奥州羅針盤(7年8月)

更新日:2025年07月24日

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   今月は、姉妹都市の静岡県掛川市を紹介します。日本のほぼ真ん中に位置し、人口は奥州市と同等ですが、人口密度は約4倍高い地方都市です。
   実は明治維新前後に、この地で精力的に展開されたのが報徳運動で、後に全国の多くの小学校に像が設置されていた二宮尊徳(幼名は金次郎)の教えを伝承しているまちです。時代背景を振り返ってみますと、二宮尊徳が亡くなったのは1856年でその翌年に後藤新平が生まれています。いわゆる西洋の合理的な考え方が広まってくる時代です。
   私が注目したいのは、戦後の経済成長期に、二宮金次郎の石像(またはコンクリート像)が全国の小学校に広まったことです。まきを積んだ「背負子」を背負い、書物を読みながら歩くのがカッコイイモダンな姿に見え、勤勉の象徴になったのはなぜでしょうか。
   あの像が都会生活への憧れを生み、地方にもランドセルが普及したという説はあながち嘘ではなさそうです。二宮金次郎がまきを積んで背負っていた背負子(オランダ語でランセル)から、現在のランドセルという言葉が生まれたとも言われています。
   戦後の時代背景の中で、勤勉・報徳の思想は、当時の日本を精神面で支え、国家が発展する上での潤滑油になったのかもしれません。
   今年2月の掛川市長の施政方針では、「(人口減少が進む)このような状況だからこそ、将来に向かってビジョンを描き、未来への投資を行う必要がある」と締めくくっています。未来を見据えた姉妹都市の発展を祈っています。
   次回は、海外友好都市の米国カリフォルニア州トーランス市を紹介します。

奥州市長倉成淳

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