定例記者会見(令和6年9月12日)
市長あいさつ
現在、市議会の定例会では決算審査を行っていますが、我々の方でも来年度の予算策定に向けて動き出しています。というのも、来年度から未来羅針盤プロジェクトの具体的な事業計画が進行するためです。官民連携を基本としていますが、当然市側の事業投資が先行します。具体的には、水沢市街地開発のメイプル再生や江刺市街地開発における市有地整備などがあります。これらの投資は単年度の決算だけでなく、中期的な事業計画として把握していただく必要があります。
奥州市の財政を会社に例えると、単独決算で600億円、連結決算で1000億円規模の親会社の財政に相当します。予算規模が大きい背景には、年間210億円程度の安定した農畜産物の生産額があります。また、工業におけるものづくり生産額は奥州市内だけで3400億円、県南集積地全体では1・8兆円となります。このような「稼ぐ力」を背景に、商業や観光業の活性化を進めていくことが現在のまちづくりの基本的な考え方です。そうしなければ、人口減少とともに衰退する街になってしまいます。
事業を進めると、コストは確実に発生しますが、利益は予測ベースになります。片方は着実に計算ができる一方、もう片方は予測に基づくものであるわけです。ただし、地方自治体の優位な点は、交付金の対象になれば早期に歳入が増えるという構造があることです。これは地方自治体ならではのメリットだと私は考えています。
そこでポイントとなるのが、市の現在の資金繰表、つまり財政調整基金の推移表です。現在のところ、令和18年まで災害対応経費などに必要な30億円を確保した健全な状態ですが、各プロジェクトが中間的な損益計算書に重なることがあります。それを踏まえた上で、リスクマネジメントを行うのが我々の仕事です。評価のポイントは、建てる・運営する・処分するというライフサイクルコストと、事業の収益や経済効果などのライフサイクルプロフィットをバランスよく考慮する必要があるということです。
現在進行している新医療センターの建設は、市の財政負担のレベルを議会に正しく理解してもらうためにも、試金石となると思っています。したがって、皆さんの意見を聞きながら慎重に進めていきたいと考えています。昨年度から始まっている水沢中学校の改築と給食センターの建設事業は、大規模な事業を検証する良い例です。この2つは、合わせると90億円の事業です。90億円の事業が市の財政にどのような影響を及ぼすのかは、令和6年度・7年度を見れば分かります。そのような肌感覚で、市の財政をより理解してもらうことが大切だと思っています。
ちょっと難しい話になってしまいましたが、本日の発表項目は公益的な活動に関するものが多いため、穏やかに取材していただければと思います。以上、よろしくお願いします。
発表項目
令和6年度奥州市地域公共交通シンポジウムの開催について
奥州市の公共交通の現状と課題を共有し、市民、公共交通事業者、行政とで将来の姿を考えるシンポジウムを開催します。
開催日時・場所
日時:令和6年9月15日(日曜日)10時~15時
会場:奥州市文化会館(Zホール) 展示室
内容
(1) シンポジウム(13時30分~15時)
【コンセプト】
これまで地域の公共交通を担ってきたバス事業者が運転士不足などを理由に、一部路線の運行から撤退する動きが相次いでいます。令和5年度に策定した第4次バス交通計画では、これまでどおり市の公共交通ネットワークの柱である『幹線-支線-地区内交通』の維持を目標に掲げていることから、ユーザー、事業者、地域の代表者を招いたシンポジウムを開催することにより、今後の公共交通ネットワークを持続可能なものとするために、それぞれの立場でどのような視点から、どういった取り組みを目指すべきかを考える機会とします。
【テーマ】『みんなで創ろう 地域の交通』
【プログラム】
- 事例発表(13時35分~14時05分)
1、ユーザーの視点から
『通学に欠かせないバス路線』県立水沢農業高等学校 生徒
2、地域の視点から
『利用者多数の地区内交通』米里振興会 事務長 竹内美紀氏
- 奥州市の公共交通DXの取り組みについて(説明)
- パネルディスカッション(14時15分~15時)
公共交通の未来、“自分たちで創る公共交通”をテーマに意見交換します。
コーディネーター
NPO法人いわて地域づくり支援センター 常務常務理事 若菜千穂氏
パネリスト
- 県立水沢農業高等学校生徒
- 米里振興会 事務長 竹内美紀氏
- 株式会社野口 代表取締役 佐藤幸弘氏
(2) 展示・イベント(10時~15時)
- 交通系ICカードの周知・販売
- バスのICカード利用体験教室 兼 路線バスによるミニツアー(同日開催の奥州秋まつり会場とのシャトル運行)
- レトロ路線バス写真パネル展示 など
(3) その他
岩手鉄道模型仲間の会「鉄道フェスタ2024」と同時開催
問い合わせ
政策企画部政策企画課公共交通対策室(34-2383)
生成AIの業務活用について
利用する生成AI
ChatGPTを利用した生成AIサービス
「NICMA(ニックマ)for LGWAN」
提供元:日本情報通信株式会社
利用対象者
全職員(会計年度任用職員を含む)約1600人
導入までの経過
令和5年度
一部部署において試行利用
令和6年度
5月 DX推進リーダー向け使い方研修(計3回、延べ78名参加)
6月 「生成AIガイドライン」「生成AIガイドブック」策定
7月 DX推進リーダー・一般職員向け業務活用研修(計2回、延べ67名参加)
8月 管理職向け使い方研修(43名参加)
「NICMA」の特長
LGWAN(総合行政ネットワーク)上で動作
インターネットを経由せず、行政専用のネットワーク上で動くので安心・安全です
AIに学習されない
入力された情報を残さないため、AIの学習(情報収集)には利用されません
使いやすい仕組み
よりよいプロンプト(指示文)を職員間で共有できるため、効率的な利用ができます
業務への活用例
- 文章作成の補助
- 文章の要約や校正
- 企画案作成時のアイデア出し
- アンケートの分類や集計
- Excel関数やマクロの作成
問い合わせ
総務部行革デジタル戦略課(34-2194)
質疑応答
『秋の平安ロケツーリズム』事業の開催について
令和6年に展開している「平安ムーブメント」事業のうち、大河ドラマ「光る君へ」の盛り上がりに合わせて「秋の平安ロケツーリズム」事業を開催します。
企画展「平安貴族の暮らしと文化展」
期間 令和6年9月14日(土曜日)~11月4日(月・祝)
会場 歴史公園えさし藤原の郷 “天空館”
内容
- 平安貴族の暮らしパネル
- 平安装束のミニチュア人形
- 平安かなの書「源氏物語」(根本知作)
- 貝覆い「源氏物語の絵」 など
大河ドラマゆかりの地物産展
期間 令和6年9月14日(土曜日)~売り切り終了
会場 お休み処えさし藤原の郷売店にて特設ワゴン販売
内容
- 越前市、大津市、宇治市の物産品を特設ワゴンで販売(各市10品目程度を販売)
- 上記3市のパンフレット配架、ポスター掲示
大河ドラマ「光る君へ」パネル展&トークショーin奥州市
期日 令和6年10月5日(土曜日)15時開場、15時45分開演
会場 江刺体育文化会館
出演 三浦翔平さん(藤原伊周役)、内田ゆきさん(制作統括)
進行 山口瑛己アナウンサー(NHK盛岡放送局)
募集定員 500名(小学生以上・応募多数の場合抽選)
注:9月10日現在534名の応募あり
観覧申込 9月2日(月曜日)~9月15日(日曜日)
「書を楽しむ」in奥州市
期日 令和6年10月27日(日曜日)13時~15時
会場 えさし郷土文化館 研修室
講師 書家・根本知氏(「光る君へ」題字揮毫、書道指導)
内容 トークライブ、書道指導(各60分)
募集 50名(小学生以上・先着)
注:9月2日から募集中(9月10日現在50名の応募あり)
雅な文化を楽しむ~茶・華・香・楽・衣・味・遊~
期日 令和6年10月5日(土曜日)・6日(日曜日)
会場 歴史公園えさし藤原の郷、えさし郷土文化館
内容
茶:秋の茶会「宇治抹茶」を楽しむ
華:ちいさなフラワーアレンジメント
香:「練香」、「香のしおり」づくり
楽:お琴の音色に触れてみよう
衣:壺装束・狩衣
味:古代のチーズ「酥」、平安の菓子「唐菓子」つくり
遊:偏継大会、毬杖(ぎっちょう)など
地元文化:組みひも、螺鈿細工、勾玉 ほか
注:一部体験は要予約
その他 市内小中学生は10月5日(土曜日)・6日(日曜日)えさし藤原の郷、えさし郷土文化館の入場無料
秋の平安ロケツーリズム(チラシ)(PDFファイル:3.2MB)
問い合わせ
商工観光部商業観光課ロケ推進室(34-2343)
認知症月間の取り組み~国立天文台オレンジライトアップ~
期日
毎年9月は認知症月間 9月21日は認知症の日
オレンジライトアップ
期日・会場
期日 令和6年9月21日(土曜日)18時~20時
注:セレモニーの予定はありません(雨天決行)
会場 国立天文台水沢VLBI観測所
内容
市民に認知症への理解や関心を持ってもらうため、「国立天文台水沢VLBI観測所(アンテナ)」と「奥州宇宙遊学館」を、認知症のシンボルカラーのオレンジ色にライトアップします。
開催時間中は敷地内の散策が可能です。
取り組みの概要
この取り組みは、 「公益社団法人認知症の人と家族の会」が2013年に京都タワーのライトアップを始めたのを皮切りに、12年目を迎えました。今年は「世界アルツハイマー月間 ライトアップ2024」と題し、全国101か所(8月2日現在)で、岩手県内では当市を含め4か所(陸前高田市、盛岡市、遠野市)で取り組みます。
地域包括支援センターが、認知症理解のための取り組みについて市内の様々な機関に働きかけたところ、歴史的にも地域に親しみのある「国立天文台水沢VLBI観測所」「奥州宇宙遊学館」にご賛同いただき、 「公益社団法人認知症の人と家族の会岩手支部」との協働開催により、奥州市では初めてライトアップを実施できる運びとなりました。
「国立天文台水沢VLBI観測所」「奥州宇宙遊学館」からの発信により、子どもから高齢者までの幅広い世代の方が、認知症への理解や関心を持つきっかけとなります。認知症は誰でもなる可能性があるため、認知症を正しく理解することが、認知症になっても安心して暮らし続けられる地域づくりにつながります。このイベントは認知症の正しい理解をすすめる普及・啓発の機会となる取り組みです。
リーフレット 国立天文台オレンジライトアップ.pdf(PDFファイル:597.1KB)
問い合わせ
福祉部地域包括支援センター(0197-34-2199)
奥州市立幼保連携型認定こども園江刺ひがしこども園の開園について
江刺東地域において建築工事を進めておりました奥州市立幼保連携型認定こども園江刺ひがしこども園が間もなく完成し、10月1日に開園予定となります。
施設の概要
敷地面積:2,928・73平方メートル
園舎:鉄骨造平屋建 延べ床面積766・22平方メートル
利用定員:50人(1号認定3名、2号認定30名、3号認定17名)
保育室:5室(0歳児・1歳児室、2歳児室、3歳児室、4歳児室、5歳児室)
遊戯室:118・5平方メートル(ステージ部分含む)
職員室、子育て支援室、医務室、調理室、園児用トイレ、職員用トイレ、多目的トイレ、更衣室、図書コーナー、教材室
園庭:1,442・962平方メートル(うち未満児用園庭 127・941平方メートル)
事業費
園舎新築工事:約4億700万円
財源:過疎債、就学前教育・保育施設整備交付金
今後のスケジュール
10月1日(火曜日)供用開始
10月21日(月曜日)開園式
関連工事
外構工事その1(工期10月6日) 園庭、北側通路、駐車場側歩行者用通路
玉里保育所解体工事 (11月~2月施工予定)
外構工事その2 (令和7年度完成予定) 構内通路、駐車場整備
問い合わせ
健康こども部保育こども園課(0197-34-1635)
新型コロナウイルス感染症予防接種について
新型コロナウイルスワクチン接種は、令和5年度まで生後6ヶ月以上の市民を対象とした特例臨時接種として実施していましたが、今年度からは65歳以上の高齢者等を対象とした定期接種となり、10月から接種を開始します。
接種対象者
- 65歳以上の方
- 60歳以上65歳未満で、心臓、腎臓、呼吸器の疾病又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害を有するため身体障害者手帳1級の交付を受けている方
接種期間および接種回数
期間 令和6年10月1日~令和7年3月31日
回数 1回
接種場所
各医療機関(対象者への通知にも記載)
(別紙)医療機関一覧.pdf(PDFファイル:121.4KB)
接種料金(自己負担金)
3,500円
ただし、生活保護受給者及び令和6年度市民税非課税世帯の方は無料となります。
対象者への通知方法
9月下旬に接種券(はがき)を送付します。
予診票は個別送付せず、医療機関に備え付けとなります。
予防接種の受け方
接種を希望する方は、体調の良い時に、接種券(はがき)に記載の医療機関に各自予約のうえ、接種を受けてください。
その他
- 接種日時、接種場所の割り当てはありません。
- タクシーなどの運賃の助成はありません。
- 定期接種対象者以外の方(65歳未満の方で障害の要件に該当しない方)が接種する場合は任意接種となり、接種費用は全額自己負担となります。
注:国では接種費用を15,300円程度としていますが、医療機関によって異なります。
問い合わせ
健康こども部健康増進課(34-2905)
質疑応答
自由懇談
Q:9月28日からアメリカのトーランス市へ出張される予定ですが、今回の訪問に対しての期待がありましたら改めてお伺いします。
A:今回は市同士だけではなく、向こうの農産業団体や日系企業の団体、それから農業のビジネスチームなど、さまざまな団体とお会いします。そのためこちらも両JAや商工会議所のメンバーも一緒に行くことになっています。ですから、彼らが期待しているビジネス交流と我々がやろうとしているビジネス交流が同床異夢にならないよう、具体的な枠組みを決める場にしたいと思っています。
今回の訪問の後に第二陣として若い人たちが行くような形になったときに、いろんなビジネスチャンスを見つけられるような場になれば良いと思っています。
Q:オーストラリアに輸出した市産米について、その後どのような反応があったか伺います。
A:非常に好評で、11月にプロモーションする人間を派遣しなければならないと考えていたのですが、もう追加オーダーが来ました。それだけではなくて、おにぎり店からも「1年で20トン使うから調達してほしい」という話も出ています。やはりオーストラリアでは日本食がどんどん増えているようです。そこで、実は今回取り引きした某大手の商社は、営業マンを1人つけてくれるそうです。我々が送り込まなくても、その営業マンがいろいろやってくれます。なぜそうなるかというと、やはり、プロダクトだと思います。奥州市産米のひとめぼれが、非常にマッチしたということだと思います。プロモーションの一つのきっかけができ、それを押すことでオーストラリアへの米の輸出は増えていくと思います。
ただ、新米の価格高騰が課題です。ですが、オーストラリアでは5キロ50ドル(約5000円)で販売しており、高いランクの米として売れています。高価格帯として認められているというのは強みだと思っていますし、今後も継続して輸出できそうです。
アメリカへの輸出はどうするかという課題も出てくると思いますが、そのためにも今回JAと一緒にアメリカへ行きます。もうすでにアメリカのスーパーでも奥州市産米が販売されており、さらなる拡大策を考えています。
米の品薄の懸念もありますが、農水省では新米が出たら解消すると予測しているようです。新米が豊作であれば、ある程度問題は解消するのではないかと思っています。
Q:大谷翔平選手の活躍が止まらず、今月末には50-50を達成するかもしれないと言われていますが、記録を達成した場合、市として何か考えているか伺います。
A:本当にすごい記録で、また劇的に最終打席で達成したりするのではないかと思っていますが、(達成したら)横断幕はやります。ただ、例えば名誉市民などと言っても大谷選手は断るというのは分かっていますし、やはり今までの応援団のスタンスと同様に継続して応援していくことが重要だと思っています。
ワールドシリーズに出場したら、またパブリックビューイングで応援したいと思っていますが、まだ未定です。
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更新日:2024年09月13日