奥州羅針盤(4年7月)
7月になりました。この季節は体調を管理するのが難しいと悩んでいる方も多いと思いますので、ひとつ「おなかの健康」の話をしましょう。
最近は「腸内フローラ」の認知度も上がっていますが、これは、個性豊かな細菌たちが、腸の中で花のように咲き乱れている生態系のことを指します。つまり、ウンチの源です。(食事中の方には失礼しました)
昔は、善玉菌と悪玉菌に分けて語られましたが、最近の遺伝子レベルの研究では、ちょいワルも健康を保持する役割を担っていることも分かってきました。この生態系は人間社会の縮図かもしれません。そして、腸内細菌と脳をつなぐ特別なルートがあることも証明され、腸内フローラがヒトの「こころとからだの健康」に深く関わっていることが明らかになってきました。
また、興味深いことに、温泉効果の一つが、この腸内フローラに変化を与えるのではないかといわれています。泉質や温度、空気、雰囲気により腸内フローラに動きがあり、結果として長期的には体に変化を起こすのではないかという仮説です。その検証方法は、温泉入浴者のウンチをサンプルにして腸内フローラの変化を捉え、疾病予防力、肌や脳への影響などを調べます。実は別府温泉ではいち早くこの方法に注目し、九州大学との共同研究の結果、地元の7種類の泉質全てで、慢性疾患予防に効果があるという科学的なシナリオが出来上がりました。
市内にも優れた泉質の温泉が複数あります。乳酸菌学会をリードする東京工業大学とタッグを組んで、市内の温泉が「湯治」に適していることを科学的に証明する計画が進んでいます。さあ、泉質で別府温泉を超えていきましょう!
![奥州市長 倉成淳](http://www.city.oshu.iwate.jp/material/images/group/6/12415.png)
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更新日:2023年09月29日