水沢商業高等学校×奥州めぐみネット座談会が新春元旦号に掲載されます!(Presented by胆江日日新聞社)
岩手県立水沢商業高等学校の取組
岩手県立水沢商業高等学校の3年生は、課題研究として奥州市や岩手県の地域の問題・課題について、高校生の自分たちが出来ることは何かを考える活動を行っています。
今回、活動にSDGsの視点を取り入れようということで、イベント活動等においてSDGsに取り組んでいる奥州めぐみネットに学習サポートの依頼がありました。
9月には、地域課題に取り組む高校生をサポートするべく、高校×市民団体×行政(市)のパートナーシップでSDGs講演会を実施しました。
9月のSDGs講演会の様子は下記リンクをご覧ください
座談会
「若い世代の生の声」を取り入れて、身近な環境問題を考えるをテーマに元旦号を特集したいということで、胆江日日新聞社岩渕記者よりお話があり、今回の座談会が実現しました。
胆江日日新聞社の岩渕記者の進行で会がスタート!!
座談会メンバー紹介
水沢商業高等学校(水商生)3年生
水沢商業高等学校から、4名の生徒が参加してくれました。
(左から商業科3年 山口萌音(もね)さん、千葉愛加(まなか)さん、会計ビジネス科 齋藤悠菜(ゆうな)さん、佐々木美乃(よしの)さん)
これまでの課題研究への取組についてや活動を通して感じたことについて、真剣な眼差しで話す姿がとても印象的な皆さんです。
奥州めぐみネット
奥州めぐみネットからは、2名が参加。
(左から若生和江代表、一般財団法人 水沢環境公社より高橋透氏(資源循環分野運営委員))
高校生の意見を優しく受け止め、気付いたこと・知ってほしいことについてアドバイス。若生代表は、高校生が知らないであろう地元のいいところ(人・物・企業)などを実際に商品を持って来て紹介しました。高橋透委員の胸元には「SDGsバッチ」が光っていました。
課題研究の取組
水沢商業高等学校の4名の生徒は、「食品ロス」を研究テーマに取り組みましたが、テーマは同じでも課題解決への取組や協力企業はみな異なる形になりました。
- 自分たちの力だけではなく、自分たちで出来ないことも相手(パートナー)を探して実現しようとしていること。
- ぶつかった壁に対して、次へ次へと解決策を探していること。
- 1つの物事でも見方によって、切り口が違っていること。
上記の点が、とても素晴らしいと感想を述べ合いました。ぜひ、水商の活動を広めて、もっとつながる相手(パートナー)を見つけていって欲しいという話が出ました。
どのグループの取組も素晴らしいものですが、課題研究に取り組む中でまた新たな課題も出て来ています。
各グループの課題研究の取組と新たな課題は以下のとおりです。
山口 萌音さんグループ
「食品ロス」をテーマにスーパーマーケットでの廃棄と購入後の廃棄に着目して、取り組みを実施しています。スーパーマーケットでの廃棄については、総菜とベーカリーの廃棄が多いことがスーパーマーケットへの調査で分かりました。また、生徒の保護者を対象にアンケートを実施し、買い物時に陳列棚の奥(賞味(消費)期限が長いもの)から商品を選んでいる人が多いことを把握しました。
アクション
期限の短い商品を意識して購入する「手前取り」を啓発するポスターを作成し、スーパーマーケットに設置することを考えています。
購入後の廃棄を減らす取組としては、水商祭(文化祭)で28点の食品を集めて、農業協同組合のフードドライブに参加するという形で奥州市社会福祉協議会へ寄贈しました。
新たな課題
啓発ポスターの成果について、どのような方法で調べたらよいか。
千葉 愛加さんグループ
当初、「食品ロス」をテーマに調査を検討していましたが、調査対象にしようと打診した企業の「ロスのない経営を実施している」という回答から、方針を転換して「衣服ロス」について取り組むことになりました。
アクション
水商祭(文化祭)で古着の回収ボックスを設置し、来場者から紙袋2つほどの衣類を集めました。集めた衣服をリメイクして、高齢者施設へレクリエーションの道具やコースターなどとして寄付したいと考えています。
新たな課題
リメイク品として、レクリエーションの道具やコースター以外に何か作れるものはないか。
齋藤 悠菜さん・佐々木 美乃さんグループ
2年生時に販売実習(ござえんちゃハウス)を経験。市内ホームセンターの産直市場に常設コーナーがあるが、どうしても売れ残りが出ることが気がかりで、今回、「食品ロス」をテーマに売れ残ったものをどうするかと売れ残らないようにはどうするかという観点から取組を実施しています。
アクション
回収後捨てることが多かった賞味期限切れの商品を引き取ってくれる団体(NPO法人)へ乾麺や瓶詰商品、調味料など110点を寄贈しました。
校内の購買コーナーが休みの日に市内スーパーマーケットと協力して、賞味期限間近な商品を校内で販売する活動、店舗の値引きコーナー商品にSDGsをモチーフに作成した啓発シールを張る活動を予定しています。また、野菜コーナーに長期保存方法について掲示予定です。
新たな課題
今やっているSDGsの活動を自分たちの代だけで終わらせるのではなく、次の世代の在校生にも続けていってもらいたいが、どのようにしていけばよいか。
奥州めぐみネットからは、新たな課題に対して「作って寄贈する」のではなく「一緒に作る」体験を取り入れる案や1度実施したアンケート調査を活かした調査方法の仕方等、大人世代だからこそ”分かる””見える””生まれる”案を提案しました。
今回行った活動を、次の世代へSDGsのアイコンに紐づけして蓄積していくことで「水沢商業高等学校としての魅力」が見えてくるはず。そして、その魅力を売りにどんどん地元企業等とつながってもらいたいです。
SDGsを身近に…
課題研究に取り組む中で、身近に感じることができるSDGsのターゲットと、「ジェンダー」や「平和と公正」「パートナーシップ」など目標は理解出来ても実際にどんなアクションをしたらよいのか分からないターゲットがある、という話が生徒から出されました。
「もっとどんなアクションをしたらよいのか、自分に関係ないと思わないように分かりやすい事例やSDGsを紹介してくれるものがあればいいなぁ…」と話す4名。
高橋透委員は、男女平等の観点から生徒会の役員構成等の事例を出し、実際すでにやっていることの中にSDGsに繋がることもあり、パートナーシップなども国家間レベルの話だけではなく、課題研究の中で企業と共同して活動したことも含まれるのだということを生徒さんに気付かせていました。
また、若生代表は、ターゲットは関連しているため、1つのターゲットを達成するために活動していたことが、実は別のターゲットの達成のための活動でもあったということがたくさんあるので、先ずは関心を持つというのが大切ではないかと話しました。
自分たちの課題研究の取組を「2飢餓をゼロに」「12つくる責任、つかう責任」に関連付けていた水沢商業高等学校の生徒さんは、今回の座談会で他のターゲットにも寄与していることに気が付いたようです。
そして、「より身近に感じられるSDGsを…」という話から、市が今年11月に発表した奥州市版SDGsについて紹介させて頂きました。
国際版SDGsをより身近な内容に落とし込んだものになっているため、水沢商業高等学校の生徒さんにもぜひ国際版とあわせて利用してもらいたいです。
SDGsをきかっけに広がる輪
SDGsをきっかけに高校生が地元の人・団体・事業所などと繋がり、今ある地元の良さを知ってもらったり、これからの地元について考えたりしてくれることは奥州市にとってとても良いことです。
これからの未来を担う子どもが懸命に取り組んでいる姿を見ることで、心が動かされる大人はたくさんいます。
課題研究のみで終わることなく、どうか卒業後も別の形で構わないのでSDGsの取組を続けてもらいたいです。
奥州めぐみネット・市は、活動のヒントになるつながり(人や団体)や場(イベント活動等)の情報提供等サポートを継続します。
新春元旦号の掲載が楽しみです!
今回の活動とSDGs
【17 パートナーシップで目標を達成しよう】【17 みんなが「つながる」まちづくり】


胆江日日新聞社様の企画により、座談会を実施。高校生と奥州めぐみネット(市民団体)が繋がりました。互いの取組や考えについて情報の交換や理解をすることで、これからの奥州市のまちづくりへのヒントが生まれます。
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更新日:2023年09月29日