奥州羅針盤(6年9月)
私は大学時代に、体育会のワンダーフォーゲル部(以下、WV部)に所属していました。山登り関係の部はスキー部、山岳部、WV部がありましたが、登山や川下り、岩登りなど活動範囲が広く、部員数の多いWV部の門をたたきました。登山経験がなかったので、しんどい登りは能面のような表情になり、山頂で一気に破顔するという経験を繰り返してきました。
初夏の大雪山系での強化合宿は、今考えるととても理にかなったものでした。「4泊5日程度の山行をこなせるリーダー力をつける」ことが目的で、1年目は上級生に精いっぱいついていく、2年目は隊列のトップに立ち正確な地図読みの技術を磨く、3年目はサブリーダーの役割をこなし、4年目はリーダーとしてメンバーを統率する力を養うという仕組みです。
その一方で、一緒に山登りを行う登山パーティの中では体育会系独特の上下関係はなく、共同装備(テント、コッフェル、燃料など)を誰のザックに入れるかはじゃんけんで決めていました。また、長期の山行では、悪天候のため終日テントの中で過ごすこともありました。しかし、その時にリーダーが話す人生論はとても愉快なものが多く、今でもOB会に皆が集まるのはそのせいかもしれません。
今年5月に、WV部の同期と後輩の16名が来奥し、奥州市内と周辺の観光を楽しんでいきました。この歳になっても学生時代の感覚で過ごせる仲間がいることは、とてもありがたいと改めて実感しています。
来年は、WV部創部70周年のイベントが開催されますので、約半世紀前の自分の姿を思い出しながら、北の大地を楽しんでこようと思います。

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更新日:2024年08月23日