おうしゅう市議会だより第38号

更新日:2023年09月29日

ページID: 3597

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表紙

おうしゅう市議会だより第38号の表紙

CONTENTS 主な内容

  • 9月定例会のあらまし 2ページ
  • 一般質問 8ページ~17ページ
  • 私もひとこと 21ページ
  • 市民と議員の懇談会 22ページ
  • 発行日/ 平成27年10月22日
  • 発行/ 奥州市議会
  • 編集/ 奥州市議会広報編集委員会

定例会後 年4回発行

2ページ

おうしゅう市議会だより第38号 2ページ

平成26年度決算

総額904億4189万円を認定

一般会計584億559万円 特別会計320億3630万円

実質収支額は4億7218万円の黒字

9月定例会のあらまし

平成27年第3回定例会は8月28日から9月25日まで29日間の会期で開催し、報告7件、議案50件、発議案2件が提案されました。
一般質問には議員18名が登壇し、市長及び教育委員長等の考えを質しました。
議案審議では、「定住自立圏形成協定の締結」をはじめ、条例の一部改正や補正予算等を審議し、いずれも原案通り可決。平成26年度一般会計、各特別会計等の歳入歳出決算認定については、決算審査特別委員会を設置して集中審査し、原案通り認定しました。
また、発議案「奥州万年の森における太陽光発電事業の調査に関する議決」を賛成多数で可決し、地方自治法第100条に基づく調査特別委員会が設置されることとなりました。

万年の森残土問題 百条委員会を設置

発議案第20号太陽光発電事業の調査に関する決議案 賛成多数で可決 賛成17 反対9

提案理由

奥州万年の森における太陽光発電事業の取り組みを調査するため、地方自治法第100条第1項の規定により議長を除く議員全員をもって構成する奥州万年の森における太陽光発電事業に関する調査特別委員会を設置しようとするものです。

百条委員会ってなんですか?

地方自治法第100条に基づき設置されることから百条委員会と言われます。地方議会が自治体の事務に関して調査する必要があると判断した場合に設置する調査特別委員会です。 関係者の出頭と証言、記録の提出を請求できる調査権限があり、正当な理由がなく出頭を拒否したり、虚偽の証言をした場合は、禁錮や罰金などの罰則もあります。

提出者に対する質疑

質問

 当局も第三者機関を設置して調査をするとしているが、それをどう考えているのか。

回答

 当局は当局、議会は議会の立場で設置し、丁寧な説明を頂きたいと考えている。

質問

 普通の特別委員会ではなく、地方自治法第100条に基づく特別委員会を設置する目的は何か。

回答

 第三者に対して証言や資料の提出を請求出来る。強制力を持たせることで、市民に対する透明性を確保し、議会の説明責任を果たすことが出来ると考えている。

質問

 先に当局が調査をして、その結果に納得が出来ない場合に100条委員会を立ち上げるべきではないか。まずは当局の調査に委ねることが必要と考えるが。

回答

 考えの相違である。当局はこの件の補正予算を撤回したが、今後議会には諮らないとのこと。今回設置をしなければ、議会として発言や執行部側の考えを公の場で聞くことが出来ない。

質問

 調査事項を明確にすることが原則ルールではないか。具体的な課題は何か。

回答

 残土処理問題の経緯を市長・部長も今年の3月まで知らないという経緯や、公募のあり方が透明ではないこと。

反対討論

反対

議会の最後の手段としてどうしても踏み切らなければならない時に設置すべきものである。当局は第三者機関を立ち上げて調査すると言明しており、まずはそれを待つことが大事だ。その結果が満足でなければ、改めて100条委員会等の手立てをすべきである。

反対

平成26年度決算を認定しておいて、同年度にかかる事業に疑念があるとして本発議を提出することは、議会の意思決定のあり方として全く矛盾する。現時点で疑念ありと判断するものはなく、想像の範囲で軽々に設置することには反対である。

賛成討論

賛成

今回の目的は、行政のあり方や背景、事業を進める体制に問題はなかったのかを調査することであり、不正がどうのこうのではない。この間、納得のできないところが多々あり、今後の行政を考えた場合に事実をはっきりしておくべきである。

賛成

市長・部長が3月までこの事実を知らないということ。また、プロポーザルに関わる評価明細について、いったん公表するとしたものを今議会では公表しないと明言した姿勢は許されない。更に、今後議会の議を経ずに処理しようとする進め方に問題がある。

3ページ

おうしゅう市議会だより第38号 3ページ

使ったお金(歳出)

支出が義務づけられている義務的経費(扶助費、公債費、人件費)の占める割合は45.3%で、前年度に比べて3.3ポイント増加しました。人件費は減少しているものの扶助費が増加していること、三セク債の繰上償還による公債費が増えたことによるものです。

入ったお金(歳入)

市税や諸収入等の自主財源が占める割合は32.9%で、前年度に比べて3.6ポイント上回りました。市税は、個人市民税が個人所得の減少により微減ですが、法人市民税は製造業等一部大手企業の増益により増加となりました。固定資産税は、新増築家屋の増加等による微増で回復基調にあります。

一般会計決算認定に対する討論

反対

行財政改革による歳出削減、財政調整基金の積み増しに力を入ている。急がない大型事業の先送りや誘致企業への工業用水補給金の見直し等、市民生活向上や教育施設修繕への振り向けを主張してきたが改められない。

反対

胆沢中学校土地取得問題は、事務的不手際があったと言わざるを得ない。税金の不明瞭な使途は許されず、行革の最中で莫大な税金が使われたことに納得できない。

反対

支所職員を減らさないで欲しいとの地域の声がある中で、ダウンサイジングを進めようと計画をしている。

賛成

合併特例措置終了を目前にし、三セク債の繰上償還や財政調整基金の積み増し等、将来を見据えての諸準備や各種事業が進められてきた。主な財政指標も改善し、健全な財政運営に向けた成果が着実に現れている。

賛成

市税の収納率向上による歳入の確保や職員人件費の削減等、市の財政力に見合った歳出努力により、実質収支額は黒字となり適切に財政運営に取り組んでいる。

4ページ

おうしゅう市議会だより第38号 4ページ

部門ごとに集中審査

意見を付して認定

決算審査特別委員会

9月議会では、平成26年度決算の審査を行いました。決算審査の方法は、議長を除く議員全員で構成する決算審査特別委員会(内田和良委員長、佐藤邦夫副委員長)を設置、9月11日から9月19日まで審査し、その結果、いずれも原案のとおり認定しました。

総務部門

質問

 万年の森の太陽光発電事業者を選定した評価委員に専門家は入っていたのか。業者決定した配点表は公表できるか。

答弁

 太陽光パネルの専門家は入っている。配点表の参加業者の経営に関わる事項も含まれており、公表がふさわしいかどうか検討したい。

質問

 万年の森の残土処理には色々な問題があるが議会の議決を経るべきではないか。

答弁

 議会の議決を要する案件にはならないが、経過をシッカリ検証し議会にお知らしたい。

質問

 胆沢統合中学校敷地問題や万年の森など一連の問題は、職員の定数削減に起因しているのでは。市長はどう捉えるか。

答弁

 特定の職員に過度な事務を背負いこまないよう体制づくりと事務量をダウンサイジングしたい。

質問

 自治区廃止後の胆沢ダム水源整備基金の活用は。

答弁

 活用方法は具体化していないが、提案されている国体関連や観光面への活用など胆沢区のソフト事業として検討したい。

質問

 ハードルが高い六次産業化への支援体制は。

答弁

 地域おこし協力隊が中心となったNPO法人を立上げ支援をしていく。

質問

 今後の少子化対策は。

答弁

 平成27年度からは新たな子ども子育て支援計画を策定し、特化した支援をする。結婚支援については、県結婚支援サポートセンターとの連携や財団が支援するお見合いパーティー補助金など、市ホームページ等を通じ情報提供に努めたい。

質問

 文化施設等における女子トイレの洋式化を。

答弁

 利用者にとって喫緊の課題と捉え前向きに検討したい。

質問

 地区センター指定管理に係る力量のアンバランスをどう解消するのか。

答弁

 協働フォーラムや研修会を通じ力量を蓄え組織強化を図りたい。

5ページ

おうしゅう市議会だより第38号 5ページ

教育厚生部門

質問

 市の保育所幼稚園での、フルタイムで働く臨時職員はどれだけいるのか。必要な職員は正規職員にすべきでは。

答弁

 正規職員率は幼稚園で80.6%、保育所で57.6%である。市の定員適正化計画の中で対応している。少子化の進行もあり、保育士等の配置を市全体の中で、検討していく。

質問

 教育施設の耐震補強の状況は。

答弁

 小中学校で118棟中23棟が未実施である。このうち、胆沢統合中学校で7棟、今年度3棟実施するので、13棟が残る。幼稚園では13棟中5棟が未実施である。今後は市の総合計画の中で進めていく。

質問

 胆沢統合中学校の産業廃棄物処理において、法人・個人に対して財務規則上の調査の請求・督促等の損害賠償の手続きは進めたのか。

答弁

 すでに破産宣告されており、相手方に資力がないので、請求していない。

質問

 食改善推進の地域での取り組みは。

答弁

 平成26年4月時点で567名が登録している。生活習慣病予防、とくにも減塩指導や子どもたちに食育の推進に取り組んでいる。

質問

 国民健康保険証の短期保険証や資格証明書の発行をなくすべきでは。

答弁

 運用内規で、国保税の軽減世帯、未就学児のいる世帯、重度障がい者のいる世帯には、発行しないように配慮している。

質問

 前沢診療所の再開にむけて、医師確保がむずかしいのであれば、医療局の他の病院からの派遣または指定管理、業務委託を考えるべきではないのか。

答弁

 市の2病院、1診療所の業務量からみて派遣はむずかしい。他の診療施設との兼務はできないと、奥州保健所から指導されている。医師確保のためには、直営で再開することを堅持することが有利にはたらく。現状では指定管理、業務委託は考えていない。

質問

 看護師が不足しているといわれているが、募集・採用状況ならびに対応策は。

答弁

 募集は若干名で応募が1名である。追加募集を行ない、採用は2名となった。対応策としては、第一に試験日時を一般事務と同じにした。第二に県内の看護学校への訪問活動を、以前より早めて、夏休み前に行った。

産業経済部門

質問

 平成25年から実施されている今の観光基本計画について、何らかの見直しをしていく必要があるのではないか。
また、大手旅行会社からの出向やOBの採用など、外部の専門性のある人材を採用すべきである。

答弁

 観光基本計画については、年度ごとに見直す必要があると考えている。
藤原の郷などに旅行会社の人が入っている。外部の人の意見を重要視していきたい。

質問

 胆沢ダムのPRを強化すべきであるし、着地型の観光を目指すべきである。

答弁

 愛宕(あたご)振興会からも胆沢ダムのPRをしてほしいという要望をいただいている。何といっても発信が一番大事である。強化していきたい。
通過型から着地型へ、さらには体験型の観光を目指していきたい。

質問

 PRについては奥州FMなどコミュニティメディアからの発信を強化してほしい。
奥州FMとまちなか交流館の連携など具体的な形で、市内のにぎわいを出してほしい。

答弁

 平成20年度に、まちかど情報局メイプルサテライトスタジオを作り、まちなかにぎわい情報発信事業を行っている。平成27年度に商工会議所から奥州FMに実施主体が移る。さらにイベントを増やすなど活性化させていきたい。

質問

 藤原の郷において市民の入場者数が大幅に減っている。市民パスポートの活用をどう考えているか。

答弁

 市民パスポートは、藤原の郷と江刺郷土文化館が市民であれば入場料が半額になるものである。合併当初から行っているが、平成28年5月までとなっている。
多くの市民に活用してもらい、さらに宣伝をしてもらうためのものと考えている。今後は継続する方向で検討していきたい。

質問

 鳥獣被害防止対策の状況は。

答弁

 鳥獣被害防止総合対策協議会を立ち上げ、県からの補助金と市の予算とで事業を進めている。
平成26年度は846万円の事業費になる。緊急捕獲対策交付金事業としてニホンジカ200頭×8000円、カラス851羽×200円をそれぞれ猟友会に補助をしている。また防護柵についても補助をしている。

質問

 江刺と胆沢における放牧事業の状況は。また畜産農家の課題は。

答弁

 牧区の利用が、平成26年度は除染の関係で85%であった。平成27年度は100%になる。夏の放牧は、4万7089頭で前年比1.89%の増加である。
子牛の価格がここ1年位で10万円位高くなっている。肥育農家に影響が出るだけでなく、繁殖農家も親牛の代替時の購入経費が高くなってしまい、課題となっている。

6ページ

おうしゅう市議会だより第38号 6ページ

建設環境部門

質問

 デジタル防災無線事業の進捗状況は。

答弁

 平成27年度で完了となる。本庁、支所、地区センター間での無線連絡が可能となる。

質問

 消防団員確保のための取組状況は。

答弁

 現在団員数は、1874名(定員2100名)であり充足率89.2%。婦人協力会は、自主防災組織であり1万3645名の登録、内1771名が活動員である。検討委員会を平成27年9月に立ち上げ、加入促進を進めて行きたい。

質問

 大規模災害発生の恐れがある場合、市の対応は。

答弁

 避難勧告などの発令基準があるので、それに従って行う。伝達方法は、奥州FM・SNS・メール・市のホームページ・市、消防団の広報車。

質問

 放射能汚泥と仮置き場の現状は。

答弁

 水沢区の南地区と姉体地区の共同仮置き場81立法メートル、その他各地区に、300~400立法メートルあると思われる。現場保管は約15トン(25立法メートル)である。

質問

 街路灯のLED化の現状は。

答弁

 平成26年度末で、市管理は2.1%から2.3%。地元管理は11.8%から16.4%であり、今後積極的に推進していく。

質問

 住宅リフォームや耐震改修の推進は。

答弁

 継続して推進するが耐震改修が進んでいないのは、大地震で大丈夫だったことが理由と推測される。

質問

 水道料金収納等の委託業者の検針員事故、事件については、どのような扱いなのか。

答弁

 委託会社の従業員という身分での扱い。事故等は労災の対象となる。

質問

 収納未済の対応は。

答弁

 手順として、督促 ⇒ 停止通知 ⇒ 電話 ⇒ 停止となる。対策として窓口時間の延長、口座振替の推進、月2回の業務報告会での検討。

質問

 水道業務の包括委託選択には、透明な審査を。

答弁

 審査準備を進めている。審査委員7名のうち6名を外部委員とした。見積金額の割合を前回の13.3%から30%に引き上げた。

決算審査特別委員会附帯意見

平成27年度第3回奥州市議会定例会にて審査した、平成26年度決算については次の意見を付して原案の通り認定しました。

一般会計

  1. 私有地の活用にあたっては、中町駐車場と地売却、胆沢区統合中学校用地取得、万年の森残土処理問題のような疑義を持たれないよう適正な事務執行に努められたい。
  2. 学校施設の耐震化、修繕等の予算拡充に努められたい。
  3. 就学援助制度は、新入学、新学期の準備に間に合うように取り組まれたい。
  4. 災害時等における在宅障がい者等の施設受け入れについて、体制を整えられたい。
  5. 観光基本計画の見直しと外部人材の登用等により、戦略的な観光振興施策の充実に努められたい。
  6. 災害時における確実かつ迅速な情報伝達体制を構築するとともに、重要課題として防災対策の推進を図られたい。

水道事業会計

水道料金収納等業務委託について、受託業者の労働条件等への十分な配慮を図られたい。

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おうしゅう市議会だより第38号 7ページ

議案の審議

本定例会では、定住自立圏形成協定の締結、奥州市手数料条例の一部改正を含む条例案5件、地区センター等の指定管理者の指定7件、財産の取得7件、平成27年度補正予算11件など原案どおり可決しました。

定住自立圏形成協定を締結[奥州市・北上市・金ケ崎町・西和賀町]

本市及び北上市を中心とする複眼型圏域による定住自立圏の形成を推進するため、締結するもの。
これは人口定住に必要な医療や福祉・地域公共交通などの生活機能を確保するため、各市町が役割分担し具体的取組みに努めていくものです。

利用者減少により水沢駅西駐車場を廃止

水沢駅西駐車場を廃止し、道路整備事業推進のための代替地を念頭に活用しようとするため、奥州市水沢駅駐車場条例の一部を改正するもの。

消防団用ポンプ車や小型動力ポンプなど財産の取得に関する議案を可決

  • ポンプ自動車3台 (5378万4千円)
  • 小型動力ポンプ17台 (2538万円)
  • 圧雪車(ゲレンデ整備車)1台 (3164万4千円)
  • スクールバス(中型バス)2台 (3107万4600円)
  • 消防団用デジタル無線システム一式 (7581万6千円)
  • 光ネット通信設備機器一式 (2894万4千円)
  • スマートインターチェンジ整備事業用地 9005.32平方メートル (2407万358円)

奥州市立保育所等における特別保育の実施に関する条例の一部改正 病後児保育事業の利用患者を市外の方も対象へ

住民の生活範囲の広域化に鑑み、総合水沢病院を利用する患者全体を事業の対象とするため条例の一部を改正するもの。

災害復旧費を追加補正 一般会計補正予算(第6号)

9月10日大雨洪水警報発表に伴う災害により被災した農地・道路橋りょうの災害復旧費として、歳入歳出予算をそれぞれ7171万9千円補正しました。

地区センター等の指定管理者の指定

(指定の期間: 平成28年4月1日から3年間)

指定管理者制度を導入することにより、これまで以上に地域の主体的な地域活動と個性ある地域づくりが促進され、地域と行政による協働のまちづくりが一層加速するものと期待するものです。

指定管理者の詳細
公の施設の名称 指定管理者となる団体名
水沢南地区センター 水沢南自治振興会
姉体地区センター、姉体地区農村広場 姉体町振興会
田原地区センター、江刺農業者健康増進センター 田原振興会
稲瀬地区センター、稲瀬体育センター 稲瀬振興会
前沢地区センター、同白鳥分館、同上野原分館、同目呂木分館、白鳥地区集落センター、目呂木勤労者体育館 前沢地区連合振興会
白山地区センター、農村集落多目的共同利用施設白山中央会館 白山地区振興会
衣川地区センター、衣川山村開発センター 衣川地区振興会

8ページ

おうしゅう市議会だより第38号 8ページ

ここが聞きたい一般質問

今定例会の一般質問は、18人の議員が登壇し、行政運営について市長、教育委員長等の考えを質しました。
質問、答弁の要旨を掲載します。(文責は質問議員)

及川善男議員 (日本共産党)

地域自治区と行政組織は現状を維持すべき

質問

 6月議会で、市長が提案した「地域自治区廃止」に伴う補正予算が否決をされた。議会は、自治区制度の延長を求め、市民合意を得るようにとの意思を表明した。また市長は、来年度から地域自治区の廃止を前提とした「行政組織の再編」を検討してきたが、地域自治区の廃止が当面なくなった以上、行政組織の再編を見送るべきであり、来年度以降も現体制は維持すべきではないか。

市長

 地域自治区は1年延長し、平成28年中には存廃を決めるが、廃止すべきと考えている。地域自治区と行政組織は別問題だ。組織再編は予定通り進める。

質問

 若者の定住促進のためにも、工業用水補給金交付企業など市が様々な形で財政支援している誘致企業等に対し、地元高卒者の採用について、市が一定の働きかけをすべきではないか。

市長

 市の振興のためには、若者の地元定着は大事だ。工業用水補給金交付企業の平成26年度末高卒者の求人は13人、就職者は8人だ。今後も企業の人材確保と若者層の地元定着、正規雇用拡大に努める。

いじめ防止対策を

質問

 矢巾町内の中学2年生の、いじめを苦にした列車飛び込み自殺は、多くの県民・市民が我がこととして受け止め、心をいためている。いじめはどこでも起こりうる問題であり、どんなことがあっても子どものいのちを守らなければならない。

教育委員長

 いじめ防止対策は大切な取り組みだ。平成27年度の問題行動調査では市内の小学校で168件、中学校で29件である。

9ページ

おうしゅう市議会だより第38号 9ページ

廣野富男議員 (市民クラブ)

住民不安が続く東北油化跡地

質問

 東北油化跡地を同業者が取得したとの噂は本当か。

市長

 県を通じ破産管財人に確認したが、現時点ではその事実はない、複数の同業者が買入れに関心を示しているが、いずれも正式な申し出はない。買入れが決まった場合は、住民代表、県、市などで協議体制を再構築し、情報共有しながら周辺住民の不安解消に努める。

人口対策 来年スタート

質問

 早稲田大学生らによる「結婚支援の具体的施策」提案をどう反映するのか。

市長

 人口推計の分析結果、2040年には8万6千人となり、山間部においては約半減する見込み。高齢化率も39%に達する見込みで危機的状況に陥る。今回早稲田大学生から少子化対策をテーマとした有意義な提案を受けた。ビジョン策定の大切な素材として取上げる。本市の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を12月までに策定し、平成28年度当初から実施できるよう鋭意努力する。

岩手一一八号の主産地に

質問

 岩手オリジナル水稲の新品種「岩手一一八号」の種子圃場誘致と主産地として位置づけられるよう県への働きかけは。

市長

 早々に生産拡大を目指したいが、作付面積が限定されている。県の方針に基づき、販売戦略を含めJAと協議しながら進めたい。質問趣旨については生産対策会議の席上で県などに働きかける。

(このほか、胆沢統合中学校不動産取得等に関わる公共事業の契約など行政事務の問題を質した。)

飯坂一也議員 (公明党)

道路整備を協働の力で

質問

 舗装を含め、道路の整備を市民との協働で行う手法を制度化する考えは。

市長

 市が建設資材を提供し、地域から労力の提供を受けて、道路整備をする手法については「おうしゅうのみちを守り育てる協定」の内容の充実を考えたい。
農道のコンクリート舗装から始めてみる予定である。協働型の道路整備の手法を制度化し、周知していくことを考えていきたい。

質問

 道路舗装の要望は、圃場整備事業で創設された道路について特に多い。方策を考えるべきである。

市長

 圃場整備事業と道路整備計画の調整を図るため、今年度から道路整備担当者を計画策定の段階から派遣している。

窓口サービスの充実を

質問

 窓口サービスに対する市民要望などの把握はどのようにしているか。また部署間での討議などは、定期的に行われているのかどうか。

市長

 これまでは、ホームページや提言箱を活用してきている。苦情等があれば、その都度、関係部署に連絡している。

質問

 窓口については、来やすい、話しやすいといった、市民にとって気持ちのいい空間であってほしい。市民目線で常に良くしていく工夫が必要である。

市長

 苦情処理的なことだけではなく、満足度を上げていくための調査、仕組みづくりが必要と考える。

10ページ

おうしゅう市議会だより第38号 10ページ

菊池利美議員 (新世会)

プレミアム商品券の独自発行を

質問

 プレミアム商品券は発行と同時に即日完売となった。買えなかった市民の不満は大変なものがある。また、商品券の使用期限が終わる来年の1月以降の消費減退が予想される。奥州市独自でプレミアム商品券を発行すべきと思うがどうか。

市長

 商工会議所・商工会が使いやすい購入しやすい魅力ある商品券にして頂いた結果として即日完売となった。今後プレミアム商品券を購入した人を対象に、利用実態のアンケート調査を実施し、その結果を踏まえ検討したい。

通学路の倒木の危険性除去を

質問

 通学路のそばに樹木が生い茂り、上から木の枝が落ちてきたり、倒木しないか心配である。林業の現場では上から落ちてきた枝に当たって怪我をする事例が多い。冬は道路が凍結し危険である。所有者が了解しているのだから行政で伐採できないか。

教育委員長

 通学路の危険箇所については保護者等から情報収集して、子ども達に歩行の仕方について安全教育を実施している。冬期間は通学路の除雪を優先して行ってもらっている。

市長

 通学路の樹木が道路上にはみ出している場合には、所有者に伐採・剪定をお願いしている。ただし、早急に対応しなければならない時は、所有者の承諾を得て、道路管理者が伐採等を行うこともある。原則として所有者の責任で行うのが決まりである。

菅原由和議員 (奥和会)

合併10年の効果と課題を検証し市民と共有せよ

質問

 合併10年の節目を迎えるにあたり、市民の認識も含めた合併の効果と課題を冷静に検証し、市民と共有した上で今後の市政運営に活かしていくべきと考えるが如何か。

市長

 新市建設計画や総合計画において、毎年度、目的達成度合いと現状分析を評価検証している。このローリング結果がその都度の検証であると考えている。しかし、市民目線でも一定の評価をすべきと考える。その評価のあり方については十分に検討したい。

質問

 行財政改革推進にあたり、行政評価の役割は重要であると考える。形骸化していないか等、既存の評価システムのあり方を検証すべきではないか。また、評価の客観性を担保するためにも外部評価制度を導入する等、評価システムの再構築をすべきと考えるが。

市長

 市民にも分かりやすく、かつ様々な形で活用ができるよう検討をしていく。なお、外部評価は、職員の意識向上と評価システムの確立をまずは重点とし、次のステージとして考えていきたい。

コミュニティメディアの活用で地域活性化を

質問

 地域密着情報を提供するコミュニティメディアは、災害時のみならず地域の活性化に大きく貢献するものと期待している。情報発信には多種多様なメディアを活用すべきと考えるが、今後の利活用について伺う。

市長

 地方創生や地域活性化には、地域からの情報発信が不可欠であり、コミュニティメディアの可能性は非常に大きいと考える。今後、活用できる場面を増やし、市のPRや地域活性化に繋げていくことが必要と考えている。

用語解説

コミュニティメディア

身近な地域情報を提供するメディアで、住民参加・参画が不可欠。具体的には、コミュニティFMやケーブルテレビ等の放送媒体をはじめ、地域情報紙やフリーペーパー等の印刷媒体、インターネットやその他パソコン通信等の通信媒体等が上げられる。

11ページ

おうしゅう市議会だより第38号 11ページ

阿部加代子議員 (公明党)

リスク検診の導入で胃がんの検診率向上を

質問

 胃がんは、ピロリ菌による感染症であることが分かっている。早期に治療できれば、生活の質を良い状況に保つ事が出来る時代になった。しかし、死亡者数は変化なく、罹患者数は第1位である。胃がんのリスク検診を行い、胃がんになり易いか否かリスク(危険度)を分類する検診を行う自治体が増えている。リスクがわかることで検診への意識付けにもなる。導入について検討すべきと考える。

市長

 当市の受診率は16.2%と低い事から受診率の向上が課題である。発症リスクを知る上で有効な検診であると認識しているが、がん検診の実施指針の住民検診の位置づけになっていない。国の検診、他市の費用対効果を含めた成果を見極め検討していく。

みなし寡婦(寡夫)控除を

質問

 平成25年12月の臨時国会で民法が改定され、結婚の有無に関係なく子どもの遺産相続分は平等になった。しかし、所得税法では寡婦又は寡夫である場合、所得金額から27万円を控除するとの定めがある。同じ一人親でも結婚歴が無い場合は対象とならず寡婦(寡夫)控除が適応されない。控除が適用されないと納税額が多くなり税額に応じて負担する保育料等の料金が高くなる不合理が起こっている。寡婦(寡夫)みなし適用を導入すべきと考える。

市長

 県内でも花巻市が申請により減免対象とし、盛岡市、一関市で対象者を限定して実施する予定となっている。当市においても他市の状況を踏まえ、事業実施に向けた検討を進める。

千葉敦議員 (日本共産党)

江刺区内の4診療所は存続をすべき

質問

 江刺区内の4診療所の利用状況及び施設整備について伺う。

市長

 高齢者の受診が大半であり、患者数は前年度比ではほぼ横ばいである。建物全体の老朽化による損害や薬剤管理を含めた医療設備環境が十分でない状況である。限られた医療資源を有効に活用しなければならず、各施設の大規模改修や移転には多額の費用が生じてしまうのでむずかしい。

質問

 診療を担当している民間病院では、今後移動診療車の導入が現実的と考えているようだが、市長の見解は。

市長

 いくつかある代替案の中で、有力な選択肢のひとつである。委託先の病院や関係機関と十分協議し、できるだけ早く、代替案の構築に務めたい。

江刺のプール無くさないで

質問

 市内にはプールがいくつかある。公の施設の見直しの対象に入っているが、今後の見通しについて伺う。

市長

 耐用年数が経過したなら、廃止に向け、内部協議後、理解していただくよう説明していく。

質問

 えさしクリーンパークのプールの存続について、今後の見通しは。

市長

 いわてクリーンセンターの焼却業務の終わる平成27年度末閉鎖予定であったが、岩手県クリーンいわて事業団との協議で、平成33年度末までの営業存続が決まった。

質問

 プール利用者からは「健康維持のため、利用している。江刺唯一のプールを無くさないでほしい。」「子ども水泳教室を開催している。水泳することにより、子どもたちがスポーツに親しむきっかけになっているので、プールを続けてほしい」などの意見が出ている。市長は市民の声に耳を傾けるべきでは。

市長

 方針は進めていく。市民の声に応えるべく、しっかり検討していく。

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おうしゅう市議会だより第38号 12ページ

及川佐議員 (奥和会)

えさしクリーンパークは平成33年度以降も存続すべき

質問

 営業を平成33年度で終了するような覚書を事業団・県と締結しようとしているが、その後継続について住民・利用者を含め協議し結論出すべきと思うが。

市長

 増加する費用をお互いに負担し平成33年度末まで延長することを粘り強く交渉してきた。その後に関しては今後検討したい。

質問

 健康増進施設として直営の『悠悠館』がある。オール奥州といっても距離があり、クリーンパークの存続は市民に意義があると思うが。

市長

 オール奥州として今後は検討していきたい。

質問

 プールを公認コースとして申請等活用に力点を置くべきでは。

市長

 今後活用についてよく検討していきたい。

地域自治区のあり方について

質問

 期限ありきではおかしい。1年の期間延長といっても来年の6月に議案提出が必要であり、短い期間だ。延長を1年と考えた理由は。

市長

 平成28年度中、自治区の存廃を考え延長期間を1年とし、その間に丁寧な説明を尽くす。

質問

 5月の説明会の参加者は極めて少ない。どう評価するか。

市長

 今後30の振興会を始め地域協議会等への説明する機会を設けたい。

質問

 3月11日の総務常任委員会に当局が『地域自治区制度の総括評価』『地域協議会の総括評価』を提出している。それに基づき地域協議会に諮るのは当然ではないか。

市長

 協議会に意見を求めることは考えていない。協議会自ら評価し提出することはやぶさかでない。

中西秀俊議員 (奥和会)

生活道路整備に予算確保を

質問

 山村の地域間、集落を連絡する道路の未舗装道路が多いのが現状。雨の洗掘防止策等にもなる。各振興会からの要望は多く、整備事業が1つでも早く進むよう、予算の確保・増額をすべきでは。

市長

 来年度以降は、今年度に策定する市道路整備計画の中で後継事業として位置づけをし反映する。市全体の事業として、財源、地域特性や整備効果を総合的に勘案し整備していく。

市内へのアクセス道の整備を

質問

 江刺田瀬インターチェンジから市内中心部への整備促進の願いは大きい。地域経済の活性や物流や観光、人的交流として重要路線である。また、歩行者の安全面の確保、家屋の振動状況や路面排水不良など安全走行の確保が必要では。

市長

 県からは、舘下地内のバイパス整備は厳しい財政状況ではあるが、可能性については検討するとのこと。市として玉里梁川線は、路面状況の早期改善が図られるよう要望していく。

野球場の施設整備は

質問

 江刺区野球協会からの要望項目についての取組み状況は。

市長

 江刺中央運動公園野球場の整備の1、3塁フェンスかさ上げは、構造を含めた対応策を検討する。要望項目は、順次対応する予定。根岸公園野球場の閉鎖プールの跡地の整備は、利便性が高まるよう再整備計画を策定する。核となる新野球場の建設は、市民の気持ちの盛り上がりや建設財源の確保、財政状況など課題があり、将来の夢として考えたい。

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おうしゅう市議会だより第38号 13ページ

高橋政一議員 (市民クラブ)

奥州市の地域見守り支援は大丈夫か

質問

 新潟県妙高市では、住民、民生委員、社会福祉協議会、行政が「見守りネットワーク」をつくり、本人の了解を得て日々の交流を「活動記録」に記録し、地域の人々たちが支援しているが、奥州市の場合はどうか。

市長

 民生委員の見守り活動に加えて、社会福祉協議会へ委託して見守りや声かけ、お手伝いをする「にこにこネット」を実施している。平成26年度は、見守られ2769件、見守り5351人、緊急連絡カード3805件となっている。また、民間64事業者の協力により気になる状況を発見した場合に、情報を提供していただく「みまもりおーネット」を実施している。さらに、近隣住民が気づき、ともに支え合う地域の実現と持続をめざす。

家庭教育支援はどうか

質問

 多くの保護者が、悩みや不安を抱えながら子育てを行っている。子育て経験者、教員OB、PTA、民生委員、臨床心理士などで構成される、家庭教育支援のための「子育て支援チーム」をつくる考えはないか。

市長

 保育所や学校の先生に相談できない未就学の子どもを抱える保護者に対し、市内11カ所で「地域子育て支援拠点事業」を実施している。子育て総合支援センターでは、専門員が電話や来所、保育所や学校への訪問で相談活動をしている。保健師や助産師による「乳児家庭全戸訪問」も実施している。これらの活動を継続し、関係機関との連携を図り、家庭教育支援のさらなる充実に努めていく。

菅原圭子議員 (新世会)

教育行政「重点施策・いじめ対策」は

質問

 教育行政の重点施策は。

教育委員長

 たくましく生きる力、人間関係力を一番大事にしたい。就学前教育の充実にも取り組む。

質問

 いじめ対策は。

教育委員長

 昨年度「学校いじめ防止基本方針」をすべての学校が策定。スマホ・携帯などのメディア利用ルール作りを胆江地区中学校生徒会連合会で生徒自身が取り組んでいる。

質問

 最近、家族や友人間での顔を見て会話することが少なくなっていると聞くが、児童生徒のコミュニケーションの現状は。

教育委員長

 メールのやり取りにより問題になった者が対面して会話することで解決された例もある。メール交信では3割程度の理解しかされないと、ある講師が話している。言語活動は重要でコミニュケーションは大切なことと考えている。

万年の森の残土処理は

質問

 残土処理はなぜ今になったのか。市民はこのことについて説明を求めている。

市長

 残土処理に関しては最終処分場の覆土、公共用事業の活用を考えて善意を持って受け入れた。市民からの声は私の耳にも入っている。責任を感じている。今後検証組織を立ち上げ事件発生の経緯、問題点などを明らかにしていく。

質問

 公募要領では、「土地の貸し付けは現況のまま、事業に伴う必要措置は事業者において実施」「設置・運営事業にかかる費用は全て事業者負担」とある。市で経費負担の必要はないと理解されると思うが。

市長

 計画段階ではそうであったが、実施設計の協議の中で決まった。

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おうしゅう市議会だより第38号 14ページ

今野裕文議員 (日本共産党)

国民健康保険税を県平均のレベルまで引き下げを

質問

 国民健康保険特別会計の実質収支額は、毎年黒字を続け財政調整基金は約22億円と膨らみ、一方掛かっている医療費が県平均額以下である。この実態から、国民健康保険税を県平均レベルまで引き下げるべきと考えるが、いかがか。

市長

 国民健康保険税の引き下げの見直しを今年度行い来年度から実施したい。被保険者数の減少による歳入・歳出の変動、国庫支出金の変更など変動要因を精査して、県内他市の状況を見定めて実施したい。財政調整基金を3年間で取り崩し、できるだけ納税者に還元したいと考えている。

質問

 被保険者1人当たりの医療費は県平均以下なのに、奥州市の国民健康保険税は県内一高い。せめて県平均額になるように1人当たり2万8千円の引き下げをすべきでないか。

市長

 1年間であれば可能かもしれないが、3年という区切りからすると現実的にはむずかしい。
平成25年度の1人当たりの医療費は、奥州市23万7千円、県の市の平均が25万2千円、市町村の平均が25万1千円と、県平均より下まわっている。引き下げの目安は、22億の残高をなるべく多く取り崩して還元するという方向で検討し3年で赤字になったりしないよう税率を設定する。

質問

 1人当たりの医療費の負担額に見合う保険料まで引き下げを求める。

市長

 いただいて積み立てたものは納得頂けるレベルまで引き下げ還元をする。

菅原明議員 (日本共産党)

衣川総合支所庁舎の移転新築の協議状況は

質問

 衣川総合支所庁舎建設について、過日、地域協議会が開催され担当課から県等との協議結果について説明を受けたとお聞きした。これまでの経緯と今後の進め方は。

市長

 震災復興特別交付金が対象となるか、国や県と財務部が中心となって協議を行なってきた。現地建て替えと移転新築の概算事業を比較して、移転新築が安価であることを説明し、最終的に5月26日に県の理解を得た。その後6月に関係課長会議、7月の市長協議を経て、今後の方向性を確認し震災復興特別交付金を、県の理解を得たという観点から、防災機能を備えた支所とするほか、地元の意向を伺いながら進める事とした。
現時点では、平成30年4月1日の移転新築をめざし、実現に向けて努力する。

前沢区の新団地計画は

質問

 市営住宅は市民の働く場の確保と共に、暮らしを維持していくための大事な住まいである。維持管理と整備状況は。

市長

 市営住宅の維持管理は、平成27年8月25日現在管理戸数は22団地、965戸となっており、その内入居可能戸数は851戸で管理運営を行い入居中の部屋832戸で97.8%の入居率になっている。保全計画の整備を着実に進め、空き家を解消し入居率100%の利用を目指していく。新団地の建築工事は、請け負い業者が決定し予定通りの進捗状況である。

質問

 新団地の建築物と使用料金について、どのように考えているのか。

市長

 今1期工事が発注になっており、1棟10戸(2LDK6戸、1LDK4戸)、来年は14戸(2LDK10戸、1LDK4戸)の建設となっている。料金は単身用の場合で今の試算では、所得の少ない人で1万5000円程度、一般的な世帯2万2000円程度、2階建ての住宅2万8000円から4万1000円の間と考えている。

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おうしゅう市議会だより第38号 15ページ

千葉悟郎議員 (市民クラブ)

放射能汚染処理状況は

質問

 4年半まえの福島原発事故による放射能汚染処理は、奥州市において側溝の汚染土、仮置場の設置、汚染ほだ木・牧草などの対応は、どうなっているのか。

市長

 側溝の汚染土の処理は、仮置場が設置されないと前に進まない。未だに水沢南地区と水沢姉体地区の2カ所だけであり、今後とも地域住民の協力を得られるようにしていく。2カ所の仮置場は3年間だけであるので、その期日を守るために国と連携して取り組む。汚染ほだ木・牧草は、一般ゴミと混合して焼却し、今後2年間かけて処理していく。

休所中の前沢診療所の再開は

質問

 前沢診療所は、昨年の6月に医師が亡くなり、休所しているが、常勤医師でなければ再開することができないとしているが、その努力をしているか。

市長

 休所して1年以上になるが、医師確保のために、担当職員を配慮して努力している所であるが、見通しは立っていない。

協働のまちづくりの第2ステージとは

質問

 共同の街づくりの具体的な進捗状況を聞きたい。この5年間、30地区センターに5億円を配分しての評価と第2ステージとしてのプランで、どう変化するのか。

市長

 第1ステージは、5年間毎年1億円づつ30地区センターに配分し、当初150事業であったものが、現在360事業にまでになっているが、これは交付金の成果である。第2ステージは、アカデミーを設立して3年、その卒業生が地区センターや自治振興会、NPO等で活動しており、住民が地域で取り組みのできる事業の企画に努力している。

鈴木雅彦議員 (奥和会)

前沢診療所再開の方針を示すべき

質問

 前沢診療所が休止して1年が経過したが、平成26年度の決算と平成27年度損益見通しはどうなっているのか。また、維持管理等の経費を考えた場合、今後の施設活用として指定管理等の導入への方針転換も必要ではないか。

市長

 平成26年度決算は、平成25年度と比較して約1億4千万円の減となり、一般会計からの繰入を約1636万円増額している。平成27年度については、一般会計繰入が約1億5千万円となる見通しである。また、施設の老朽化に伴う修繕や、医療機器等の保守点検及び修繕等の必要もある。
これまで常勤医師の確保に努めてきているが、残念ながら現在まで確保に至っていない。今後も、まずは医師確保による直営での診療再開に最大限の努力を続ける。しかし提案された公設民営化等の導入も、1つの方法として検討したい。

認知症サポーター養成を職員研修に

質問

 今年度より導入された認知症初期集中支援チーム事業を本格的に展開して行くためには、市民への啓蒙とネットワーク作りが必要と考える。現状の取り組みと併せて、認知症への理解を深めるために、認知症サポーター養成講座を職員研修に活用すべきと考えるがどうか。

市長

 認知症の人が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、医師会を始め24団体と連絡会を組織し、支援体制の構築を図るとともに様々な事業に取り組んでいる。今後も認知症を切り口とした地域包括ケア体制の構築とまちづくりを目指し、当該対策の充実強化に取り組んで行く。サポーター養成講座への市職員受講も必要と考えるので、その方法等について検討の上取り組んで行きたい。

(このほか、分権型まちづくりについて質問した。)

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おうしゅう市議会だより第38号 16ページ

佐藤郁夫議員 (市民クラブ)

地域自治区の延長はなぜ1年なのか

質問

 地域自治区の存廃について、3月議会で激変緩和期間(5年)までの延長の陳情採択、6月議会で市長、市議会議員任期の期間(約2年半)の延長の議員発議可決、地域自治区廃止関連議案が否決された。市長は延長期間1年とし、その後自治区廃止を明確にした。議会の意思は発議案のとおりであり、民意も反映している。なぜ1年の延長か、また延長後自治区の廃止か。この事は、議会、民意を無視し、自治区廃止ありきではないか。

市長

 地域自治区の廃止の考えに変わりはない。発議案は延長期間を明確にしていなかったので、早目に考え方を示し、今後、地域協議会、振興会や住民に廃止の考えを丁寧に説明していく。

前沢診療所を早期に再開すべき

質問

 前沢診療所が休止してから1年以上が過ぎた。市内の公立医療機関から、医師を派遣支所長兼務で暫定的に開業できないか。また業務委託、指定管理等あらゆる方策を検討し、早期に開業すべきだ

市長

 所長兼務はそれぞれの現施設での勤務状況から困難である。業務委託、指定管理等の検討はするが、基本的には、医師を招へいし正式な形で開業させたいと考えている。

千葉正文議員 (奥和会)

地域自治区は廃止、総合支所は縮小すべき

質問

 合併10年となるいま、地域自治区は廃止すべきであり、総合支所も縮小すべきと考えるが、市長の考えは。

市長

 地域自治区は合併協議書の変更で1年延長し、その期間内に30の地区センターで説明会を行い、十分な住民理解を得て平成28年度末に廃止したい。総合支所は平成28年度から市民福祉課、地域課の2課3グループとし、支所業務を行う職員数を半減させたい。

ガンバレごみの減量

質問

 ごみの減量化について視察した東京都板橋区では、「板橋かたつむり運動」で保育園、小学校から家庭・町内会・事業所まで減量化の啓蒙活動を継続的に行い、成果を上げている。
奥州市のごみ排出の現状とごみ減量の取り組み状況は。

市長

 平成26年度は燃えるごみは2万412トン、不燃ごみは1305トン、資源ごみは483トンである。ごみ減量化の取り組みは、昨年10月と今年6月に市公報でごみ処理の特集記事で理解を求めた。
また、今年はごみ処理施設の見学会を実施し、ごみ減量の必要性を実感してもらった。日常的には奥州市環境衛生組合連合会や奥州めぐみネットの方々の活動もお願いしている。

胆沢城へ行ってみよう

質問

 胆沢城跡史跡内の道路整備と案内標示、説明板等の整備ができないか。

教育委員長

 史跡内の道路拡幅等はむずかしいが文化庁との協議は続ける。標示板は佐倉河地区振興会で設置する予定である。
来訪者が散策、見学に役立つ探訪パンフレットを用意する等ソフト面の充実を検討する。

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おうしゅう市議会だより第38号 17ページ

内田和良議員 (無会派)

乗る子がいない!辞退町組がでた日高火防祭

質問

 20年ほど前から言われてきた日高火防祭り囃子屋台の搭乗者不足だが、9町組中ついに城内組が子供3人しか手当て叶わず出場を辞退した。多くの町組が屋台修理の予算不足も含め、出場辞退は「明日はわが身」と心配している。予算面では青森ねぷたなど、企業との連携の例もある。来年の人と予算の確保策に市の対応は。

市長

 子供確保は保護者アンケートの結果を見ながら通年受付け制度など、搭乗者確保に向けて実行委員会・祭り保存会・各町組共同で9月末までに対応策を検討する。予算については、屋台は新しいものでも40年以上経過しており、みな多額の修繕費が必要なことは理解している。企業連携提案も参考に更に情報収集に努め対応を検討する。

国体カヌー場の活路は

質問

 7月のプレ国体後、胆沢川特設カヌー場は「ロンドン五輪のカヌー場よりも良い」「水難救助訓練にも適する」「奥州湖は子供始め入門者に最適」とそれぞれの専門家から高い評価を受けている。昨年のこの質問には国体後利用せずの答弁だったが、官民協働で管理保全等を行い、全国発信して、地域おこしの宝にすべきと考えるが。

市長

 雪解け後の増水による毎年の地形変形整備費用が大きな課題。国体を契機にカヌー競技への関心が高まり生涯スポーツとして広がることに期待する。また奥州湖や周辺の多様な資源を活かし、官民協働で広く積極的なPR展開をし、地域の活性化につなげたい。

請願等の審査内容

定例会において付託のあった請願等について、所管委員会で審査しました。審査結果は次のとおりです。

  • 番号 陳情第19号
  • 請願名 総合支所の組織再編にかかわる陳情
  • 請願者 奥州市前沢区白山保志場58
    奥州市政を考える会世話人代表 鈴木 秀悦
  • 審査内容 市民に対する説明が十分に行われていない段階であり、今後、市民説明会の状況等を踏まえて結論を出すべきとの観点から、継続審査。
  • 議決結果 【継続審査】
  • 所管委員会名 総務常任委員会
  • 番号 請願第17号
  • 請願名 私有地の無償貸与及び無償譲渡についての請願
  • 請願者 奥州市水沢区姉体町字島田40番地2
    社会福祉法人 ひたかみ福祉会 理事長 鈴木 次三 ほか8名
  • 審査内容 地域における障がい者施設の利用者増加に対応する安定的な運営の必要性などの観点から採択。
  • 議決結果 【採択】
  • 所管委員会名 総務常任委員会
  • 番号 請願第18号
  • 請願名 市道木工団地線の全線舗装を求める請願
  • 請願者 奥州市江刺区愛宕字海老島303
    海老島自治会 会長 菊地 薫樹 ほか1名
  • 審査内容 周辺農道が圃場整備により舗装整備され、元々は農道だった請願路線が市道との交換により市道認定されたため、この路線だけが現在まで未舗装の状態であるという経緯を勘案すれば、周辺農道と同様に舗装をしてほしいという請願者の願意を了とし、採択
  • 議決結果 【採択】
  • 所管委員会名 建設環境常任委員会

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おうしゅう市議会だより第38号 18ページ

賛否の公表

採決で賛否が分かれた案件の採決結果です。この他の議案等は全て全会一致で可決されました。 なお、紙面の都合で賛成・反対討論は2ページ、3ページに抜粋し掲載します。

採決結果一覧表

採決結果一覧
議席 氏名 会派 議案第1号 議案第2号 発議案第20号 発議案第21号 議案第42号 議案第49号 議案第27号 議案第28号 請願第17号 請願第18号
1 鈴木 雅彦 奥和会 賛成 賛成 反対 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成
6 及川 佐 奥和会 賛成 賛成 反対 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 反対
8 菅原 由和 奥和会 賛成 賛成 反対 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成
12 千葉 正文 奥和会 賛成 賛成 反対 反対 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成
15 中西 秀俊 奥和会 賛成 賛成 反対 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 反対
16 小野寺 隆夫 奥和会 賛成 賛成 反対 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成
18 中澤 俊明 奥和会 賛成 賛成 反対 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成
20 藤田 慶則 奥和会 賛成 賛成 反対 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成
23 渡辺 忠 奥和会 賛成 賛成 反対 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成
3 廣野 富男 市民クラブ 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 反対 反対 反対 反対
10 高橋 政一 市民クラブ 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 反対 賛成 賛成 反対
11 佐藤 郁夫 市民クラブ 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 反対 賛成 賛成 反対
19 千葉 悟郎 市民クラブ 反対 反対 賛成 賛成 反対 賛成 反対 反対 賛成 反対
24 佐藤 邦夫 市民クラブ 賛成 賛成 賛成 賛成 反対 賛成 棄(採決の際、表決権を行使しないで退席) 棄(採決の際、表決権を行使しないで退席) 賛成 棄(採決の際、表決権を行使しないで退席)
2 千葉 敦 日本共産党 反対 反対 賛成 賛成 反対 反対 反対 反対 賛成 賛成
17 菅原 明 日本共産党 反対 反対 賛成 賛成 反対 反対 反対 反対 賛成 賛成
22 今野 裕文 日本共産党 反対 反対 賛成 賛成 反対 反対 反対 反対 賛成 賛成
27 及川 善男 日本共産党 反対 反対 賛成 賛成 反対 反対 反対 反対 賛成 賛成
4 佐藤 洋 新世会 賛成 賛成 賛成 反対 賛成 賛成 賛成 賛成 反対 反対
5 菊池 利美 新世会 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 反対
7 菅原 圭子 新世会 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成
9 飯坂 一也 公明党 賛成 賛成 賛成 反対 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 反対
14 阿部 加代子 公明党 賛成 賛成 賛成 反対 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 反対
13 加藤 清 無会派 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 反対
25 内田 和良 無会派 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成
28 小野寺 重 無会派 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 賛成 反対 賛成 賛成 賛成

注意

  • 議長は裁決には加わりません
  • 請願は原案についての表決

賛否が分かれた案件の詳細 

案件の詳細
議案番号 案件名
議案第1号 定住自立圏形成協定の締結に関し議決を求めることについて
議案第2号 奥州市個人情報保護条例の一部改正について
発議案第20号 奥州万年の森における太陽光発電事業の調査に関する決議案
発議案第21号 「国際平和支援法」及び「平和安全法制整備法」の強行採決に抗議する意見書
議案第42号 胆沢中学校校舎新築建築工事及び胆沢中学校校舎新築外構工事の請負契約の締結に関し議決を求めることについて
議案第49号 財産の取得に関し議決を求めることについて(スマートインターチェンジ整備事業用地)
議案第27号 平成26年度奥州市一般会計歳入歳出決算認定について
議案第28号 平成26年度奥州市国民健康保険特別会計歳入歳出決算認定について
請願第17号 私有地の無償貸与及び無償譲渡についての請願
請願第18号 市道木工団地線の全線舗装を求める請願

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おうしゅう市議会だより第38号 19ページ

特別委員会報告

ILC調査特別委員会

9月18日の委員会では、「ILC誘致に係る国の2016年度の概算要求の内容」、「奥州市ILCまちづくりビジョン策定の進捗状況」、「ILC誘致に係る平成27年度の市の取組み内容等」について調査しました。
国の2016年度概算要求は、成長戦略の実現に向けての科学技術イノベーションの推進についてに1億1千万円が要求されておりました。
市では「奥州市ILCまちづくりビジョン策定委員会」を今年7月に立ち上げ、「まちづくり・地域生活支援分科会」「産業振興分科会」「福祉医療・教育分科会」の3つの分科会で内容を検討しながら、12月の策定を目指して進められているとのことでした。また、ILC計画の周知と受入気運の醸成やILCの実現を見据えた環境整備に向け取り組みを行っており、水沢江刺駅内観光案内所のスペースの有効活用を進めてほしいという意見がありました。

地域医療調査特別委員会

7月10日の委員会では、特定医療法人社団 清和会 理事長 佐藤芳邦氏を招き、江刺区内の診療所の運営状況等や診療施設が抱える課題や救急医療の現状等について懇談を行いました。 7月17日は、岩手県立胆沢病院 勝又宇一郎院長を招き、県立胆沢病院の現状や地域医療構想、奥州二次医療圏における公立病院の役割や医療機関の連携等について懇談を行いました。 各医療機関が抱える問題や課題についてお話をいただき、今後の地域医療のあり方を検討協議する上において、有意義な懇談会となりました。

第2回奥州市議会臨時会 一般会計補正予算(残土処理費)を撤回

奥州万年の森公園内の残土問題に伴う市議会臨時会は7月21日に開催し、市長から提出された処理費用9800万円を盛り込んだ平成27年度一般会計補正予算を審議しました。庁内情報共有の不備や事務処理上の問題の指摘を受け、市長は議案撤回を申し出し、採決の結果賛成15、反対11で承認しました。
審議の冒頭、市長は17日にメガソーラーの建設を行うNTTファシリティーズの本社を訪問し、副社長と協議したと報告しました。費用のあり方に関して再度協議する約束を得たとして「最終的な責任は私にある。市にかかる経費を少しでも軽減するための努力を重ね、必ずその結果を出したい」と述べました。
質疑では、今年3月になって初めて市長と担当部長が残土問題を把握するなど庁内の組織の問題や重要案件について文書を介さず口頭でのやり取り、事務処理の問題を批判する意見が多く出ました。

残土処理に関わる経過

市は、同公園敷地に隣接する胆江地区最終処分場の造成工事で出た残土を同処分場の覆土用と一般の公共工事用として同公園内に保管していた。当初、仮称・奥州スマートインターチェンジ(IC)の造成工事で残土の大半を使えると見込んだが、今年3月に活用できないことが判明した。市は、昨年5月、同公園での太陽光発電事業者の公募を始め同年8月にNTTファシリティーズを選定した。同年6月の現地説明会で事業者側に対し覆土分を除く残土を含め敷地を賃貸する考えを示していたが、一方ではスマートインターチェンジでの活用を見込んでいた。しかし同社の問い合わせに対し、市に担当者が昨年11月、残土を市側で撤去する旨を口頭で伝えた。
市が示した処理方針では、同公園近くの民間の新規処分場に市が全量搬入する。覆土用の6万4600立方メートルを保管し、活用先が見当たらない5万7400立方メートルは廃棄する。

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おうしゅう市議会だより第38号 20ページ

行政視察報告

総務常任委員会

  • 視察日
    平成27年7月7日~9日
  • 視察先
    • 新潟県見附市
    • 富山県氷見市
    • 新潟県上越市

地域自治推進事業・行政と地域コミュニティの協働のまちづくりの推進について【見附市】

見附方式と呼ばれる地域コミュニティ設立の道のりは、住民説明やワークショップでの検討など、準備会の開催によりコミュニティの理念や地域が抱える課題、目指すべき将来像などを十分に話し合ってまちづくり計画を策定し、まちづくり計画に基づいた組織の設立まで、約1年をかけていました。また、市職員がボランティアで地域サポーターとなり、住民と共に活動しながら、顔の見える関係を築き、地域と行政との協働のまちづくりを推進していました。

公共施設のリニューアル活用・旧高等学校体育館の市庁舎へのリノベーションについて【氷見市】

市庁舎の耐震診断結果が耐震強度不足であったことや庁舎が津波の浸水想定区域にあったことなど防災面での不備など、旧市庁舎で抱えていた問題を解決するため、県立高校再編により廃校となった高校の体育館と校舎を改修し、市庁舎として有効活用しており、財政負担を抑えながら防災面での安全性と市民の利便性が図られていました。

地域自治区について【上越市】

全ての地域自治区に市長の附属機関である地域協議会があり、委員は、意欲のある方に手を挙げていただき、地域の皆さんから選んでいただく公募公選制に基づいて市長が選任し、任期は4年で、無報酬ということでした。 地域協議会では、概ね毎月1回のペースで、市からの諮問事項や自主的に選んだ審議事項について話し合い、諮問に対する答申や意見書の提出、地域を元気にするための事業の提案などを行い、協議会の活発な活動は、上越市の地域自治区制度の特徴の1つとなっていました。

建設環境常任委員会

  • 視察日
    平成27年8月5日~7日
  • 視察先
    • 千葉県市川市
    • 東京都板橋区
    • 東京都葛飾区

空き家対策事業について【市川市】

市川市では平成25年度に制定した「市川市空き家等の適正な管理に関する条例」に基づき、従来の対応方針を継続して実施することとしています。具体的な対応フローは、市民等からの情報提供があった空き家について実態調査を行い、所有者を特定し、管理等が不十分な「特定空家等」と認められる場合、助言・指導、勧告、命令、公示、行政代執行といった措置を段階的に行うことになります。相談件数は1、201件で、指導対象が606戸、うち是正されたのが277戸、解体189戸、勧告が2戸、公示として標識を設置したのが1戸、緊急安全代行措置が3戸ということでした。

板橋区立リサイクルプラザについて【板橋区】

リデュース・リユース・リサイクルの3Rによるごみの減量とリサイクル推進を行っており、3Rの考え方をさらに発展させるため、「板橋かたつむり運動」を展開しています。「か かたづけよう、た たいせつにつかう、つ つかいきる、む むだにしない、り りさいくる」の「かたつむりのおやくそく運動」により、ごみの減量・リサイクルに繋げていこうという思いで取組んでいました。

戸籍住民課窓口サービスの改善について【葛飾区】

戸籍住民課の窓口サービス改善の取組みは、段階的に取扱い業務を拡大しており現在は住所異動に伴う国民健康保険、介護保険などの他課所管業務のほか、税証明書の交付や転入に伴う入学手続き、児童手当の申請、乳児医療証の交付申請等の18業務を取扱っているとのことです。対応はひとつの窓口につき、ひとりの職員が担当しているとのことであり、フロアに案内係であるフロアマネージャーを配置し、窓口案内や申請書記入の補助を行っていました。

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私もひとこと

医療費助成について

水沢区/菅原 かおりさん(42歳)

子供を持つ親として、不便に感じていることが1点あります。それは、医療費助成についてです。奥州市の医療費助成は、原則的に小学生までの間行われますが、地域によっては、中学生まで行われているところもあるようです。財政の問題もあるのでしょうが、次代を担う子供達を産み育てやすい街にしていかなければ人口流出は止められないと思います。

また、この医療費助成の方法もできれば見直して頂きたいと思います。現在は、保険証に添えて医療費受給者証を提示し医療費助成給付申請書を提出することにより、後日指定口座に入金される仕組みとなっています。助成される割合が決まっているのならば、医療費受給者証の提示のみでその場で精算される方が利便が良いのではないでしょうか?現に以前住んでいた市ではそのような方法がとられていましたので、是非検討して頂きたいと思います。

ILC誘致に期待

衣川区/高橋 均さん(47歳)

ILC(国際リニアコライダー)の国内候補地が北上山地に選定され2年が経過した。他にも何カ国かで建設候補地が挙げられているが、まだ最終決定には至っていない。

ILCとは30キロメートル~50キロメートルもの直線のトンネルを作り、一方から電子ビームを、もう一方から陽電子ビームを入射し超高エネルギーで正面衝突させ宇宙の始まり(ビッグバン)から1兆分の1秒後の状態を再現させるという超精密な素粒子衝突実験装置なのだそうだ。

研究の内容はさておき、この計画の建設場所が北上山地に決定されれば、江刺から気仙沼方面にかけて巨大な実験施設が建設され、世界中から多くの研究者とその家族が長期にわたり居住することになる。試算ではILCに勤務する職員や研究者、またその家族を合わせると約1万人もの多国籍の人が暮らす町ができるそうだ。もしこれが実現するのなら、奥州市にとっても私たち市民にとっても無限の可能性が出てくることは間違いない。

議会日誌

  • 7月3日 議会広報編集委員会
  • 7月7~9日 総務常任委員会行政視察
  • 7月10日 議会広報編集委員会
    地域医療調査特別委員会
  • 7月14日 教育厚生常任委員会所管事務調査
  • 7月15日 全員協議会
  • 7月17日 議会改革検討委員会
    地域医療調査特別委員会
  • 7月21日 第2回奥州市議会臨時会
    議会運営委員会
  • 7月27日 全員協議会
    議会運営委員会
  • 7月31日 大船渡市・陸前高田市・奥州市議会議員交流会
  • 8月5~7日 建設環境常任委員会行政視察
  • 8月6日 教育厚生常任委員会所管事務調査
  • 8月10~11日 ILC誘致及び国際科学技術研究圏域調査特別委員会視察研修
  • 8月17日 全員協議会
  • 8月25日 議会運営委員会
  • 8月28日 全員協議会
  • 9月 平成27年第3回定例会(8月28日~9月25日)
    <会期中に開催された委員会>
    • 議会運営委員会 3回
    • 決算審査特別委員会 6回
    • ILC誘致及び国際科学技術研究圏域調査特別委員会 1回
    • 地域医療調査特別委員会 1回
    • 奥州万年の森における太陽光発電事業に関する調査特別委員会 1回
    • 総務常任委員会 2回
    • 教育厚生常任委員会 2回
    • 産業経済常任委員会 2回
    • 建設環境常任委員会 2回
    • 議会改革検討委員会 1回
  • 9月7日 議員説明会
  • 9月16日 全員協議会
  • 9月18日 全員協議会
    議員説明会

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「第8回 市民と議員の懇談会」開催

懇談テーマは「人口減少問題と奥州市の課題(地域自治区等)」

この懇談会は市民の皆さんとひざを交え、議会の立場から市政に関する情報提供に努めるとともに、多様な意見交換の場として開催します。 議会に対する意見・提言・批判等市民の声を広く聴取し、議会の監視機能及び政策提言機能を高めようとするものです。 議員が5班に分かれてそれぞれの会場へ出向き開催しますので、多くの皆さんの参加をお待ちしております。

開催日時、会場

市民と議員の懇談会の詳細
月日 時間 会場
11月4日(水曜日) 14時00分~16時00分 1 伊手地区センター
11月4日(水曜日) 14時00分~16時00分 2 常盤地区センター
11月4日(水曜日) 14時00分~16時00分 3 真城地区センター
11月4日(水曜日) 18時30分~20時30分 1 羽田地区センター
11月4日(水曜日) 18時30分~20時30分 2 米里地区センター
11月4日(水曜日) 18時30分~20時30分 3 南都田地区センター
11月6日(金曜日) 14時00分~16時00分 4 南股地区センター
11月6日(金曜日) 14時00分~16時00分 5 玉里地区センター
11月6日(金曜日) 18時30分~20時30分 4 広瀬地区センター
11月6日(金曜日) 18時30分~20時30分 5 白山地区センター

出席議員班編成

  • 1班
    • 菊池利美(水沢区)
    • 飯坂一也(前沢区)
    • 高橋政一(胆沢区)(高の字は正しくはハシゴダカ)
    • 中西秀俊(江刺区)
    • 及川善男(水沢区)
  • 2班
    • 廣野富男(江刺区)
    • 千葉正文(水沢区)
    • 阿部加代子(水沢区)
    • 小野寺隆夫(胆沢区)
    • 菅原明(衣川区)
    • 小野寺重(前沢区)
  • 3班
    • 鈴木雅彦(前沢区)
    • 菅原由和(水沢区)
    • 今野裕文(胆沢区)
    • 佐藤邦夫(江刺区)
    • 内田和良(水沢区)
  • 4班
    • 及川佐(江刺区)
    • 佐藤洋(水沢区)
    • 佐藤郁夫(江刺区)
    • 加藤清(胆沢区)
    • 中澤俊明(水沢区)
  • 5班
    • 千葉敦(江刺区)
    • 菅原圭子(前沢区)
    • 千葉悟郎(水沢区)
    • 藤田慶則(胆沢区)
    • 渡辺忠(胆沢区)

表紙写真

9月19日あおぞら園運動会は前夜の雨により会場を前沢グリーンアリーナに移して実施。 準備体操の「いっしょうけんめい体操」で気合い十分!!

あとがき

議会として、ILCの推進準備室がある茨城県つくば市に行ってきました。家に帰って来て早速、小学生の子どもに、素粒子の説明をしました。一番小さいものは何?と聞いたら、「アリー!」、次には「バイキーン!」との答え。初めからつまずいてしまいました。でもその目の輝きにはこちらも楽しくなります。
前進のエネルギーの源は好奇心とわくわく感だと改めて実感しています。

(編集委員 飯坂 一也)

この記事に関するお問い合わせ先

議会事務局 議事調査係
〒023-8501
岩手県奥州市水沢大手町1-1
電話番号:0197-34-1575
ファックス:0197-23-8199
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