【県立水沢工業高等学校 第5弾】「SDGsキーホルダーをつくろう!」量産開始!!

更新日:2023年09月29日

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いよいよ鋳造に挑戦します!

 県立水沢工業高校機械科3年生の菊地さんをリーダーとするグループは、これまで奥州市版SDGsのシンボルマークをモチーフにしたキーホルダーの製作に取り組んできました。

 前回、稲瀬わかば園の皆さんから、その材料となる空き缶をいただくことができたので、今回、その空き缶を溶かして、いよいよキーホルダーの立体化と量産を開始しました。

 これまで水沢鋳物工業協同組合さんや株式会社及富さんからの技術指導、株式会社ミズサワセミコンダクタさんにお手伝いいただいたキーホルダーの原型など、多くの方にご協力いただいた成果が、いよいよ結実します!

作業開始前

 今回は、新聞社の取材の他に、IBC岩手放送のテレビカメラも取材で入ってます。

紺色のキャップに作業着を着用した高校生が2列に整列している様子をテレビカメラが撮影している様子の写真

 機械科の皆さんが整列して、点呼。松川先生のお話など、ピリッとした空気の中で行われました。

機械が並んでいる教室内で2列に整列した高校生と先生が向かい合ってお辞儀を行っている様子の写真

菊地さんのグループは、鋳造実習室に移動。

「鋳造実習室」と書かれた教室札をアップで撮影した写真
紺色のキャップに作業着を着用した高校生が横長のテーブルの上に置かれた椅子をおろしている様子の写真

ここでもう一回、松川先生からお話しをいただき、いよいよ始まります!

2名がけの横長のテーブルの傍に立っている高校生が松川先生と向かい合っている授業開始の様子の写真

素晴らしい直立姿勢です。テレビカメラが入って、普段の授業より緊張しているのは間違いない!?

作業開始

まず、型枠にキーホルダーの型を入れた状態で、鋳物砂を詰めていきます。

型は、下型と上型の二つ作ります。型に鋳物砂を詰めたあと、キーホルダーの型を抜いて空洞を作り、下型と上型の二つの空洞を合体させると、キーホルダーの表と裏の空洞が合体して一つ分の空洞が完成します。

ここに溶かしたアルミを流し込むと、キーホルダーができるという仕組みです。

長方形の型枠を積んで持ち上げようとしている高校生の写真
砂山の周囲に型枠が無造作に置かれている写真

木製の枠を運びます。この枠にキーホルダーの型と鋳物砂を詰めます。

木製の枠の中にキーホルダーの型と鋳物砂を詰めている様子の写真
砂山の周囲で男子学生が木製の枠にキーホルダーの型と鋳物砂を詰める作業を行っている様子を左側からテレビカメラで撮影している写真

まっすぐ…、真ん中に…、曲がらないように…。

ここに鋳物砂を詰めていきます。まずは「肌砂」。「ふるい」で砂を細かくして詰めます。

男子学生が木製の型枠に置いたキーホルダーの型の上から砂をふるいを掛けて詰めている様子の写真

砂を細かくすることで、キーホルダーの型に砂が密着。型を抜いた後の空洞の精密性が増すとのこと。

「肌砂」を詰めた後、「裏砂」を詰めていきます。

砂山の周囲で男子学生が砂を詰める作業を行っている様子の写真
男子学生が木製の枠に詰めた砂を道具を使って突く作業を行っている様子を左側から撮影した写真

砂を入れては突き、入れては突きを繰り返し、ぎっちりと詰めていきます。

木製の枠にぎっしり詰めた砂の上下に道具を使って溝を作っている様子を上から撮影した写真
木製の枠にぎっしりつめた砂を道具を使って上から押している様子を後ろから撮影した写真

きっちり詰め終わるとこうなります(型枠をひっくり返します)

木製の枠にぎっしりつめた余分な砂を竹製の吹竹で息を吹きかけ吹き飛ばしている様子の写真
木製の枠に吹竹で息を吹きかけ余分な砂を吹き飛ばした後のキーホルダーの型がぎっしり詰めた砂で固められた写真

余分な砂を「吹竹」で息を吹きかけて吹き飛ばします。

続いて「みきり」を行います。キーホルダーの型を取り外しても、砂が崩れないように、型の周囲を掘っていきます。

木製の枠内にぎっしり詰めた砂で固められたキーホルダーの型の周囲を男子学生が道具を使って掘っているみきりの作業の様子の写真
木製の枠内にぎっしり詰めた砂で固められたキーホルダーの型の周りを道具を使って丁寧に掘りはじめたみきりの作業を行っている手元をアップで撮影した写真

非常に細かい作業です。掘った後、余分な砂を吹き飛ばします。

男子学生がキーホルダーの型の周囲を道具を使って掘ったあと竹製の吹竹で息を吹きかけ砂を吹き飛ばしている様子の写真
木製の枠内にぎっしり詰めた砂で固められたキーホルダーの型の周囲を道具を使って丁寧に掘っているみきりの作業を行っている男子学生の作業の様子を上から撮影した写真
木製の枠内にぎっしり詰めた砂で周囲を固めた中央のキーホルダーの型の周りを道具を使って丁寧に掘っているみきりの作業を行っている手元をアップで撮影した写真
木製の枠内にぎっしり詰めた砂で固められたキーホルダーの型の周囲を道具を使って丁寧に掘ったあと竹製の吹竹を使って息を吹きかけ砂を吹き飛ばしている様子をアップで撮影した写真

続いて上型と下型が後で分離しやすいように「別れ砂」をまきます。

木製の枠内にぎっしり詰めた砂で固められたキーホルダーの型の上に白い粉状の物が振りかけられている作業の様子を左側から撮影した写真

上下の型を合わせた後、「湯口棒」を差して、同様にキーホルダーの型の上に砂を詰めていきます。

「湯口棒」を抜いた穴は、後で溶かした金属を流し込むためのものです。

木製の枠内に湯口棒が差し込まれ、上から砂をふるいに掛けている作業の様子の写真
湯口棒が差し込まれた木製の枠いっぱいに砂が敷き詰められた上から男子学生が道具を使って穴をあけている作業の様子の写真

さらに、金属を流し込んだ時に深く、細かく流れ込むように空気穴を作っていきます。

湯口棒が差し込まれた木製の枠いっぱいに砂が敷き詰められた上から男子学生が細い道具を使って空気穴をあけている作業の様子を右側から撮影した写真
木製の枠に敷き詰められた砂に湯口棒を取り除いた穴と道具を使ってあけた4列の小さな空気穴があいている写真

湯口棒を取り除いた跡に、金属を流し込む穴が完成しています。

この後、合わせていた型を一度はずし、中のキーホルダーの型を取り除くと、空洞が完成。更にバーナーで熱して砂の形状を安定させます。

キーホルダー型が埋め込まれた表面が薄っすら白色になっている砂の中央に道具を使って溝を掘っている男子学生の写真
木製の枠を縦に置き、薄っすら白色になっているキーホルダー型の上から金槌で軽く叩いている作業の様子の写真

湯道と湯だまりを成型して、キーホルダーの型を外します。

型から外されキーホルダーが平たい板の上に置かれている写真
がっちり固めた砂にキーホルダーの形が写されている様子をアップで撮影した写真

型を外した後の空洞は、かなり細かい模様もちゃんと再現されています!

木製の枠を縦に置き男子学生が表面をバーナーで熱している作業の様子の写真

バーナーで熱を加えます。もう、縦にしても砂が崩れることはありません!

砂山があった場所の周囲に置かれた砂が敷き詰められた7つの木製の枠を男子学生が見ている写真

型の完成です。中央には溶けたアルミが余った時に流し込む砂山を固めた場所も準備完了。

そして、いよいよ炉に火を入れて、アルミを溶かします。

使用する炉は、重油を燃料にする「重油炉」です。

今回材料となるアルミ缶は、およそ660度で溶けます。

重油炉に火が入った様子を男子学生が見ている様子の写真
円柱に山型の頂上の排気口から火が噴出している重油炉の写真

材料のアルミ缶を投入します。

男子学生が重油炉の上から鍋に入ったアルミ缶を投入している様子の写真
排気口を横にずらし円柱の重油炉に鍋に入ったアルミ缶を慎重に投入している様子の写真
排気口を横にずらしアルミ缶を投入した重油炉から炎が噴き出し、男子学生が金属の棒でかき回している様子の写真

アルミ缶に含まれる不純物が燃え上がります。

40分ほどして、投入したアルミ缶が液状化しました。

これを「取鍋(とりべ)」で受け止めて、中が空洞になっている型に流し込みます。

表面が焦げ持ち手が長く作られた取鍋をアップで撮影した写真

「取鍋(とりべ)」

男子学生が奥のハンドルを回してアルミ缶を熱した重油炉が手前に少し傾き、もう一人の男子学生が取鍋を下に置いている様子の写真
アルミ缶を熱した重油炉が徐々に傾き、地面に置いた取鍋で受け止めようとしている様子の写真

ハンドルを回すと、炉が手前に倒れてきます。炉の上部の穴から内部が少し見えますが、真っ赤です。

アルミ缶を熱した重油炉が手前に傾き、取鍋の中央に向かって流し込まれている様子の写真
手前に傾いたアルミ缶を熱した重油炉が、男子学生が持ち手の先を握った取鍋に注ぎこまれている様子の写真
手前に傾いた重油炉から熱したアルミが取鍋に注ぎ終わった様子の写真
傾いた重油炉をハンドルを回して元の位置に戻している様子の写真

注ぎ終わりました!取鍋の中は、真っ赤なアルミでいっぱいです。

すぐに皆さんが作った型に流し込みます。

耐熱手袋をした男子学生が、砂山の周りに設置された木製の枠の中に取鍋に注ぎこまれた真っ赤に熱したアルミを慎重に流し込もうとしている写真
耐熱手袋をした男子学生が、砂山の周りに設置された木製の枠の中に取鍋に注ぎこまれた真っ赤に熱したアルミを流し込んでいる様子の写真
木製の型枠内に真っ赤に熱したアルミを取鍋を傾け注ぎこもうとしている様子をアップで撮影した写真
木製の型枠内に真っ赤に熱したアルミを取鍋を傾け注ぎこんでいる様子をアップで撮影した写真

皆さん、注意深く丁寧に注いでいきます。

木製の型枠に注ぎこまれたアルミが時間が経ち冷えた状態を上から撮影した写真

少し冷えて固まったら、型からキーホルダーを外します。

耐熱手袋をした男子学生が木製の型枠を縦に置き左手でペンチの様な道具を握っている写真
耐熱手袋を手にはめた男性学生たちが、砂山の上で木製の型枠を縦に置き、固めた砂を取り除いている様子の写真
砂山の上で木製の型枠から固めた砂を取り除いた作業を行っている男子学生たちの写真
固めた砂を取り除き湯気が立ったキーホルダーが取り出された写真

キーホルダーが見えてきました。まだ熱くて耐熱手袋をして作業します。取り出したばかりのキーホルダーからは湯気が立っています。

砂山で固めた砂を取り除きアルミで固まったキーホルダーが置かれている写真

細かい部分に砂が詰まっているので、これを金ブラシで取り除きます。

耐熱手袋を手にはめた男性学生がキーホルダーについている砂を取り除いている様子の写真
3名の男子学生がアルミで固められたキーホルダーの表面を金ブラシを使って砂を取り除いている様子の写真

きれいになったら、ひとまず今回の工程としては完成です。

この後、キーホルダーをばらして、一個一個手作業で仕上げと着色を行う予定とのことです。

今回の作業分も含めて、すでに200個以上出来ています。この中から、よりきれいに仕上がるものを選抜していく予定とのこと。

作業台の上に砂を取り除いたキーホルダーが並んでいる写真
手に持ったキーホルダーのおもて面をアップで撮影した写真
手に持ったキーホルダーの裏面をアップで撮影した写真

キーホルダーの周囲の出っ張りやでこぼこは後で整えます。

耐熱手袋をはめた6名の男子学生がアルミで象られたキーホルダーを量てで持って横一列に並んでいる写真

今回の作業はここまでです。キーホルダーの完成にもう少し頑張るとのことでした!

テレビ局のインタビューの中では、「製作の回数を重ねていく中で上達していくことに気づいた感動があったこと」「(少し目的を変えたリサイクルによって)出来上がる製品が人を喜ばせるということのうれしさ」などを答えていました。

水工の皆さんは、これまでの取組みの中で「自らの持つ可能性」を新たにいくつか掴んだようです!

また、「様々な立場の人との関わりが生まれた」ということについても、手応えがあった様子。

キーホルダーの完成までもうひと踏ん張り!

水工の皆さんは、稲瀬わかば園の子供たちの輝く笑顔を、果たして見ることができるのかどうか!?

今後の活動も期待されます!

★今回の活動とSDGs★

【9 産業と技術革新の基盤をつくろう】

「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」の文字と、L字型に置かれた3つの立方体の上にもう1つの立方体が置かれているイラストが描かれているSDGs目標9のアイコン

【9 先端技術を活用できるまちを目指そう[奥州市版SDGs]】

「先端技術を活用できるまちを目指そう」の文字と、ブラックホールとアンテナが描かれた奥州市版SDGs目標9のアイコン

 第一線で活躍する鋳物の専門家や地元企業からいただいた伝統技術や先進技術を基に、実際の製作作業に取り組みました。

【17 パートナーシップで目標を達成しよう】

「17.パートナーシップで目標を達成しよう」の文字と、5つの輪が重なって花の形のようになっているSDGs目標17のアイコン

【17 みんなが「つながる」まちづくり[奥州市版SDGs]】

「みんなが「つながる」まちづくり」の文字と、奥州市「協働のまちづ くり」シンボルマークが描かれた奥州市版SDGs目標17のアイコン

 いろんな立場の人たちがつながって「思い」が形になりつつあります。まもなく生まれる子供たちの感動は、パートナーシップで生まれた努力の証。

環境学習や環境教育のサポートについて

 市や奥州めぐみネットでは、環境学習のサポートを行っています。市内の企業、団体、地域コミュニティ、学校など興味のある方は、市生活環境課環境係(0197-34-2340(直通))までお問い合わせください。

この記事に関するお問い合わせ先

生活環境課 環境係
〒023-8501
岩手県奥州市水沢大手町1-1
電話番号:0197-34-2340
ファックス:0197-51-2374
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