市長の部屋

奥州市長 倉成 淳
奥州市長あいさつ
市長就任から間もなく3年となりますが、就任当初に描いた「奥州市民であることを誇りに思える、そして未来に希望を持てるまちをつくる」という思いは全く変わりません。そこで、改めて東北の歴史を振り返り、希望の源泉を探ろうと、奥州大使でもある作家高橋克彦さんの「東北・蝦夷(えみし)の魂」を読みましたが、その中には、たくさんの気づきがありました。
この著書は、東日本大震災の2年後に発刊されたものです。東北人の耐える力、粘り強い姿、人を思いやる姿勢を世界に示したのが震災直後の国際報道であり、その姿を見て、「浄土思想はこの地に存在する」と世界の人々が認識して平泉の世界遺産登録につながったと述べています。ただし、著者は「耐える強さが大切なのは、明るい未来があってこそだ」と締めくくっています。それが大切なのです。
この部分を読んだ瞬間にイメージしたのは、大谷翔平選手の姿です。彼の行動や言動は、世界に誇れる東北人の良さであると同時に、未来を切り開くことの重要性も伝えています。世界が認めるスーパースターでありながら、謙虚さ故に親しみを感じさせるあの姿こそ、我々が目指す人間像ではないでしょうか。
奥州市は、大谷翔平選手の故郷としての魅力だけではなく、彼が「粘り強さ、やり抜く力」そして「情熱」をこの地で学んだことを知ること自体が、市民のプライドに繋がるはずです。「ストーリーが明確な夢は必ず叶う」と思い続けることも大切な資質です。
今、世界は混迷を深め、従来の価値観とは異なる時代に突入しようとしています。そんな時代の中で、「これから地球を救うのは東北人だ」と言われるよう、共助の力を生かして、新しい時代に立ち向かっていきましょう。
令和7年1月
