絵物語 (11)東京市長時代

(絵:及川哲夫/文:『後藤新平小伝』等からの抜粋)
東京市長に着任した新平は、驚いた事にまず給料の値上げを要求しました。当時、年間2万円だったものを2万5千円にしろと言うのです。言われた方も驚きましたが、余りに強い要求なのでその通りにすると、早速支給された給料の全額と所得税の3千円も自腹を切って耳を揃えて市に寄付したという事です。
この寄付金は、当時東京市があまり行っていなかった社会教育費に充てられました。

人を採用する場合、後藤は常に「人間には鍛練が必要であるが、20貫の力しかない人にでもどしどし30貫の仕事を背負わせねばならない。そうして汗水流して苦労する事で、自然に30貫の力が養われるばかりではなく、仕事そのものもかえってうまくいくものである」と言っていたそうです。
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更新日:2023年09月29日