ウシの生物学 The Biology of Cattle
家畜化のはじまりThe Origin of Domestication
ウシは今から8千年ほど前に西アジアのイラン高原北部で家畜化されました。ウシの家畜化がどのようなきっかけで始まったのか、はっきりしたことは分かりませんが、食べることを目的として捕まえたウシが子を産み、その子牛を飼い慣らすといったことから始まったのではないかといわれています。
ヒトが動物を飼うようになると、自然淘汰圧は弱まり、代わりに人為的淘汰圧が強まります。そのため、人間に都合の良い形質を持った動物の集団が形成されます。これが家畜化といわれるものです。家畜牛の基となった野生のウシ(原牛:オーロックス)は、1627年にポーランド南部のヤクトロウカの森で最後の1頭が死んで絶滅しています。

ウシを追い込むエジプト人(写真)
古代エジプト 紀元前1700年頃
原資料所蔵:大英博物館
主な展示資料
- ウシを追い込むエジプト人パピルス(写真)
- オーロックス写生図(写真)
- 家畜化の段階パネル