定例記者会見(令和7年4月9日)
市長あいさつ
今年度から、記者会見は11時から開始となりました。昨年の懇談会で調整を希望する声があり、実現できて大変嬉しく思っております。
本日は、令和6年度下半期のレビューを行います。
取り組みの基本方針は、「まちづくり」、「仕事づくり」、「ひとづくり」の三位一体となります。まちづくりと仕事づくりは官民連携を基本としており、ひとづくりについては、これまでのプログラムに加えて、首都圏在住の若者を対象としたプランやトーランス市との友好都市協定を活用するプランなど、エッジの効いた施策を展開しております。
また、奥州市のまちづくりの全体像を未来羅針盤図に表現しましたが、こちらは国の交付金を獲得する上で非常に有効であり、第2世代交付金を2件獲得することができました。これにより、2つのプロジェクトの財源の目途が立ち、奥州湖周辺エリア開発や伊手地区の小さな拠点づくりの取り組みが加速することになります。
今回の記者会見は8件の発表項目がございますので、長丁場になるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
令和6年度下半期重要施策の定期報告について
(1)未来羅針盤プロジェクトについて
1.【地域医療奥州市モデルプロジェクト】新医療センターの整備について
地域医療の現状について共通認識を図り、新医療センターについて市民理解を深めるため、2月にシンポジウムを開催しました。アンケート結果から、一定程度、市民理解を深めることができたと捉えています。今後、市民説明会の開催やパブリックコメントの実施を経て基本計画の策定を目指してまいります。
【地域医療奥州市モデルプロジェクト】新医療センターの整備について(PDFファイル:356.5KB)
2.【未来型公共交通プロジェクト】AIデマンド等の取り組み
デジタル技術を活用した、利便性の高い公共交通システムの導入を進めました。
まず1つ目は、交通系ICカードによる決済システムの導入です。並行して、JR東日本にもSuicaの使用が可能となるよう要望しています。
2つ目は、デジタルサイネージの設置です。市内3ヶ所へ設置し、最新の情報を提供できるようになりました。
3つ目は、AIデマンド交通の導入です。こちらは、自動運転やライドシェアといった次世代の公共交通システムに繋がっていくと考えています。
質疑応答
Q:今後、AIデマンド交通やバス路線を増やしていくのか、車での移動をしてもらうのか、どちらをお考えか伺います。
A:公共交通のみで完結することは難しいと思います。自動運転やライドシェアなどの先進事例を参考に、この地域に最も適した方法を探っていきたいと考えています。
3.【奥州湖周辺エリアプロジェクト】奥州湖周辺エリア活用整備構想実現に向けた取り組み
アウトドアツーリズムの拠点施設として、奥州湖交流館の再整備を進めています。第2世代交付金を活用しながら改修工事を実施するものです。官民連携による推進体制の構築については、サウンディング調査や設立準備会を開催し、観光物産協会や商工会議所の支援を受けながら進めていく予定です。この施設は、上級者向けのものだけではなく、高校生や陸上関係の合宿など、幅広いユーザーに利用されることを目指します。
【奥州湖周辺エリアプロジェクト】奥州湖周辺エリア活用整備構想実現に向けた取り組み(PDFファイル:521.8KB)
4.【水沢市街地エリアプロジェクト】メイプルの活用について
令和6年12月に業務委託契約を締結し、運営事業会社の設立やテナント確保等の準備を進めてきました。1月から実施したトライアル活用事業は計5回開催し、水沢市街地の賑わい創出を図ることができました。今後は、子どもを楽しませる取り組みのほか、高齢者の健康維持・健康寿命の延長を目的とした施設として、メイプルの活用を進めていく予定です。
質疑応答
Q:メイプルのトライアル活用事業については、出展者や来場者から高い評価を得たというお話でしたが、近隣の商店街への効果について伺います。
A:メイプルへの来場者数や周辺への波及効果については、スマートフォンのデータを使って調査を行っています。また、アンケートで来場者の動きを把握しており、現在集計を行っているところです。具体的にどの店舗にどのような影響を与えたかは把握できておりませんが、今後もデータ収集を行い、波及効果を確認してまいります。
5.【江刺市街地エリアプロジェクト】市街地エリア開発基本計画の策定について
開発コンセプトを「“踊るように暮らす”ふらっと寄りたくなる居場所」として、公共機能と民間機能の両方を併せ持ち、多世代交流を実現するエリアとしてにぎわいを創出しつつ、新たなビジネスチャンスを生み出し、飲食を楽しめる環境を提供する予定です。基本計画に着手し、投資効果や官民連携の形を模索しながら進めてまいります。
質疑応答
Q:開発対象エリアは江刺総合支所周辺とのお話でしたが、具体的にどのような場所を想定されているのか伺います。
A:江刺総合支所周辺には、大通り公園や蔵町モールがあり、工業団地や学校も近くにあります。エリアとして、どのように拡張すれば賑わいに繋がるか検討してまいります。また、水沢江刺駅との連携が重要になりますので、こちらも併せて検討してまいります。
6.【小さな拠点づくりプロジェクト】旧伊手小学校活用に向けた取り組み
拠点整備事業に活用するため国に申請していた第2世代交付金の交付が決定し、複合施設の管理運営団体となる伊手のまちづくり法人「(一社)いであい」が設立されました。今後は、改修工事を進めながら、伊手地区センターの移転や複合施設の事業展開に向けて、市と地域とで協議を重ねていきます。
【小さな小さな拠点づくりプロジェクト】旧伊手小学校活用に向けた取り組み(PDFファイル:434.3KB)
(2)奥州市産米の輸出について
JA江刺の協力を得て「ひとめぼれ5キロパック」をオーストラリアに輸出しました。国内では米の品薄状態や価格上昇により、国内流通を優先する見方もありますが、国の方針や今後縮小が見込まれる国内需要を見据え、輸出ルートをより強固にするために取り組みを進めます。
質疑応答
Q:追加で輸出をしたとのことですが、JA江刺や生産者のリアクションについて伺います。
A:引き続き輸出のルートは確保していきたいとのことで、昨年、JA江刺さんも実際に現地へ行って情報収集を行っているところです。米価は高くなっていますが、生産者にとっては、輸出に回しても国内で販売しても大きな影響がないものです。
Q:オーストラリアでの販売は、国内での販売より米価が高くなるのでしょうか。
A:通関や向こうに送る経費が上乗せになっている部分はあるかと思いますが、国内に回すお米を輸出しているので、基本的には単価は変わりません。
Q:輸出により利益が増えるというわけではないのでしょうか。
A:輸出先での評価が高まり、もう少し高価で取引できるようになれば利益が増えるかもしれませんが、現状では国内の米価の方が高くなっているので、輸出と国内販売で大きな差はないと認識しています。
(3)総合計画大綱別の主な取り組みについて
大綱1 「おうしゅうたろう」の活用状況について
「おうしゅうたろう」は市民から愛されるキャラクターに成長し、市民や企業とのコラボレーションの数も順調に増加しています。今後は、キャラクター自身の設定やエピソードを市の魅力と戦略的にリンクさせながら発信し、企業等での新たな商品開発なども含めた利活用を進めてまいります。
「おうしゅうたろう」の活用状況について(PDFファイル:381.4KB)
大綱2 ICT支援員の配置について
令和6年度2学期からICT支援員3人による小中学校への訪問支援を実施しています。支援ツールの活用普及や操作技術の向上のため、令和7年度も引き続き事業を実施してまいります。
ICT支援員の配置について(PDFファイル:381.4KB)
大綱3 産後ケアの拡充について
民間事業者や他市町村が実施する産後ケアを利用する際の利用料を助成することで、里帰り先や市外等での産後ケア事業が利用できるよう新たに助成制度を創設しました。また、市内の宿泊施設を利用して、民間助産師及び市助産師が日帰りケア事業を実施することで受入れ枠を拡大するとともに、病院での利用に抵抗感がある方が利用しやすい環境づくりを行いました。
大綱4 コメ輸出による新たな販路開拓について
「(2)奥州市産米の輸出について」で説明があったとおり、JA江刺の協力を得て「ひとめぼれ5キロパック」をオーストラリアに輸出しました。
コメ輸出による新たな販路開拓について(PDFファイル:213.7KB)
大綱5 地球温暖化対策・再生可能エネルギー活用の推進について
GX推進室を設置し、庁内横断的な意識醸成の促進のため、管理職向け研修会を開催したほか、市保有施設等に係る太陽光発電導入可能性調査を実施しました。今後は、調査により判明したポテンシャルの活用を次期環境基本計画に位置づけ、庁内関係課と協力し具体化の検討を行ってまいります。
地球温暖化対策・再生可能エネルギー活用の推進について(PDFファイル:431.2KB)
大綱6 水沢公園を活かした魅力あるまちづくりに向けた取組み
開園150周年を迎える水沢公園の更なる魅力アップや未来への継承に向けた再整備のため、公園再整備構想の検討を進めています。今後は、ワークショップを開催し、パークPFI可能性調査を行いながら、令和8年3月を目標に水沢公園再整備構想の策定を予定しております。
水沢公園を活かした魅力あるまちづくりに向けた取組み(PDFファイル:431.2KB)
発表項目
(1)市制施行20周年記念式典等の開催について
市制施行20年の歩みを確認し祝賀する場として、記念式典及び祝賀会を開催します。記念式典及び祝賀会は11月29日に開催を予定しております。
関連事業として、「広報おうしゅう」での特別企画、きらめきマラソンでの副賞授与、花火大会での協賛を予定しています。また、20周年記念ロゴマークの作成を行いました。市民の皆さんと一緒に、20周年を盛り上げていきたいと考えています。
市制施行20周年記念式典等の開催について(PDFファイル:384.1KB)
(2)令和7年度奥州市協働のまちづくりアカデミー(第11期)受講生募集について
本事業は「協働のまちづくり」を推進する担い手の育成などを目的に実施しているものです。今年度は、ファシリテーション技術や事業の企画立案、起業について学ぶことができる講義などを新たにカリキュラムに追加しました。前回は2名の高校生に参加いただきましたので、今回も是非若い方々にご参加いただければと思います。
令和7年度奥州市協働のまちづくりアカデミー(第11期)受講生募集について(PDFファイル:508.2KB)
(3)令和7年度奥州市市民提案型協働支援事業補助金の提案受付について
当補助金は、市民公益活動団体が行う意欲ある活動を推進し、活力のある豊かなまちづくりの創造を目指すため、市民公益活動団体の活動資金の補助を行うものです。事前相談は3月18日から受け付けており、現時点で3件、金額として50~60万円の規模となっています。
令和7年度奥州市市民提案型協働支援事業補助金の提案受付について(PDFファイル:256.2KB)
(4)乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)の実施について
全ての子育て家庭に対し、月一定時間までの利用可能枠の中で、就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)が創設されました。
令和7年度に、子ども・子育て支援法に基づく地域子ども・子育て支援事業として制度化し、実施自治体の拡充を図った上で、令和8年度からは、同法に基づく新たな給付として全国の自治体で実施されることとなります。当市では、安心して子どもを産み育てられる環境づくりのため、令和7年度から事業を開始するものです。
乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)の実施について(PDFファイル:346.9KB)
(5)新医療センター市民説明会の開催について
昨年8月に公表した新医療センター基本計画中間案の修正点を中心とした市民説明会を開催します。市長も出席し、これまでの市民の声に対する市の考え方を説明します。
新医療センターの必要性や中間案の修正内容のほか、整備場所や市全体の財政状況についても説明します。事前説明動画も公開中で、市民説明会に先駆けて公式ホームページでも情報を提供しています。また、説明会当日はYouTubeでライブ配信も行う予定です。
質疑応答
Q:中間案の修正案は既に公表されていますでしょうか。
A:まだ公表しておりません。市民説明会でいただいた意見を踏まえて修正案をまとめ、それをもってパブリックコメントを実施したいと考えております。
Q:市民説明会にて、新医療センターの必要性について説明するとのお話がありましたが、なぜ必要であるか市長の考えを伺います。
A:少子高齢化が進む中で、慢性疾患や介護に対する医療の需要が増加していますが、現在の医療体制はそれに対応できる状況ではありません。そのため、新しい機能をもった医療センターが必要となります。多機能型の医療センターとして、地域医療のニーズに合った体制を整えることが重要であると考えます。
Q:シンポジウムや説明会では厳しい声もあったかと思いますが、市民説明会はどのような姿勢で臨まれるのか伺います。
A:医師確保の問題など、論点を明確にしながら修正内容をお伝えしたいと思っています。コミュニケーションを取りながら、地域全体で持続可能な地域医療に向けた体制を作りたいと考えています。
(6)奥州三大春祭りについて
奥州市の春の訪れを告げるお祭り「奥州前沢春まつり」「日高火防祭」「江刺甚句まつり」がいよいよ開催されます。また、市内の桜の名所で行われるイベントも順次開催される予定です。桜の花が咲き誇る中、奥州市の伝統と華やかさを存分に味わえる奥州三大春祭へのご来場を心よりお待ちしております。
(7)第41回前沢牛まつりの開催について
「前沢牛まつり」は、肉質日本最高峰を誇る前沢牛を販売し、会場で焼肉にして多くの方にご賞味していただく祭りです。出店やステージイベント盛りだくさんで開催します。
第41回前沢牛まつりの開催について(PDFファイル:194.9KB)
(8)おうしゅうたろうのイラストデザイン追加について
「おうしゅうたろう」のイラストデザインの追加を希望する声も増え、吉田戦車氏に依頼し、新たに44種類のデザインを追加しました。ホームページに新デザインを公開し、申請受付も開始しておりますので、引き続きご協力をお願いします。
質疑応答
Q:大きな成果を上げている「おうしゅうたろう」がまもなく誕生1周年を迎えますが、どのような感想をお持ちでしょうか。
A:素晴らしい成果を上げていると思います。活用方法は無限大で、奥州市のプロモーションのほか、受け入れやすい伝達方法としても活用できると考えています。デジタル時代に合わせて、更に発展していくことを期待しています。
※ふるさと交流課からのお願い
前回の記者会見において、大船渡市への災害寄附の代理受付について周知をお願いしています。現在の件数は57件で、金額にして972,000円の寄附が寄せられています。生活再建に向けてさらなる支援が必要です。寄附事業は募集や寄附証明書の発行などの事務が発生しますが、当市が代理で受け付けることで、大船渡市の負担を軽減できるものです。当市で活用しているのは、ポータルサイト「ふるなび」です。寄附金については、全額、大船渡市に寄付させていただきますので、皆様のご協力をお願いいたします。
自由懇談
Q:米の輸出について、今後は取引先を増やしていくのか、現在の取引先への出荷量を増やすのか、どちらを想定しているか伺います。
A:現在の取引先のまま、出荷量を増やすことを考えています。
Q:乳児等通園支援事業について、実施施設が4施設とのお話でしたが、今後は対象施設を増やす予定か伺います。
A:市内5地区ございますので、偏りがないように各地区に1施設以上は確保したいと考えています。現在の想定では、全体で8施設での実施を目指しています。
Q:新医療センターについて、最終的な基本計画の発表はいつ頃になるか伺います。
A:まずは、4月に実施する市民説明会の内容を踏まえて修正案を固めます。5月にパブリックコメントを実施し、意見を参考に最終案をまとめた上で、庁内で正式決定し、6月の定例会で設計に係る関連予算の提案をする予定です。ただし、市民説明会で多くの意見をいただく中で、スケジュールを見直す必要もあるかと思いますので、まだ確定はしておりません。
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更新日:2025年04月09日