【番外編】(前編)天文学世界最高峰の研究施設「国立天文台」について調査したビン!

更新日:2025年08月04日

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奥州市ふるさと納税担当です♪

 

暑さが日ごとに増し、夏らしい青空が広がる季節となりました。

夏休みやお盆の計画を立てている方も多いのではないでしょうか。

 

夜空には、天の川や夏の大三角形がくっきり姿を現し、

宇宙の広がりを感じさせてくれます。

 

今回はそんな季節にぴったりで、世界初のブラックホール撮影に貢献した

本間所長も研究を続ける「国立天文台」をご紹介します!

20mアンテナ

天文台は地元水沢では当時から「緯度観測所」の名称で親しまれてきました。

 

まずは、水沢に国立天文台が出来るきっかけの緯度観測を始めた人物「木村榮(きむらひさし)」記念館を見学させてもらいました✨

 

【取材協力】

国立天文台 水沢VLBI観測所 特定技術職員 蜂須賀 一也(はちすか かずや)さん

水沢に設置された緯度観測所とは?

地球の自転軸の変動(極運動)を観測・研究するための施設です。

1899年国際的な緯度観測計画において、北緯39度8分線上の観測地点として6つの観測所が設けられることになり、日本・アジアでは唯一水沢が選ばれました。観測は約80年間、同じ方法で休みなく続いたそうです。

木村榮
木村榮ってどんなことをしたの?

北極点の位置の変化(極運動)を観測するために設けられた緯度観測所の初代所長で、Z項という地球の緯度変化を計測するための公式を発見した天文学者です。29歳で所長となり国際緯度観測事業の日本代表となりました。

榮切手

切手にもなっています!

 

木村氏が国際緯度観測事業のデータを集計するドイツへ最初の観測ノートを提出すると、「水沢は他の観測所とよくデータが合わない」と中間報告の論文で100点満点中50点の低い評価が。日本の委員から「日本の恥」とまで言われましたが、問題を解決しようと奮闘しました。

そこで発見したのが後の「Z項」。(当時は「木村項」とも呼ばれていたそうです)

従来は星の観測の結果をX項Y項という公式で計算していましたが、木村氏が発見したZ項を加えると、地球上のどこでもこれまで以上に正確に計測できるようになりました。

このことを論文で発表したところ、確かにZ項の式で計算し直すとデータを説明出来るということが認められ、日本の科学力の高さが世界に示されました!

 

Z項を閃いた時の様子を再現した部屋がこちらです。

木村の部屋

テニスから戻って来た後、引き出しの論文を取り出したときに閃いたので、椅子横にテニスラケットがあります。

 

さらにここでは風(風が山を押すと地球がふらつく)や地震の観測も行っていました。北極点がズレるのはこれらも原因の一つとして考えられていたからです。

●水沢と「Z」について●

水沢には「Zホール」「Zアリーナ」「Zプラザアテルイ」「XYZ水沢」など「Z」と名の付く施設が多くあります。木村のZ項発見にちなみ、奥州市の施設名や愛称に「Z」が使われています。

 

木村氏の心臓ともいえる⁉「緯度観測所」に移動!

緯度観測所1

アンテナが大きいほど、弱い電波が出ている星でも検出出来るようになるそうです。

緯度観測所2

ハンドルを回すと天井が開き、ここから空を観測します。

基礎が地下4M近くあり、望遠鏡の置かれていた台は126年経ってもほぼ水平を保っているそう!

 

蜂須賀さんは「ここをもっと有名にしたい!」と、緯度観測所の功績を伝えるトークイベントなどの活動も行っています。

★水沢の緯度観測所はここが凄い!

1.126年間途絶えることがなかった極運動観測

2.極運動やZ項の原因を研究

3.ここが日本の天体観測室で一番古い!

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岩手県奥州市水沢大手町1-1
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