文字サイズ:標準

牛と人とのかかわり The Relationship between Cattle and Human

水牛信仰の民・トラジャThe Buffalo Belief of the Toraja People

トラジャ族は、インドネシア共和国・スラウェシ島の山岳地域に住む民族です。独自の宗教儀礼と高度な文化を持ち、特に多くのスイギュウを犠牲にする葬送儀礼は世界的に有名です。スイギュウを農耕などに用いることはなく、大切に育て上げ、葬儀の犠牲に供します。これは、スイギュウの魂が死者を天に導くと考えているからで、犠牲にするのは、スイギュウの肉体から魂を解き放つためです。犠牲とされたスイギュウが多いほど、死者が天の高いところに昇れます。スイギュウの肉は、親族や弔問(ちょうもん)客に振る舞われ、角は住居(トンコナン)の棟持柱に飾られます。これらの習慣は、葬儀の主催者の富と権力の誇示につながっています。また、日本ではお香典を持っていきますが、トラジャでは、犠牲にするためのスイギュウを親族が連れてきます。このスイギュウは、毛色や角の大きさなどの様々な特徴によりランク分けされ、遺産相続の参考にされます。遺産は主に水田であり、ランクの高いスイギュウを連れていった人ほど良い所を相続できます。トラジャ族の信仰と生活の双方に、スイギュウは深く関わっています。

水牛信仰の民・トラジャ

主な展示資料

  • トンコナン(1/3模型)
  • 水牛型棺(ひつぎ)(エロン)
  • 棺運搬台(サリガン)
  • 副葬人形(タウタウ)
  • トンコナンの扉
  • 儀礼布(トラジャイカット)
  • 儀礼布(サリタ)

◆[牛と人とのかかわり]メニューへ戻る◆