奥州市温泉機能検証・発信事業報告会を開催しました
令和5年度 奥州市温泉機能検証・発信事業報告会

焼石クアパークひめかゆを運営する株式会社ひめかゆにおいて、市の補助事業により、温泉入浴による血管の柔軟性改善への影響や動脈硬化リスク低減など、東京工業大学生命理工学院山本研究室と令和4年度から5年度の2年にわたり共同研究を実施しました。
実証実験では、40~70歳代のボランティア196名の協力をいただき、温泉入浴により血管年齢が2歳若くなるなどの検証成果がまとまりました。
令和6年4月20日に山本教授を招いた事業報告会を開催し、温泉の効能確認試験に関する結果が報告されました。
温泉の効能確認試験に関する結果報告
試験の目的
令和4年度に実施した温泉の効用実証試験において、継続的温泉入浴が血管の柔軟性改善に影響する可能性が示唆されたことから、5年度は加速度脈波測定による血管年齢に与える影響を評価し、温泉利用による動脈硬化リスク低減の可能性を評価します。
さらに、温泉利用と生活習慣や食生活との関係についても調査し、温泉入浴が日常生活とどのように関わっているのかについて考察を加えます。
試験概要
1 試験場所:焼石岳温泉 焼石クアパークひめかゆ
2 募集人数:年齢40-70歳代の健康成人(収縮期血圧150mmHg以下)計196名
・温泉高頻度利用者(H:週3回以上温泉利用者)約26名
・温泉中程度利用者(M:月3回以上温泉利用者)約88名
・温泉非利用者(L:月3回以下温泉利用者)約82名
3 試験期間:令和5年11月11日、18日、12月3日
4 試験実施者:東京工業大学 生命理工学院 山本直之 氏
試験内容
○食生活、生活習慣、体調などへのアンケート調査
・年代
・性別
・通常の温泉利用頻度
・薬の使用状況 (降圧剤、糖尿病薬、高脂血症薬)
・生活習慣(運動習慣、食習慣、生活習慣、仕事量)
・体調(睡眠、ストレス、体調、冷え性、関節痛、便秘、下痢)
○血管年齢、血圧測定
・試験場所:焼石岳温泉 焼石クアパークひめかゆ
アンケート調査結果
アンケートの調査結果は、次のとおりとなりました。
1 温泉高頻度利用者は、生活習慣病治療薬(高血圧、糖尿病、高脂血症)の使用頻度が低い傾向にある。
2 温泉高頻度利用者は、肉食と飲酒の食習慣頻度が高い。
3 生活習慣に関しては、温泉高頻度利用者で、早寝、早起きで、身体を普段から動かす習慣が多い傾向がある。
4 体調に関しては、温泉高頻度利用者で有意に良く、睡眠やストレスでの満足度が高い傾向で、冷え性の実感が少ない傾向にある。
血圧・血管年齢測定結果
血圧と血管年齢の測定結果から、次のことがわかりました。
1 温泉高頻度利用者は血管年齢が実年齢より有意に低く(約2歳)、血管が柔軟に維持され、動脈硬化のリスクが低い。
2 高頻度利用者は心拍数が有意に低く、心臓疾患のリスクが低い。
3 高頻度利用者の脈圧(SBP-DBP)は低頻度利用者に比べて脈圧が低値にあるものの、有意な差ではなかった。
温泉利用による健康への影響推測
温泉利用により、筋肉組織などの柔軟化により血管柔軟化が促進されることで、血流改善や代謝改善により、体調改善、冷え性、睡眠改善などが促進されます。その結果、活動的な生活が維持され、糖尿病などの生活習慣病リスクが低下すると推測されます。
温泉の効能確認試験に関する結果報告 (PDFファイル: 1.7MB)

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更新日:2024年04月30日