奥州羅針盤(5年5月)
今回は、先日Zホールで開催された六代目神田伯山独演会の講談の名調子を思い浮かべながら「コロナ明け」についてつづってみました。ご笑覧ください。
読者の皆さま方におかれましては、コロナの影が薄くなったことで、「チョイと飲みにでも行ってこようか」と鼻歌混じりで赤提灯に向かう面々も増えておることでしょう。これがホントの「鼻提灯」、てなことを言っているそこのお父さん、周りの衆は固まっておりますぞ(パンパパン、張り扇の音)。
思い起こせば令和5度目の5月8日、コロナウイルスが極道の身からカタギの身に移ったのでありました。これを境に、宴会の機会が増えた同輩もあちらこちら。開放感で酒量は増え、食欲は青天井。どうしてもカロリー過多の宴会料理は、中高年にとっては身に余る光栄で、体脂肪が増加気味。
かく言う私は、焼酎を飲み過ぎると食欲中枢がまひ。なんと、寝る前に「別腹」と自慢しながら麺類をツツツーと一杯。そこで女房の悲鳴! 「ああ、また巨大化! スーツがまた着られなくなる〜」と絶叫(パンパンパン)。
そこで自戒の念を込めた標語を一つ。「ちょっと待て、今日の別腹は明日の脇腹」。いやいや、もっと格調高いほうがいいと言って取り出したるは衣川に伝わる一首坂の逸話(パンパパン)。源義家のつもりで女房いわく、「衣のたてはほころびにけり」、それを聞いた私が安部貞任のごとく上の句を返す! 「年を経し糸の乱れの苦しさに」(パンパパン、パンパンパン)。
新渡戸稲造が紹介した高尚な逸話をこのような形で使ってしまったことをおわびしつつ、本日の講談調コラムはこれにて終了。お後がよろしいようで。
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更新日:2023年09月29日