令和4年第2回定例会 意見書・決議文

更新日:2023年09月29日

ページID: 1448

ゆたかな学びの実現・教職員定数改善・義務教育費国庫負担制度負担率の引上げを図るための2023年度政府予算に係る意見書

 学校現場では、授業を通して一人一人の学力を高めることはもちろん、授業以外でも生徒指導、生徒会・児童会、部活動等様々な教育活動が行われています。

 また、子供たちの状況は、不登校、別室登校、いじめ、貧困、複雑な家庭環境等により問題が多様化、細分化しています。加えて、コロナ禍において、教室内のソーシャルディスタンスを保つことも必要になっており、現在の教職員定数ではその確保が難しい学校もあります。

 現在、慢性的な教員不足により学級編制基準に基づいた定数内配置、育休者・病休者の代替措置等が未充足であるなどの問題があります。また、子供の多様な状況に対応するため、多くの学校が別室登校を実施していますが、その十分な人員も配置されていません。そうした中、授業以外の指導計画はもとより、教材研究や授業準備にも支障をきたしています。さらに、新型コロナウイルス感染症対策に伴う新たな業務も教職員の多忙に拍車をかけ、長時間労働の是正が進んでいません。

 これらの課題を解決し、子供たちへのゆたかな学びときめ細やかな教育活動を実現するためには、更なる少人数学級の実現が必要です。2021年の法改正により、小学校の学級編制標準は段階的に35人に引き下げられていますが、今後は、小学校に留まることなく、中学校での早期実施も必要です。また、養護教員などの少数職種を含めた教職員の増員による教職員定数の改善を実現することも欠かせません。

 一方、厳しい財政状況の中、独自財源により人的措置等を行っている自治体もありますが、自治体間に教育格差が生じることは大きな問題です。義務教育費国庫負担制度については、小泉政権下の「三位一体改革」の中で国庫負担率が2分の1から3分の1に引き下げられました。国の施策として定数改善に向けた財源を確保し、全ての子供たちが一定水準の教育を受けられることは、憲法上の要請であり、ゆたかな学びを保障するための条件整備は不可欠です。

 こうした観点から、2023年度政府予算編成において下記事項が実現されるよう国に対し要望します。

  1.  ゆたかな学びの実現ときめ細やかな教育の実現のため、小学校での更なる少人数学級について検討し、中学校での35人学級を早急に実施すること。
  2.  学校での働き方改革と長時間労働是正を実現するため、少数職種を含めた教職員の増員による教職員定数改善を推進すること。
  3.  自治体で国の標準を下回る学級編制基準の弾力的運用の実施ができるよう加配の削減は行わないこと。
  4.  教育の機会均等と水準の維持向上を図るため、地方の財源を確保した上で義務教育費国庫負担制度における国の負担割合を引き上げること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

 令和4年6月22日

岩手県奥州市議会

提出先

  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 内閣官房長官
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 文部科学大臣衆議院議長

水田活用の直接支払交付金の見直しに関する意見書

 現在の水田農業を取り巻く環境は、米価の大幅な下落、農業者の減少や高齢化など、より厳しさを増してきています。そのような中で、農林水産省は令和3年12月、水田活用交付金の見直しを決定しました。多くの農業者が翌年の作付け準備の直前にこれらの見直しを知ることとなり、生産現場では大変な混乱が生じています。

 令和4年から、5年間に一度の水張りを要件とし、は種を行わない多年生作物(牧草)に対する戦略作物助成の単価を大幅に減額するという今回の見直しが実施されれば、国が推進する米の生産調整に長年にわたって協力してきた農業者への打撃は計り知れません。土壌変化による収量減や品質低下が懸念され、農地の維持や農業水利施設の管理が困難になるほか、営農意欲の低下、離農者や耕作放棄地の増加など、地域農業に深刻な影響を与えるものであることから、到底受け入れることはできません。

 奥州市の基幹産業は農業であり、多くの農業者が米作りを農業経営の基盤としています。今後も農業者が意欲をもって安心して農業に取り組むことができるよう、水田活用の直接支払交付金の見直しについて、国に対し次のとおり要望します。

  1.  今回の水田活用の直接支払交付金の見直しについては、白紙とすること。
  2.  交付金の対象水田から除外される場合については、農地や集落の維持及び農業者の所得が減少せずに意欲をもって生産活動に取り組むための新たな支援措置を速やかに講じること。
  3.  戦略作物助成の見直しについては、経過措置を講じ、営農計画等を十分に検討する期間を設けること。
  4.  農業施策の実施及び見直しについては、農業者の持続可能な農業経営のため、周知や検討の期間を十分に設け、生産現場の課題を検証したうえで制度を設計すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

 令和4年6月22日

岩手県奥州市議会

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 財務大臣
  • 農林水産大臣

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