平成22年第3回定例会 意見書・決議文

更新日:2023年09月29日

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過剰米対策を求める意見書

 平成21年産米は、国の需給見通しの誤りや過剰作付けにより、本年10月には、全国で40万トン、本県においても3万3千トンもの持ち越し在庫の発生が懸念される事態となっています。

 これから収穫を迎える中にあって、このままでは21年産米の古米処理経費の発生や22年産米の価格下落、そして、23年産米の米生産数量目標の大幅な削減は必至と予想されます。

 また、戸別所得補償モデル対策交付金の補てんを受けても農家経営は極めて厳しい状況になることが心配されます。

 稲作農家が安心して米作りに取り組める環境の確立が強く望まれます。

 よって、以上の趣旨から、下記の事項について強く要望いたします。

  1. 緊急の対策として政府買い入れによる相当量の棚上げ備蓄を実施し、市場の過剰感を一掃すること。
  2. 需給と価格の安定をはかるという食糧法の規定に基づき、過剰米を国が責任をもって市場隔離する需給調整対策を恒久的な制度として確立・実施すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。

 平成22年9月8日

岩手県奥州市議会

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 農林水産大臣

家族従業員の人権保障のため所得税法第56条の廃止を求める意見書

 中小業者は、地域経済の担い手として日本経済の発展に貢献してきました。しかし、不況が深刻化するなかで、倒産、廃業などかつてない危機に直面しています。

 その中、中小業者を支えている家族従業者の「働き分」(自家労賃)は、所得税法第56条「配偶者とその親族が事業に従事したとき、対価の支払いは必要経費に参入しない」(条文要旨)により、必要経費として認められません。事業主の所得から控除される働き分は、配偶者は86万円、家族の場合は50万円です。家族従業者はこのわずかな控除が所得とみなされるため、社会的にまったく自立できない状況となっており、家業を手伝いたくても手伝えないことが、後継者不足に拍車をかけています。

 税法上では、青色申告をすれば給料を経費にすることができますが、同じ労働に対し、青色と白色で差をつける制度自体が矛盾しており、基本的人権を侵害しています。

 ドイツ、フランス、アメリカなど世界の主要国では「自家労賃を必要経費」としているなかで、日本だけがいまだに取り残されていることから、税法上も、民法、労働法や社会保障上も「一人ひとりが人間として尊重される憲法に保障された」権利が要求されています。

 よって、国においては家族従業員の人権保障の基礎をつくるため、所得税法第56条の廃止をするよう要望します。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。

 平成22年9月24日

岩手県奥州市議会

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 内閣官房長官
  • 法務大臣
  • 財務大臣

保険で良い歯科医療の実現を求める意見書

 口腔の健康は、人間の健康と生活の基本です。口腔内の細かなケアを行うことは、糖尿病の管理をはじめ、高血圧症、動脈硬化、歯性感染症、誤嚥性肺炎や認知症の予防などに効果があり、全身の健康にとって歯科医療の役割がますます重要となっています。

 しかし現実には、政府の医療費・診療報酬抑制策によって、このような歯科医療の効用を生かすために必要な歯周治療や義歯治療への保険給付の範囲は十分ではなく、保険が利かない治療もあることから、国民の保険給付の範囲拡大を求める要望は大きくなっています。

 また、供給面でも、政府の医療費・診療報酬抑制策により、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士等の歯科医療従事者の労働環境が一段と厳しくなっており、各地の歯科衛生士や歯科技工士の養成所では廃校、定員割れが起きるなど、将来の歯科医療の確保さえ危ぶまれる状況に陥っています。

 このような事態を放置すれば、歯科医療の衰退を招くばかりか、国民の健康保持に支障をきたしかねません。

 よって、国においては、国民が安心して保険で良い歯科医療が受けられるよう、保険給付の範囲を拡大・充実するよう強く要望いたします。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

 平成22年9月24日

岩手県奥州市議会

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 財務大臣
  • 厚生労働大臣

30人以下学級の実現、教育職員の賃金改善及び義務教育費国庫負担制度の拡充を求める意見書

 子どもたちに豊かな教育を保障することは、社会の基盤づくりにとって極めて重要なことであり、「教育は未来への先行投資」であることが多くの国民の共通認識となっています。

 子どもたちは、様々な価値観や個性を持っており、きめ細かな対応が必要とされていますが、日本はOECD諸国に比べ、1学級当たりの児童生徒数や教員1人あたりの児童生徒数が多く、一人ひとりの子どもに丁寧な対応を行うことが困難になっているため、ひとクラスの学級規模を引き下げる必要があり、30人以下学級の実現が求められています。

 また、子どもたちが全国どこに住んでいても、機会均等に一定水準の教育を受けられることが憲法上の要請です。これを担保し、教育水準の維持向上と教育職員の人材確保を図るため、教育職員の給与は一般公務員の給与水準に比較して、優遇されなければならないことが法律で規定されていますが、地方分権改革の影響などにより、現在ではこうした趣旨や理念が必ずしも担保されていない事態となっており、人材確保への支障が懸念されています。

 一方、地方自治体においては、義務教育費国庫負担制度の国の負担割合が2分の1から3分の1に引き下げられたことなどにより、地方自治体の財政状況によっては教育予算を確保することが困難となっており、教育の自治体間格差の発生が危惧されています。

 よって、将来を担う子どもたちへの教育は極めて重要であることから、下記の事項の実現について、強く要望いたします。

  1. 少人数学級を推進すること。具体的学級規模は、OECD諸国並みの豊かな教育環境を整備するため、30人以下学級とすること。
  2. 教育職員の人材を確保するための給与改善を行うこと。当面、定数改善や超過勤務縮減策を行ったとしても残る超過勤務分に見合う給与措置を行うこと。
  3. 教育の機会均等と水準の維持向上をはかるため、義務教育費国庫負担制度の堅持とともに国の負担割合を2分の1に復元すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

 平成22年9月24日

岩手県奥州市議会

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 文部科学大臣

私学教育の充実と発展を求める意見書

 私学教育については、国や県、市町村などの助成により振興が図られており、さらに、今年度からは家庭の状況にかかわらず全ての意思ある高校生等が安心して勉学に打ち込めるよう、公立高等学校の授業料無償化とともに、国立・私立の高等学校等においても、授業料に充てる高等学校等就学支援金が支給され、家庭の教育費の負担が軽減されているところです。

 しかし、私立高等学校には授業料のほかに施設整備費、教育維持費などがあるため、学費の公私間格差は一向に縮まっていません。生徒が、公立でも私立でも学費を心配せずに安心して学べる環境を早急に整える必要があります。

  一方、少子化の進行により、公立・私立を問わず、学校存立の危機が迫っています。もし学校がなくなることになれば、その地域全体の過疎に拍車をかけることになり、地域の振興という点からみても憂慮すべき事態です。少子化の今こそ、30人学級や教育費負担軽減などの教育諸条件を抜本的に改善する絶好の機会であり、この改善策が少子化の歯止めとして有効な対策になると考えます。

 よって、国及び県においては、このような私学教育を取り巻く現状を考慮し、過疎地域の私立高等学校への特別助成の増額を含め、私学助成金を更に充実されるよう強く要望いたします。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

 平成22年9月24日

岩手県奥州市議会

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 文部科学大臣
  • 岩手県知事
  • 岩手県教育委員会

最低賃金法の抜本改正と安定雇用の創出、中小企業支援策の拡充・強化を求める意見書

 中小企業・業者をめぐる経営環境は一向に好転せず、急激な円高の進行とデフレにより「二番底」が懸念される事態となっています。

 景気の長期に亘る低迷により、企業経営も労働者の暮らしも深刻な事態に直面しています。景気回復には内需主導型経済への転換が重要であり、緊急雇用対策や中小企業対策の実効ある施策が早急に求められています。

 現在、日本の労働者の3分の1超が年収200万円未満であり企業利益に貢献してきましたが、低賃金ゆえに十分な貯蓄もできず、生活困窮に陥っています。現在の最低賃金は、最も高い東京で時給791円、低い地方では時給629円であり、これでは内需が冷え込むのも当然といわざるを得ません。

 最低賃金の引き上げは、貧困対策のみならず、景気刺激策としても有効であり、消費財やサービスへの需要が増えれば、それが雇用拡大につながります。また、低賃金の改善は、転職の減少と仕事の質の向上、採用や新人研修コスト等の削減、生活保護受給の抑制と社会保険料の支払い手の増加などの効果をもたらします。こうした様々なメリットを踏まえ、中小零細企業に対する支援策を併行して進めながら、最低賃金の引き上げを着実に実現していくべきであります。

 下請け企業の実情からいえば、不当な単価引き下げ圧力のもとで、いかにして適正単価を確立するかが大きな課題となっており、最低賃金の引き上げと併せ、公正取引ルール確立が求められています。最低賃金を生活保障水準に引き上げ、企業間取引の力関係や、競争入札の力学の中でも貧困が生み出されないようにし、適正利潤を含んだ単価設定が可能となる経済社会を実現するべきであります。

 労働基準法は、第1条で「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」とし、最低賃金法は、最低賃金と生活保護との整合性をうたっています。

 最低賃金を引き上げ、働く貧困層をなくし、早急に日本経済を景気回復の道へと導くため、下記の内容を早期に実行するよう意見書を提出します。

  1. 政府は、ワーキング・プアの根絶と地域格差の是正をはかるために、最低賃金法の抜本改正を行うこと。
  2. 政府は、上記の法改正と併せて、中小企業支援策の拡充と下請取引適正化のための制度改善を実施し、適正な単価で公正取引が行われる経済環境を実現すること。
  3. 政府は、企業に対し、労働者の雇用維持と安定雇用の創出を求めること。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。

 平成22年9月24日

岩手県奥州市議会

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 厚生労働大臣

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