奥州羅針盤(6年6月)
今回は温泉に関する話題です。温泉はかけがえのない伝統文化で、日本人にとって心身共にリフレッシュできる最高のリゾートともいわれています。草津温泉や道後温泉では、温泉効果と落語の笑いの効果を組み合わせて免疫力向上をうたっています。道後温泉のある松山市の市長は、学生時代に落語研究会に所属していたようで、ご本人が高座に上がることもあるそうです。気分転換を図る独特な方法なのかもしれません。
「湯治」を科学的に分析する手法は、数々試みられてきましたが、ついに東京工業大学の山本直之教授(現在は、順天堂大学医学部教授)と奥州市の共同研究により科学的な証拠が見つかりました。奥州市の温泉を利用するボランティアの協力を得て各種臨床検査を実施したところ、温泉の効果は、「血管の柔軟性」が鍵だったことが明らかになりました。統計学的な解析で温泉効果を証明した日本で初めての快挙です(詳細は市ホームページID12958に記載)。
血管年齢という指標で見ると、温泉愛好者は温泉未利用者に比較して実年齢より2歳若返るデータでした。県別の平均寿命では岩手県は全国45位と苦戦していますが、単純に2歳の若返り効果を加えると全国トップに躍り出るというインパクトのある数字です。塩分控えめなどの食生活の改善と百歳体操、そして湯治の組み合わせで奥州市民の健康寿命はより改善されていくでしょう。
こうなると、奥州市の温泉を目指して旅する人が増えるかもしれません。JR東海の有名なキャッチコピー「そうだ 京都、行こう。」(句読点にご注目)を引用して、東北のニュアンスで伝えるとなると、「んだ 奥州、いぐべ。」だべが!

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更新日:2024年05月24日