奥州羅針盤(5年4月)
今年度の始まりは、満開の桜を見上げ心躍る感覚を味わうことになりました。
この時期、全国的に公共交通システムが新たなステージを迎えています。その背景には、高齢者ドライバーの免許返納後の移動手段の確保や、公共交通に携わる運行会社の人手不足などがあるようです。行政としては、通勤・通学手段の確保や、高齢者の移動を助ける公共交通システムの構築を急がなければなりません。特に、公共バスの利用者数が市民の7.6%にとどまっている奥州市のバス交通は、利便性向上が課題です。
本格的に迎える少子高齢化社会では、スクールバスの利用者や運転免許証返納者の増加が予想されます。また、産業振興による転入者だけでなく、観光客やビジネスマンのためにも、利便性の高い移動手段を確保する必要があります。
それでは、利用者にとって利便性の高いバス交通網とはどのようなものでしょう?
- 時刻表ではなく、乗客の予約に応じて運行するオンデマンド交通
- 地区センターやドラッグストアなど、待ち時間も快適に過ごせる建物を待合所とする
- 市内循環バスや、路面電車に見立てた通学・通勤に便利な基幹路線バスなど、機能の異なる路線を組み合わせる
- 地区内交通を活用し、ドアツードアシステムを実現する
奥州市は、地域住民と地域タクシー業者の協力を得て、市内8カ所で地区内交通を実施しており、この仕組みを活用して、さらに利便性を高め、自宅から目的地まで効率的に移動できる手段にしたいものです。AI(人工知能)機能を活用し、将来の自動運転車への対応を目指すことも大切な視点です。

この記事に関するお問い合わせ先
- みなさまのご意見をお聞かせください
-
更新日:2023年09月29日