奥州羅針盤(5年8月)
今年の夏は「うだるような暑さ」そのものですね。国連事務総長が、「地球沸騰の時代が到来」と宣言したのは、科学者が気象データを解析した上での結論のようです。
地球温暖化対策が叫ばれる中で、人力のみで運動し、環境汚染のないウォータースポーツが注目されています。海や湖でのカヌーやカヤックなどです。最近では、SUP(スタンド・アップ・パドルボード)の人気も高まっているようです。
胆沢ダム直下にある奥州いさわカヌー競技場で、今月ジャパンカップが開催されました。激流を下るワイルドウォーターとゲートをくぐりながらタイムを競うスラロームの競技が実施されました。ゲートを通過しないとペナルティタイムが加算されるスラロームは、パワーとテクニックと川の流れを読む力がバランスよく鍛錬されていないと優勝できません。表現を変えると、こぐ力とゲートへの対応力と流体分析力の三つの能力が強化されないと一流選手になれないということです。
厳しいなと思う一方で、日本人の強みも発揮できる分野かもしれません。リオオリンピックの銅メダリスト羽根田卓也選手がインタビューで「水の呼吸を読む」ことの大切さを語っていましたが、これはまさに日本人のお家芸です。急流の川の多い日本では、地元民は川面の様子から川底の流れを予測できる力を自然に養ってきました。その伝統の力が生かされるスポーツと思うと力が入ります。
ウォータースポーツの話題で涼しさをお届けしようと思っていましたが、「唇よ、熱く君を語れ」風のコラムになってしまい失礼しました。熱中症にお気を付けてお過ごしください(笑)

この記事に関するお問い合わせ先
- みなさまのご意見をお聞かせください
-
更新日:2023年09月29日