奥州羅針盤(5年10月)
皆さん、先月号の内容を覚えていますか? 「大谷翔平はなぜ誰も歩いたことのない道を軽やかに歩けるのか?」の続編です。今月初めにMLBのホームラン王に輝き、日本国内で絶賛の嵐でしたので、今回は2回目のMVP獲得を祈念しながら続編を進めます。
前回の結論は、「エンゼルスの大谷翔平選手は、平安時代に文武両道の二刀流で知られた菅原道真公に守られている。そして、それは、奥州の母体・姉体に移り住んだ道真公の家族の絆が生んだもの」ということでした。道真公の辞世の句「東風吹かば 匂ひおこせよ梅の花 主なしとて春を忘るな」は、遠い北国で暮らす家族への思いなのでしょうか。
実は、大谷選手の母校である姉体小学校の校章は梅の花をモチーフにしています。梅の花ことばは「気品」「忠実」「忍耐」「高潔」です。道真公は現在の大谷選手のような青年を理想の人間像としていたのかもしれません。確かに彼は守られています。今年は大谷選手の言葉にも注目が集まりました。心理学者をうならせたWBC決勝戦前の名言「憧れるのはやめましょう」は、文言だけでなく、声音、表情、それに向かう姿勢全てにおいて、「超えていく人」の声出しだったと評価されています。
フォーブスジャパンによれば「大谷翔平を生んだ岩手を訪れる」ツアーも海外で企画されているそうです。それは、野球での活躍を超えた彼の人間性がそのような思いにさせるのかもしれません。
歴史的には菅原道真公は平安初期の人物で、そこから平安中期の奥州藤原三代の時代に入り、「みちのく浄土思想」にたどり着きます。歴史は繰り返し、「光る君へ」の新しい時代の幕開けかもしれません。
この記事に関するお問い合わせ先
- みなさまのご意見をお聞かせください
-
更新日:2023年10月25日