校現場では、新学習指導要領への対応だけでなく、貧困、いじめ、不登校等解決すべき課題が山積しており、子どもたちの豊かな学びを実現するためには、教材研究や授業準備の時間を十分に確保することが不可欠です。また、明日の日本を担う子どもたちを育む教職員が人間らしい働き方を実現するためには、労働時間の是正が必要であり、そのための教職員定数の改善は欠かせません。

 義務教育費国庫負担制度については、小泉政権下の「三位一体改革」の中で国庫負担率が2分の1から3分の1に引き下げられました。厳しい財政状況の中、独自財源により人的措置を行っている自治体もありますが、地方自治体の財政を圧迫していることや自治体間の教育に格差が生じることは大きな問題です。国の施策として定数改善に向けた財源を保障し、子どもたちが全国どこに住んでいても一定水準の教育を受けられることが憲法上の要請です。

 よって、豊かな子どもの学びを保障するための条件整備は不可欠であることから、2021年度政府予算編成において、下記事項が実現されるよう強く要望します。

  1.  子どもたちの教育環境改善のため、計画的な教職員定数改善を推進すること。
  2.  教育の機会均等と水準の維持向上を図るため、義務教育費国庫負担制度の負担割合を2分の1に復元すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

 令和2年6月23日

岩手県奥州市議会

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 内閣官房長官
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 文部科学大臣

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