絵物語 (10)国務大臣時代

更新日:2023年09月29日

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左上に取次の女性が後藤新平を見送る様子が描かれ、右下に再度桂公の玄関を訪れ物申す後藤新平と、ぽかんと口を開けている取次の女性が描かれているイラスト

 (絵:及川哲夫/文:『後藤新平小伝』等からの抜粋)

 明治41(1908)年、第2次桂内閣が成立し、新平は満鉄を管轄下に置くことを条件に逓信大臣に就任しました。

 ある時、尾崎行雄が桂公と会議の最中に「客が来たので5分待ってほしい」と中座したが、やがて帰って来て又10分とたたないうちに「後藤大臣が玄関に見えております」と取次がやって来ました。そこで尾崎が不思議に思ってたずねると、桂公は「こういう事は度々ある、あれはここを出て自分の官邸へ帰る途中、何か思い出すと戻ってきたりして、一日に3度も4度もやって来ることがある。その度毎に違った意見を持ってくるが、3つ4つの中に1つぐらい大変良いのがあるので毎回会うようにしている」と言って笑っていたそうです。

グレーの制服を着用した鉄道員が宿舎の高塀のそばに立っており、奥にある線路上には黒色の汽車が描かれているイラスト

 鉄道院の初代総裁となった新平は、国鉄マークをはじめ制服のデザイン制定などいろいろ業績がありますが、その中に夜通し働く鉄道員の宿舎を、周囲の雑音から閉ざして充分に休息がとれるよう高塀にしたり、国の輸送拡大に是非必要があると広軌論を提唱したりしました。小さな事から大きな事までよく気のつく人物であったことの証といえます。

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