【県立水沢工業高等学校 第5弾】「SDGsキーホルダーをつくろう!」量産開始!!
いよいよ鋳造に挑戦します!
県立水沢工業高校機械科3年生の菊地さんをリーダーとするグループは、これまで奥州市版SDGsのシンボルマークをモチーフにしたキーホルダーの製作に取り組んできました。
前回、稲瀬わかば園の皆さんから、その材料となる空き缶をいただくことができたので、今回、その空き缶を溶かして、いよいよキーホルダーの立体化と量産を開始しました。
これまで水沢鋳物工業協同組合さんや株式会社及富さんからの技術指導、株式会社ミズサワセミコンダクタさんにお手伝いいただいたキーホルダーの原型など、多くの方にご協力いただいた成果が、いよいよ結実します!
作業開始前
今回は、新聞社の取材の他に、IBC岩手放送のテレビカメラも取材で入ってます。
機械科の皆さんが整列して、点呼。松川先生のお話など、ピリッとした空気の中で行われました。
菊地さんのグループは、鋳造実習室に移動。
ここでもう一回、松川先生からお話しをいただき、いよいよ始まります!
素晴らしい直立姿勢です。テレビカメラが入って、普段の授業より緊張しているのは間違いない!?
作業開始
まず、型枠にキーホルダーの型を入れた状態で、鋳物砂を詰めていきます。
型は、下型と上型の二つ作ります。型に鋳物砂を詰めたあと、キーホルダーの型を抜いて空洞を作り、下型と上型の二つの空洞を合体させると、キーホルダーの表と裏の空洞が合体して一つ分の空洞が完成します。
ここに溶かしたアルミを流し込むと、キーホルダーができるという仕組みです。
木製の枠を運びます。この枠にキーホルダーの型と鋳物砂を詰めます。
まっすぐ…、真ん中に…、曲がらないように…。
ここに鋳物砂を詰めていきます。まずは「肌砂」。「ふるい」で砂を細かくして詰めます。
砂を細かくすることで、キーホルダーの型に砂が密着。型を抜いた後の空洞の精密性が増すとのこと。
「肌砂」を詰めた後、「裏砂」を詰めていきます。
砂を入れては突き、入れては突きを繰り返し、ぎっちりと詰めていきます。
きっちり詰め終わるとこうなります(型枠をひっくり返します)
余分な砂を「吹竹」で息を吹きかけて吹き飛ばします。
続いて「みきり」を行います。キーホルダーの型を取り外しても、砂が崩れないように、型の周囲を掘っていきます。
非常に細かい作業です。掘った後、余分な砂を吹き飛ばします。
続いて上型と下型が後で分離しやすいように「別れ砂」をまきます。
上下の型を合わせた後、「湯口棒」を差して、同様にキーホルダーの型の上に砂を詰めていきます。
「湯口棒」を抜いた穴は、後で溶かした金属を流し込むためのものです。
さらに、金属を流し込んだ時に深く、細かく流れ込むように空気穴を作っていきます。
湯口棒を取り除いた跡に、金属を流し込む穴が完成しています。
この後、合わせていた型を一度はずし、中のキーホルダーの型を取り除くと、空洞が完成。更にバーナーで熱して砂の形状を安定させます。
湯道と湯だまりを成型して、キーホルダーの型を外します。
型を外した後の空洞は、かなり細かい模様もちゃんと再現されています!
バーナーで熱を加えます。もう、縦にしても砂が崩れることはありません!
型の完成です。中央には溶けたアルミが余った時に流し込む砂山を固めた場所も準備完了。
そして、いよいよ炉に火を入れて、アルミを溶かします。
使用する炉は、重油を燃料にする「重油炉」です。
今回材料となるアルミ缶は、およそ660度で溶けます。
材料のアルミ缶を投入します。
アルミ缶に含まれる不純物が燃え上がります。
40分ほどして、投入したアルミ缶が液状化しました。
これを「取鍋(とりべ)」で受け止めて、中が空洞になっている型に流し込みます。
「取鍋(とりべ)」
ハンドルを回すと、炉が手前に倒れてきます。炉の上部の穴から内部が少し見えますが、真っ赤です。
注ぎ終わりました!取鍋の中は、真っ赤なアルミでいっぱいです。
すぐに皆さんが作った型に流し込みます。
皆さん、注意深く丁寧に注いでいきます。
少し冷えて固まったら、型からキーホルダーを外します。
キーホルダーが見えてきました。まだ熱くて耐熱手袋をして作業します。取り出したばかりのキーホルダーからは湯気が立っています。
細かい部分に砂が詰まっているので、これを金ブラシで取り除きます。
きれいになったら、ひとまず今回の工程としては完成です。
この後、キーホルダーをばらして、一個一個手作業で仕上げと着色を行う予定とのことです。
今回の作業分も含めて、すでに200個以上出来ています。この中から、よりきれいに仕上がるものを選抜していく予定とのこと。
キーホルダーの周囲の出っ張りやでこぼこは後で整えます。
今回の作業はここまでです。キーホルダーの完成にもう少し頑張るとのことでした!
テレビ局のインタビューの中では、「製作の回数を重ねていく中で上達していくことに気づいた感動があったこと」「(少し目的を変えたリサイクルによって)出来上がる製品が人を喜ばせるということのうれしさ」などを答えていました。
水工の皆さんは、これまでの取組みの中で「自らの持つ可能性」を新たにいくつか掴んだようです!
また、「様々な立場の人との関わりが生まれた」ということについても、手応えがあった様子。
キーホルダーの完成までもうひと踏ん張り!
水工の皆さんは、稲瀬わかば園の子供たちの輝く笑顔を、果たして見ることができるのかどうか!?
今後の活動も期待されます!
★今回の活動とSDGs★
【9 産業と技術革新の基盤をつくろう】

【9 先端技術を活用できるまちを目指そう[奥州市版SDGs]】

第一線で活躍する鋳物の専門家や地元企業からいただいた伝統技術や先進技術を基に、実際の製作作業に取り組みました。
【17 パートナーシップで目標を達成しよう】

【17 みんなが「つながる」まちづくり[奥州市版SDGs]】

いろんな立場の人たちがつながって「思い」が形になりつつあります。まもなく生まれる子供たちの感動は、パートナーシップで生まれた努力の証。
環境学習や環境教育のサポートについて
市や奥州めぐみネットでは、環境学習のサポートを行っています。市内の企業、団体、地域コミュニティ、学校など興味のある方は、市生活環境課環境係(0197-34-2340(直通))までお問い合わせください。
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更新日:2023年09月29日